ヒルダ・アーガード
Hilde Aagaard

2001年度 神山アーティスト・イン・レジデンス招聘作家
2001/10/1 – 2001/11/12 神山町滞在


Hilda Aagaard 2001
1958年、ノルウェー生まれ。チェルシー芸術デザイン大学修士課程(総合メディア専攻)修了。表現方法は地域性を重視し、感ずるまま何種類もの素材を選 んで制作してきた。最近では、紙を使い彫刻的なアプローチに、絵画や写真にむすびつけた作品を制作している。KAIRでは、『From House Within』と『神山とともに』を制作した。これらは滞在中に訪れた日本家屋や神社、おみくじ、祭りからヒントを得て、得意の写真や深い関心を持つに 至った、和紙を素材に表現したものである。
(→ Hilde Aagaard website)

Hilda Aagaard 2001

はかなさも、また宝。
生は、虚し、夢無し?
故に古来、人は宝を祭ってきた。
撚りあわせたものは、出会いと祈り。
祭りの形をした日々。
皆の日常と、誰のものでもない宇宙。
ひとつと全部。
飲んだお茶が、茶碗の銀河を滑り落ちていくように。
山の神が、移ろいを教えたのか。
巫女のように、木偶にしがみつき、舞い降りる村人たち。
北の女は、障子の空間、紙の居ずまいに、床を設けた。
時の流れを自ら樚いた虹の紙に書き写す、
それが芸術。
(武蔵野美術大学芸術文化学科教授:新見隆)

Hilda Aagaard 2001