吉澤 和芳 Kazuyoshi Yoshizawa

2003年度 神山アーティスト・イン・レジデンス招聘作家
2003/9/23ー2003/11/18 神山町滞在

1968年東京生まれ。武蔵野美術大学油絵学科卒業。同共通絵画研究室助手を歴任。個展を中心に作品を発表。東京生まれの東京育ちの私にとって、神山の豊かな自然やその中で暮らす人々の生活は実に新鮮なものでした。東京では太陽と私の関係が絵の主題ですが、神山では太陽とその自然との関係を描きたいと思い、絵の下部に緑の山並みを配し、太陽の光が山を照らし、空気を純化して空に返すようなイメージを描きました。純化された空気が、偏西風に乗って世界中へと広がって行くように、人の心も神山の地で純化され、私のような訪問者が各地へ広げて行くような、そんな役割を担ったような気がします。また、「野ざらし」と称するワークショップでは、「生命の循環」というテーマを町の皆さんと共有できればと思い、共同制作しました。大久保の菜の花畑に春光を浴びたチューリップが人型を浮かび上がらせ、私の記憶を神山に甦らせてくれるでしょう。(→ Kazuhoshi Yoshizawa website)

ワークショップ・カイワレ収穫祭にて。踊り:荻山幸子・音楽:中嶋恵樹

“光合成-Kamiyama Photosynthesis-Kamiyama”

吉澤和芳 “光合成-Kamiyama” 2003

 

男、宇宙の気をつかむ、偉人の風格あり。
いかつい風貌と、優しい心根。
暈意、芸術の資質とは、宇宙の気を人びとに伝える、古代人のおおらかな唄。
神一宮大 粟神社に奉じたのは、ひとつ、太陽の絵画。
深く、月とつうじる太陽。
神山の森の緑に、月の黄いろが、空の呼気のように降ってくる。
休耕田では、倒れこんで はカイワレを植えて育て、食し。
赤や黄いろ。
起きあがっては、チューリップを植えて見せた。
快哉、美の伝道師よ。
(武蔵野美術大学芸術文化学科教授:新見隆)