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紙とはさみで家作り
先週神山に着いたばかりのケイコさんとアトリエで気持ちよく制作できることの大切さについて話していた。 新しい作品を生み出すためには何が必要なのか。 どうしたら、心地よく制作できるのか。 どうしたら、落ち着いて制作に取りかかれるかということを模索することは私にとって、神山へ来てこの数週間の課題の一つだった。 なにも心配することのない、心地よいスペースを作ること、心も体も満たされた状態で制作に臨めることは有意義な作品制作の前触れだと思っている。そして、同時に創造プロセスの始まりでもある。 じゃあ、どうしたらよいのか。 どうしたら、いつもの自分のアトリエで制作しているような気持ちになるのか。 私にとっては、まず新しい環境を身近なスペースにしていくこと。 新しい場所での時間、そして今まで自分がいた場所から離れてからの時間。 出発して、また再び戻るリズム。 新しい体験や思い出。 楽しい時間や、そうじゃない時間。 そうして、私に安らぎ、美しさ、楽しみなどをもたらす数々のもの。 それに有する時間。 私はそれらがすべてたと考えている。 その数々の過程を早めることはできるのか。 たった2ヶ月間の神山での滞在。そこで自分の居場所を求め、それを作ることなんて出来ないのではないのか。 何か自宅にいるような気持ちにさせる物を周りに置いたりすることで、自分の気持ちをそちらへ向ける。 例えば、ニューヨークの家では蘭を育てているのだけど、ここでもベッドルームに蘭の花を置いてみたり。 私の夫が何か考え事や瞑想をする時に使っているのとよく似た香りのお香を焚いてみたり。 時には、いつも家で家族に作る料理を作ってみたり、そうしたらその香りが家の中に漂うでしょう。 こんな風に、自分の家にいるような気持ちにさせる方法って、私の仕事にも当てはまると思う。 美しいというのには、少しかけ離れているようなコンクリートの建物かもしれないけど、町を散策しながらその写真を撮ったりするのは、私が昔、住んでいた育った住宅地を思い出させたりするし、京都や東京で撮った写真を眺めていると、色んな昔の思い出に近づいたりする。 それを印刷して、空想上のストリートのセットを立体的に作ったりすると、それが実際には存在しないのだけど、なぜか不思議なことに親しみがわいたりする。そして、すべての建物が集まると、以前にどこか他の国でいつか見た事があった風景だったり、自分の大好きな風景だったりを思い出させるわけだから、より親しみがわくのかもしれない。 今、日本の昔話や怪談なども読んだりしているのだけど、その中になにか身近なものを見つけたり、そそられる物があれば、それもセットに加えるかもしれないわ。
2008-09-22 |
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