林田 直子
Naoko Hayashida

2001年度 神山アーティスト・イン・レジデンス招聘作家
2001/10/1 – 2001/11/12 神山町滞在

1965年、東京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。
風景そのものを描くのではなく、その地域の気候や自然、歴史などを通して視覚化したことに絵を描いた作品を残している。1993年以降、個展やグループ点を開くなど高い評価を受け注目されている。
KAIRでは、悲願寺を流れる渓流に、インスピレーションを得、油絵『緑流』を描き、課外授業では子どもたちとともに神山町内に伝わる民話を素材とした紙芝居を制作した。

林田直子 Naoko Hayashida 2001

鋭い眼は、人の思いを編む。
絵は、人と同じ、危ない命を、軌跡の時間を呼吸している。
難しさ。
花を描いて、花に見えては、もう絵でなし。
緑の気と、ミドリの時間を描くのは?
古代の滝に百億の夢が棲んで、山の清流は、都会の愚かさを映し出す。
森の木々を走る水。
村の夢を紡ぐ水。
そこに棲む、未だ見ぬ命は終わりない。
静かな乾杯。
読み人知らず。
巫女は知る。
黄泉の国へ続く水を飲む。
描く、生きることにすべて同じ。
ちょっとだけ。
(武蔵野美術大学芸術文化学科教授:新見隆)

林田直子 緑流 2001