オランダへ出発する中高生を見て思うこと① ~出発の朝~

神山日記帳2017年8月13日

中沢聖史

投稿者:中沢聖史

神山国際交流プロジェクト 第一回訪問プログラムに参加する7名の中高生が、今日、オランダに向けて出発しました。

こんにちは、神山つなぐ公社の中沢さとしです。4月から神山国際交流プロジェクトを担当しています。

大学を卒業してから10年間くらい、船の仕事をしていました。ひとたび船が出航すれば、100日くらいは日本に帰ってこないなんてことも。

船っていうのは、漁船じゃありません。内閣府やNGOが主催する、国際交流の船旅です。渡航先で通訳をしたり、洋上で異文化理解の講義やワークショップをしたり、教育事業のアドミニストレーション(運営や管理の仕事)をしていました。10年間で訪問した国の数は40か国くらい。途中、大学院生活で、コスタリカとフィリピンに一年くらいずつ暮らしていたので、周囲からすると、ぼくは所在不明の人でした。

大人になってからいろんな国に行ったけど、ぼくの初めての海外経験は、高校二年生の時の、カナダへの二週間のホームステイです。今朝オランダに出発した彼らと、ちょうど同じくらいの年齢。

1999年、カナダのホームステイファミリーとの一枚)

当時、ぼくは英語がさっぱりしゃべれなかったけれど、ホームステイ先の家族は穏やかに、根気強くぼくに話かけ、写真を見せたり、単語や絵を紙に書いたり、あらゆる手段を駆使して意思疎通を図ってくれました。17年前、まだスマホもGoogle翻訳もない時代です。

知ってる単語が少ない上、複雑な言い回しもできないので、家族から聞かれる質問にはYesかNoで回答します。YesかNoで回答できない質問には、とりあえずわかる単語だけ言います。

「学校、楽しかった?」

「Yes」

「おなか、空いてる?」

「Yes」

「何が食べたい」

「…Rice」

別に白米が食べたいわけじゃないけど、なにせ語彙が限られているので。

こんな調子だったから、16歳のぼくは、自分が大人になって通訳をしたり、国際交流の仕事をするようになるなんて想像していなかった。でも今思えば、あの二週間の体験は、仕事に限らず、今日までの自分の人生の、いろんな選択に影響を与えています。

英語に「milestone (マイルストーン)」という言葉があります。マイルストーンは、道路に置かれた、距離を知らせる標石や、道しるべのことです。人生の中で道しるべとなるような出来事、つまり、後の結果を左右したり、方向性を示すような出来事のことも、マイルストーンと表現されます。

当たり前だけど、今日、オランダに出発した中高生たちも、いつかは大人になります。将来、どこでなにをしているか、どんなカタチでこの夏の経験が生かされるか、それはまだ誰にもわからない。でも、大人になるまでの間に、そして大人になってからも、繰り返し、振り返ったり立ち戻ったりすることができる、人生のマイルストーンになるような経験を、オランダでしてきてほしいと思います。

 

 

<自己紹介>

中沢聖史(なかざわさとし)。2017年4月から神山つなぐ公社に勤務。神山町の中高生をオランダへ派遣する第一回神山国際交流プロジェクトを担当。神奈川県茅ヶ崎市出身。2007年~2017年、NGOピースボートや内閣府主催「世界青年の船」など、船を使った国際交流事業に従事し、渡航先での通訳、スタディツアーの引率、異文化理解研修のファシリテーターを務める。10年間の船乗り生活を経て神山町へ。

中沢聖史

中沢聖史

神奈川県出身。神山つなぐ公社 教育プログラム担当。SNS音痴。インドア派。

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