2泊3日滞在型プログラム「神山町で考える、地方創生のすすめかた」をレポートします

学び2017年9月5日

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投稿者:上田 利瑳子

こんにちは、神山つなぐ公社インターンの上田です。


クイズです。ここはどこでしょう? 答えはこの記事のどこかで明らかになります♪

・ ・ ・ ・ ・

8月25日(金)〜27日(日)、2泊3日の滞在型プログラム「神山町で考える、地方創生のすすめかた」が開かれました。
参加されたのは、徳島県外の自治体職員、大学教員、卒論を書きに来た大学生などの計8名。
私もスタッフとして同行させていただきました。
…が、私も神山に来て10日しか経っていない、神山ビギナーです。半分参加者のような気持ちも持ちつつ、3日間を共にさせてもらいました!

今回はその様子をお届けします。

8月25日、まだまだ暑さの続く金曜日のお昼からプログラムが始まりました。つなぐ公社オフィス(町役場内)で顔を合わせたあと、歩いて「かま屋」へ!混む前に早めに…と思って11時半に向かったのに、なんと満席!

待っているあいだ、隣の「かまパン&ストア」へお邪魔して、パンのいい香りをかぎながらお話を聞きましたよ。

神山つなぐ公社・農業担当の白桃さん(写真右)

席も空いたので、いよいよかま屋へ。


おかずをお皿に好きなだけ盛れるのですが…みなさん盛り盛りです。私もいつも通りたくさん盛りに盛って、ゆっくり味わっていたらいつのまにか最後に!(汗)

さて、役場に戻って白桃さんのお話が始まりました。題は「フードハブ・プロジェクトと『地産地食』の話」。

先ほど訪れた「かま屋」と「かまパン&ストア」を運営するフードハブ・プロジェクトは「飲食店や直売所ではなく、『農業の会社』なんです」との言葉から始まり、神山の農業を次の世代につないでいく、担い手を育てるための取り組みについて聞きました。小学校で食育の授業とコラボして行われているという話も。
「町民の方には浸透しているの?」「この取り組みのゴールは何か?」など、参加者の方との議論も活発でした。


スライド画面はヒミツです

農業の次は、住まいのお話。
「子どもが育ち合い、住みつながれる集合住宅づくりの話」をテーマに、高田さん・赤尾さんの話を聞きました。この写真は、その中の一コマ。

実は、もうすぐ公開されるある資料の一部をチラ見させてもらいました。内容はまだヒミツなので、もじゃもじゃさせています。みなさんのくいつきの通り、とってもワクワクするものでした!
こちら、もうすぐ神山のみなさんの手元にも届くそうです。お楽しみに…♪

そして、実物を見に外へ出ます。


移動も町内を走る徳島バスで。


民家を改修してできた「すみはじめ住宅・西分の家」へお邪魔し、「民家改修で考えるまちと住まいの話」をテーマに赤尾さんのお話を聞きました。
民家をリノベーションする過程で町の若手の大工さんと一緒につくっていたり、手入れがされていない裏山の木の伐採を高校生と協働で行なったりと、多様な人が関わってつくられたそうです。

住宅の中には、楽しそうにつくられていった過程が残っています。たとえば、木の柱。若手大工さんがこれまで活かす機会のなかった「根継ぎ」という技術を、建設の過程でたくさん実践してもらったそうです。

「ここね、この柱の組み方、こんなに面白くって!」「そうそう。これも実は、大工さんが楽しそうにやってくれたんですよ!」

赤尾先生の楽しそうなこぼれ話が止まりません。どこに大工さんの遊び心が隠されているのか? 私たちも探すのがつい楽しくなりました。色々な人たちが楽しんでつくっていて、それを感じる家っていいなぁ。

日も暮れてきた頃、神山温泉などでの自由時間の後に宿泊場所・WEEK神山へ。ご飯のあと、ふりかえりワークを行いました。


それぞれ素直な感想でふり返りました。

「今日話をされていた方がとにかくキラキラしていて。それはなぜなのか」「事業として、どう成立しているのか」「役場や議会はどのようなスタンスで関わっているのか」などなど…。

のこり2日に向けて疑問や気持ちを整理したところで、初日を終えました。

 

2日目の朝は、私がインターンとして一緒に活動させていただいている、森山さんと中沢さんによる「公立高校と町・地域のつなぎ直しと国際交流プロジェクトの話」です。

森山さんが城西高校神山分校で授業を持ち、毎週行っているという「神山創造学」の話、オランダから帰国したばかりの国際交流プロジェクトの話など…。私にとっても、改めて聞くとまた違った気づきがありました。


そして中沢さんがおもむろに取り出したのは(ばっちり見えていたけど)…サイコロ!! 出た目のテーマでぶっちゃけ聞いちゃおう!というコーナーです。


動きすぎてブレちゃいましたが、「私の大失敗」「神山の高校生って?」「参加者から質問!」などの目が出ました。


参加者も森山さんも大ウケです。

印象的だったのは、参加者の質問に対して「やればやるほど、広がっていくのが楽しい」と答えられていた森山さんの言葉でした。いつも隣で生き生きとされている姿に、私もとても刺激をもらっています。国際交流プロジェクトも、中高生と一緒に楽しんでつくっていること自体が、中高生自身にものすごくいい影響を与えているんだろうなと思っています。

「神山創造学」も含めて、町が小さい分、身近な生き生きしている大人と関わるチャンスのある神山は、中高生にとっても良い環境だなぁと感じています。


お昼休憩は、町のお弁当屋さん・535(ごみさんく)のお弁当と一緒に。
そして、冒頭のカメラを握っている写真は、この風景を撮った際の一コマでした♪ こっちも画になるよ!と、参加者の方に撮ってもらったものです。
 

これまで農業・住まい・教育と各部門の話があった後で、基礎となる町の計画はどのようにつくられたのか? みなさんの知りたい欲が高まったところで、神山つなぐ公社の代表理事・杼谷さんによる「神山の創生戦略の背景と成り立ち」の話です。

どのようにして計画をつくり、役場の方、町民の方、町外の方までも巻き込んできたのか。なぜ、どんな想いで神山つなぐ公社ができたのか。


そしてゲストとして、計画策定前のワーキンググループに参加された町内外出身の3名をお呼びしました。

「『移住者』とくくってしまうけど、ただ引っ越してきただけやん」
その町内出身の方の言葉に、私はハッとしました。「移住者」「地元の人」って呼び合うだけで、無意識に関係が分けられている感じがしますよね。そうして線引きするのでなく、神山で暮らす一人の人として、お互いにフラットな関係を築こうとされているから出た言葉なんだろうな、ということを感じた一言でした。


夜ごはんは、カフェ・オニヴァにて。濃密な2日間を終えて、話の尽きない夜でした。

そして最終日の朝。

創生戦略づくりに携わった、杼谷さん・西村さんへの「質問大会」! 私も聞いちゃいました。おかまいなしに、オフレコの裏話?!も飛び交いましたよ。

最後にもう一度ワークを通して、自分の現場・人生に向けてこの3日間のことをふり返り、全プログラムを終えました。

 

このプログラムには、「メディアに取り上げられていない神山を伝えたい」という想いが込められていたそうです。

話し手の生き生きとした姿、町内・町外出身者から聞く裏話、神山の生情報にふれて感じた自分の感情…「神山の成功モデルを勉強して帰る」プログラムではなかったかもしれません。

そもそも神山の「成功」って、何でしょう。成功って言うと、私にとってある一点の山頂みたいなイメージです。でも神山は、山頂であぐらをかいているような町、という感じは全くありません。むしろ、登山したり下山したり、過程そのものと人同士のフラットな関係を大事にしている町だなぁと。これから神山はどんなふうに歩いていくのか、そして自分は自分の場所に戻ってどうしたいか、一緒に考えた3日間でした。

今回はできなかったけど、神山の子どもたちやおじいちゃんおばあちゃんと一緒に過ごす時間があったり、時期が合えば一緒にすだちを収穫したり、研究したい学生向けのプログラム、サイクリングツアー、民家ホームステイ?! …などなど、できたらいいな〜と、妄想していました。


参加者のみなさん、また神山に遊びに来てください!

 

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上田 利瑳子

神山つなぐ公社・ひとづくり部門の学生インターンです。熊本出身。 この夏は神山でいっぱい焼きたい!

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コメント一覧

  • 上田さん、書くのご苦労様。 3日くらい かかったでしょうね。 (し・・失礼しました)(笑)

    2017年9月11日 00:28 | ニコライ

  • ニコライさん、非常に濃厚なプログラムだったので、ふり返ったり言葉にしたりするのに、同じくらい(実はそれ以上)の時間がかかってしまいました(汗)

    2017年9月12日 13:53 | 上田 利瑳子

  • 一応、公式ホームページなので、誤字脱字はむろん、内容も気を使います。 「汗」かくのわかります。 おいらは、言い過ぎて、2回くらいは、「冷や汗」をかいております。

    2017年9月20日 00:05 | ニコライ

  • ニコライさん 文章を書いて世に出すのは、やっぱりドキドキしますね・・!ニコライさんも冷や汗をかくのですか。!私は緊張すると汗をかきすぎるので、ダイエット(?)になっている気分です。笑

    2017年9月20日 09:04 | 上田 利瑳子

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