オープンアトリエ・芸術の秋を楽しむ

アート2009年10月11日

投稿者:中原 亨

昨日の土曜日KAIRのオープンアトリエが実施されました。これは毎年行っている恒例行事です。制作活動も後半に入った作家たちのアトリエを訪問し、どのようなコンセプトで作品を作っているかお話を聞くものです。

道の駅に集まりました。

道の駅に9時30分集合、記念写真を撮ったあと10時に出発しました。例年より参加者が少なめでした。

水谷さんの作品。

まず向かったのは寄井座で制作中の水谷さんのアトリエ。鉛筆で描いた白黒の作品が広がっています。かなり大きい作品で3メートル以上ある白い紙に丁寧に描かれています。

彼は鉛筆を使ったこの作品シリーズを6年以上続けているとか。

目を凝らすと細部は実に細かい描き方をしています。

実に根気の要る仕事です。神経を張り詰めて描いていると目は疲れるし手足や腰がしびれてくるそうです。

作家本人が言うには、作品全体は何か、分かっているようで分からない。ただ、紙があり、鉛筆があり、僕という存在がある。そして神山という町がある。同じことを繰り返すことにより神山というところで波紋を立てることができたらいい。

ほぼ完成に近い彼女の作品。

つぎに向かったのは下分宿舎隣のスベトラーナさんのアトリエ。彼女は風景画が得意だと思っていたのですが、作品は心象画でした。キャンバスを6つのパーツに分けて、神山に来て出会った印象深い対象物を描いています。

神山に来てはじめて話すロシア語。

彼女は今日は嬉しいことがありました。彼女はモスクワで1年間ほど日本語を勉強していました。簡単な日常会話はできますが、込み入ったことは話せません。ところが今日ロシア語の通訳の方が付いたのです。

手前の男性、遠藤克己さんです。ロシア語翻訳・通訳者で阿南市の方です。神山中学校での課外授業にも通訳として来てくださるそうです。

今日はわたしの車で一緒にオープンアトリエを回ったのですが、神山に来てはじめて話すロシア語に、彼女はとても嬉しそうでした。私自身もこれからの計画で込み入ったことが話せて意思疎通ができました。

山中カメラさんのアトリエ。

次は下分小学校の山中さんのアトリエ。彼は音響・映像作家です。彼は祭りをテーマとして「神山おどり」の伴奏を制作中です。11月3日の夕方5時過ぎから、下分地域の人たちを集めて伴奏に合わせて踊ってもらうパフォーマンスを展開するそうです。

宮城さん一家の全面協力。

踊りの伴奏の太鼓や掛け声は宮城さん一家の全面協力をいただいています。今日の参加者も掛け声をかける練習をしました。その音をテープに拾い、コンピューター処理をして曲を作るとか・・・。

襖絵制作中のアダムさんのアトリエ訪問。

KAIRの作家ではないのですが神山に滞在して「小野さくら舞台」の襖絵を制作中のアダムさんのアトリエを訪問しました。作品はほぼ完成しています。
この25日の日曜日に人形浄瑠璃小野さくら舞台で彼の作品のお披露目があります。

キャメロンさんの作品解説。

最後の訪問は改善センターでキャメロンさんの作品解説。彼はすでにいくつかのランドアート作品を作っています。その作品群を巡るのは11月3日から8日まで開催される展覧会で鑑賞してもらいます。
今日はプロジェクター映像を使って彼の過去の作品を鑑賞しました。

環境アートが彼の大きなコンセプトとなっています。捨てられてしまう廃材や流木を使っての作品はどれを見ても迫力があります。

廃棄物を使った作品。

改善センターの駐車場はいま全面改装中です。その剥がしたアスファルトを使った彼の作品。
それにしてもずいぶんと高く積み上げたものです。駐車場が完成するとこの作品も取り壊されて廃棄されます。

つかの間の作品なのですが、ランドアート作家の作品を作らずにはおれない熱意や衝動や労力には感心します。彼の過去の作品にも危険と思われる崖の斜面にケルンを積んでいる作品がありました。

八幡神社の天井画。

遅い昼食を済ませて最後に訪れたのが八幡神社の天井画の鑑賞。いくつか抜け落ちていた天井画が原みるさんや林田直子さんの描いた絵で埋まりました。ここでは国子おかあちゃんの解説の声が響き渡りました。

解散した後スベトラーナさんを宿舎に送る。スキーランドホテルに行ったことがないというので案内しました。

秋を見つけました。

この場所、周りが冷たい清流に囲まれていて気温がぐっと下がっています。モスクワ育ちの彼女もちっと寒そうにしていました。

さて、KAIRの作品展覧会、11月3日(文化の日)~8日(日)まで開催されます。ぜひ見にお出でください。特に3日の祝日と8日の日曜日はツアーを組んで案内します。道の駅に9時30分ごろ集まってください。10時に出発します。

なお最終日の8日の日曜日、夜7時から改善センターで「さよならパーティー」があります。参加は誰でも自由です。とても楽しいパーティーですのでこれにもぜひお出でください。

中原 亨

神山アーティスト・イン・レジデンスの自称学芸員。これまで招聘した作家たちの作品の解説はお任せください。年間を通じて数多くの訪問者を案内しています。 神山を元気にするため老体を鞭打ちと東奔西走しています。NPOグリーンバレーの理事。

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コメント一覧

  • (参加できませんでしたが、)作品も順調に仕上がっているようで、 展覧会が楽しみです。 それにしても、ロシア語をしゃべれる人いるんですねぇ、徳島に。

    2009年10月11日 9:21 PM | 大南 信也

  • スヴェトラーナさん、神山にきて、「胴(どう)」が長くなったような気がしませんか。 (単に、Gパンをずらしてはいているだけ?)(笑) 明日は、粟飯原さんちで、お昼ごはんをごちそうになりましょう! お祭りだぁ!

    2009年10月11日 11:08 PM | ニコライ

  • お久しぶりです!今年の夏にムサビのインターンシップでお世話になりました、デザイン情報学科の木村です。 帰ってからバタバタしていて中々日記を見る時間がありませんでしたが、もうオープンアトリエの時期なんですね!早い!!リーフレットを作りながら、どうなるんだろうとワクワクしていた頃が懐かしい・・・(笑) これから作品がどうなっていくのか益々楽しみですね。 就活が終わったらまた是非神山にお邪魔させて下さい^^

    2009年10月12日 2:09 AM | 木村翠

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