「結い」 神山里帰り/2日目

なんでも2014年8月19日

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投稿者:結い

※「神山里帰り/1日目」からのつづきです

「神山里帰り」ツアー、2日目のレポートです。

初日はペアのお相手にお会いいただきました。
2日目と3日目は、町内の集落を訪ねます。

山間部といっても、谷、山裾、山腹、山上・・・などなど、集落は様々な場所にあり、その暮らしは少しずつ異なります。

今回のツアーでは、「里(広い谷)」「棚田(山腹)」「山(山上近く)」で暮らす方々を訪ねて、それぞれの暮らしを体験します。

ということで、2日目のプログラムはこちら。

「里で暮らすおばあちゃんに会いに行く」(午前)
「棚田で暮らすおじいちゃん・おばあちゃんに会いに行く」(午後)

さっそく、午前の部からレポートします。

【里で暮らすおばあちゃんに会いに行く!】

神山町の中心を流れる鮎喰川(あくいがわ)。山間部の河川らしく、山をけずり、切り立った崖や谷を形成しながら下流へと流れくだっていますが、途中、流れが穏やかになり、谷が開ける場所があります。

神山町の中心地、神領(じんりょう)地区です。

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神領地区は里と呼ぶにふさわしく、人家が集まり、町役場があり、昔ながらの劇場も残っています。

そんな神領地区にお住まいの新田幸子(にったゆきこ)さんに参加者のみなさんと会いに行きました。(新田さんも『結い』にご参加くださっている地域の方の一人です。)

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里では、こんにゃく、芋もち、柚子ピール・・・など、食品の加工が盛んです。新田さんも加工場で食品加工にたずさわっていらっしゃいます。

というわけで、新田さんと過ごす午前のテーマは「食」。

徳島県の郷土料理「そば米汁」(と「炊き込みご飯」)を、新田さんに調理方法を教わりながら作ります。

そして、これぞ田舎の醍醐味と言うものでしょうか、調理の前に、新田さんの畑に出向いて、食材となる野菜を収穫するところからスタートです!

まさか調理の前に収穫作業があるとは思っていらっしゃらなかった参加者のみなさん。でも、五月の爽やかな日差しのもと、みなさんとても楽しそうでした。

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野菜のもぎ方を新田さんがレクチャーしてくださっています。

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さて、もぎたての豆の香りは?

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採れたてのネギのお味は?

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根岸さんのご主人は、大きなキャベツを取り上げて、野菜に負けないくらいのみずみずしい笑顔をみせてくださいました!

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食材を持ち帰っていよいよ調理開始です。
新田さんの畑の隣にある公民館の調理室をおかりしました。

採れたての野菜を切るたびに立ちのぼる、新鮮な濃い香りに、みなさん驚かれていました。

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在冬くんのパパも新田さんとまな板を並べて人参をザクザク。

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こちらは、新田さんの手作りこんにゃくを切っています。

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すっかり、息子さん(お孫さん?)のようです。

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そば米汁のおだしを味見中です。

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1時間ほどで仕込みが終わり、炊き込みご飯が炊けるまでの間、いいお天気なので、散歩に出かけました。

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虹が二重に出ていました!

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在冬くん、フキの日傘!

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パパも(笑)

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散歩から戻り・・・、さあ、おいしく炊けているでしょうか?

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新田さんお手製の「きゃらぶき」を、在冬くんが小分けにして、配膳してくれました。

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そば米汁もお椀によそいます。

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じゃーん、完成しました!

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散歩のあとで、お腹もへっています。
さっそく、いっただっきまーす!

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在冬くん、そば米汁のお味はいかが?

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参加者のみなさん、新田さん、スタッフ、そして取材に来られていたNHKの撮影クルーの方たち、みんなでテーブルを囲んで、わいわい一緒に食べました。

そば米汁も、炊き込みご飯も、とてもとても美味で、特に「そばの実」を挽かずにそのまま茹でて食べるそば米汁のおいしさにみなさんとても感動していました。モチモチしていて、ヘルシーだし、パスタ料理にも代用できるかも・・・とお喋りのなかから新しいそばの実レシピも生まれていました。

炊き込みご飯も素朴な味付けなのにダシの旨みが効いていてめちゃくちゃおいしかったです。

食べ終わると、新田さんが参加者のみなさんに「野菜、もってかえる?」とおっしゃってくださり、お言葉に甘えて「おすそわけ」をしていただくことになりました。みんなで畑に戻って、お土産用の野菜を収穫です。

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ご飯の美味しさもさることながら、キュートな笑顔の新田さんのお人柄に、参加者のみなさんの気持ちもすっかりほころんで、新田さんと過ごす時間を、とても心地良さそうにしていらっしゃったのが印象的でした。

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さて、お腹もふくらみ、おすそわけもいただいたところで、次は、午後の部です。

【棚田で暮らすおじいちゃん・おばあちゃんに会いに行く!】

鮎喰川の上流部へ移動します。
午後のプログラムの舞台は、棚田の集落としては町内で最大規模の上分(かみぶん)地区の江田(えた)集落。

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この集落にお住まいの西森傳多(にしもりただかず)さん・薫(かおる)さんご夫婦、上萩博宣(かみはぎひろのぶ)さん(ともに『結い』にご参加くださっている地域の方です)をはじめ、棚田の集落の方たちに会いに行きました。

棚田で半日、集落の方たちと何をして過ごすか、簡単なプログラムを決めていましたが、

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せっかくの五月の晴天、新緑の草木、爽やかな風、青い空。そんな原風景みたいな場所で、タイムテーブル通りにプログラムをきちんきちんとこなしていってもつまらない・・・

というわけで、それぞれの参加者の方に、したいことを、したいタイミングで、休日らしく、気ままに過ごしていただくことになりました。

根岸さんご夫妻は、上萩さんと連れ立って集落をお散歩です。(私も同行させていただきました。)

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子供時代、この景色のなかを駆け回っていた上萩さん。根岸さんご夫妻を、素敵なあぜ道や回り道にご案内くださいました。

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途中、棚田の全景が見渡せるベンチに座って休憩していたら、近くのお宅のおばあちゃんがお茶とお茶菓子を持ってやって来てくださいました。せっかくなので、ご好意に甘えて、おやつタイムに・・・。

爽やかな風が集落を吹きわたり、棚田のあぜ道の草がサラサラ揺れているのを眺めながら、おばあちゃんとお茶をしながらのんびりとお喋りをする。こんなくつろいだ時間の過ごし方に、ふだん東京でお忙しくされている根岸さんご夫妻もとてもリラックスされていました。(あんまり気持ちよくて、私も写真を撮るのを忘れていました…)

在冬くんは、ペアのお相手でもある西森さん家のワンちゃんのお散歩。

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もうすっかりこの集落の子供ですね(笑)

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そのあと、なにやら親子で西森じいちゃんに相談中・・・。

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フライフィッシング?!

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さっきの相談。沢のどこに魚がいるか、西森じいちゃんに教えてもらっていたのでした。釣竿は東京からご持参されたそうです!

中西さんご夫妻は、西森ばあちゃんに誘われて、ばあちゃんが運転する軽トラックの荷台に乗りこみます。田舎ではお馴染みの荷台スタイルですね(笑)。素敵な笑顔!

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裏山で、晩御飯のおかずに、山菜を摘んできてくださいました。

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集落のはずれにある滝に立ち寄った根岸さんご夫妻。田舎のお散歩は、都会のお散歩に比べると、ちょっぴりダイナミックですね。

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参加者のみなさまが思い思いに棚田の午後を楽しんでいらっしゃる間、西森さん家では、集落の奥さま方とスタッフの女性陣、そしてお手伝いにきてくださった方々が、夕食の支度を進めてくださっていました。

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まずは山の幸。イタドリ。

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フキ。

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ワラビ。

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天ぷらも揚がってます。

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神山名物アメゴ(=アマゴ)の塩焼き。

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西森父ちゃんが仕留めたイノシシ肉のバーベキュー。

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イノシシ肉はお鍋でもいただきます。

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夕方になり、参加者のみなさんのフリータイムが終了し、集合場所の西森さん家に戻っていらっしゃいました。

半日棚田で遊び、よく歩いたので、お腹も空いています。
この日のために西森さん家の納屋の横に設えてくださった特設テーブルで、夕食スタートです。

かんぱーい!&いただきまーす!

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事前に、「普段の、淡々とした集落の夕食を体験させてください。」と、集落の方たちと打ち合わせをしていたのですが、蓋をあけてみたら、ご覧の通り、大宴会になっていました(笑)

「おもてなし」が息づく四国。

静けさに包まれた普段の淡々とした暮らしぶりも田舎の魅力のひとつですが、客人があればこだわりなく迎え入れ、地の食材をふるまい盛大にもてなす、そんな心意気もまた紛れもない田舎の魅力のひとつですね。集落の方たちに一本取られました(笑)

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初めて見る山の料理の数々に、中西さんご夫妻も興味津々。

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根岸さんの奥さま、ワサビ菜の香りを嗅いでこの表情(笑)

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宴会があると聞きつけて飛び入り参加した方もチラホラ(笑)

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アメゴも宴会を見守っています(笑)

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おいしい料理にお箸もお酒もすすみます。みなさんお腹が膨らみ、頬っぺも紅潮してきました。

さあ、それではお待ちかね、「剣大二郎ショー」のスタートです!

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ショー?

そうなんです。「おもてなし」は料理だけではないんです。
余興として、歌謡ショーまで準備してくださっていたのです!

そして、「剣大二郎」さんとは、中西さんご夫妻のペアのお相手の尾形さんのご主人のことなんです。

焼き鳥屋を経営し、猟師でもある尾形さん。さらに、なんと、プロ演歌歌手でもあり、歌手としての芸名を「剣大二郎」さんとおっしゃるのです!かつては八代亜紀さんも所属していたセンチュリーレコードと契約され、現在は徳島県内を中心に活動していらっしゃいます。

にぎやかな宴会をこっそり抜け出し、車のなかで紫のステージ衣装に着替えて、突然、宴会中のみなさんの前に登場する、そんなサプライズ演出までしてくださいました。ショーのはじめから、みなさん大ウケでした(笑)

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メジャーレーベルからスカウトされ際に「村田英雄のようだ」と言われたという渋いお声で、持ち歌を次々にご披露くださいました。

1日目のレポートでご紹介した、中西さんご夫妻のこちらの「眼差し」は、

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そうです、剣大二郎さんの歌に、聞き惚れていらっしゃるお姿でした。

サービス精神旺盛な大二郎さん。歌もさることながら、おしゃべりもめっちゃくちゃおもしろくて、歌謡ショーのはずが、だんだんトークショーみたいに・・・(笑)

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何事も、やっぱり「プロ」はすごいですね。歌とトークのあわせ技に、みなさん感動と爆笑でイスから転げ落ちそうでした。

歌い終わって、ステージ衣装から普段着に着替えたあと、ペアのお相手の中西さんのご主人と固い握手!見てください、このお二人の笑顔!

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根岸さんのご主人とも!

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たくさんの山の料理におもてなしの心、そして出し惜しみのないサービス精神。
ほがらかで、ほっこりした棚田の夜は、こうして更けていったのでした。

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「里」と「棚田」、それぞれの暮らしを体験した2日目。お天気もよく、最高の1日になりました。新田さん、棚田の集落の皆さん、剣大二郎さん、ボランティアでお手伝いくださった皆さん、本当にありがとうございました。

それでは、次はいよいよ最終日。
「3日目」へつづきます!

(追伸)
参加者のみなさまは、翌朝、旅館の食堂で朝食をとっていたときに、剣大二郎さんのCDがインターネットで購入できないか、スマートフォンでお調べになったそうです。

残念ながら現在は手売りのみの販売だそうです。

ご興味のある方は、剣大二郎さんこと尾形さんが経営する吉野川市の焼き鳥屋「鳥信」を訪ねてみてください。

※2日目のレポートに掲載した写真は、一部をのぞき、ボランティアでプログラムに参加してくれた、神山塾OBでカメラマンの植田彰弘(うえたあきひろ)くんが撮影してくれました。「キラキラしている」と形容したくなるような、本当に素敵な写真ばかりです。ありがとうございました!

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結い

徳島県「田舎と都会の絆事業」の一環で、NPO法人グリーンバレーは「結い ~田舎と都会のご近所づきあい~」を主催しています。

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