-神山町旧村役場文書を読む(その5)-
昭和18年起 旧鬼籠野村役場文書

昭和18年といえば太平洋戦争の真っ只なかです。外国からは現在のようにあらゆる物資が輸入出来ないで,日本国内で生産された僅かのものしか利用出来ない時代でした。蚊帳・洋傘の原料である繊維原料も少なくなって自由に製造できなくなったと書いてあります。国や県から割り当てられた少ない数量の品物をみんなで分け合っての生活でした。これが配給制度でこの文書は蚊帳と洋傘(パラソル)の配給についての規則を述べてあります。

まず、蚊帳です。
1,蚊帳が必要な者は印鑑を持って村役場へ申し込むこと。
2,次ぎのような人は優先的に配給する。
・災害を受けた者
・結婚して新たに世帯を持った者。
・新生児のある家庭。
3,優先的に配給する者がない場合は,申し込み順序によって配給する。

蚊帳というものはそんなに大切な生活必需品でしょうか。現在では蚊帳のない家庭がほとんどで、蚊帳を吊るなど知らない人が多い時代になっています。しかし、この時代は夏の季節に蚊帳がなくては安眠できないほど蚊が多かったのです。人々は蚊帳の配給を受けるため印鑑を持って村役場へ行きました。

次ぎに洋傘です。
1,村が指定した洋傘販売店で販売する。
2,洋傘の配給は古い洋傘と引き換えでなければできない。
3,洋傘購入券は県の指示に基づき,村長が発行し次の順序により購入者を決定する。
・災害を受けたる者。
・遠距離へ通勤する職業の者。
・洋傘を紛失した場合は、もよりの警察署・巡査駐在所に於いて紛失の証明を受け、それを村役場に提出した者のみが,洋傘を再び配給される。

この洋傘は今まで販売店で売っていた高級なもの異なり,国の指示により全国的に販売するため、価格の安いものを製造業者に造らせたもので,広く全国民に行き渡るように配慮したと書いてあります。洋傘紛失の場合に警察署の証明が必要とは現在ではとても考えられないことです。

記事のシリーズ : 神山の昔話, 神山日記帳
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コメント一覧

  1. 蚊帳の端っこを何度か振り、蚊を追っ払ってから
    中に潜り込んだことを思い出しました。
    なつかしい・・・。

    2009-04-16 11:34 | 大南 信也

  2. 私事恐縮でございますが、洋傘は、通算で、10本以上は無くしていると思います。
    戦時中は、信じられないくらい貴重品だったのですね。
    蚊帳(かや)は、子供心に、覚えています。
    おとなしくして、蚊帳のなかでは、出来るだけ「汗」をかかないようにしたのを、覚えています。
    ちょっとした、「異空間」でした。

    2009-04-16 21:15 | ニコライ

  3. 貴重な資料ですね

    ここ・・焼山の夏は 母屋のほうで寝るときは・
    いまだに 蚊帳を使いますよ・・・・  
    なんせ隙間だらけの家なので…..  

      タイではこれは必需品でして・・・ お世話になりました・・

    異空間で良いですよね。。。蚊帳って!  

     エロチックでもありますし・・・

    >・結婚して新たに世帯を持った者。   
    が優先的にいただけるとは・・・??

     国民どんどん数を増やそうという感じでしょうか??
     
     これ以上先は ニコライさんの分野ですので・・・止めときます。。。。
          

    2009-04-16 23:04 | KEIJU

  4. 蚊帳ですか。懐かしいですね。私は昭和17年生まれですから夏になると蚊帳の中で寝ていました。
    蚊帳の中に蛍を入れて遊んだ記憶もあります。

    たらちねの 母が釣りたる青蚊帳を
         すがしとい寝つ たるみたれども

    と、いった情景でした。

    2009-04-17 01:45 | 中原 亨

  5. 私はこの文章を書くとき、蚊帳というのは知らない人も多く、忘れ去られたものであると思っていました。こんなものおくってもしかたがないが「書くことがないので、まあ書いとけ」と
    おもって工藤さんに送りました。
    ところが読んでくれた人が割合多く、メールを沢山いただきました。ありがとうございました。
    蚊帳の思い出をもっている人が多いのですね。

    2009-04-17 15:28 | 稲飯 幸生

  6. (ボクに限って言えば、)「予断」に思い込みや決め付けは大敵!
    入りこみ過ぎた時には、必ず読み違えています。
    いや、これは稲飯王には何の関係もない「余談」ですが・・・(笑)

    2009-04-17 17:05 | 大南 信也

  7. 「思い入れ」と「思いこみ」は、違いますが、
    自分でもわからなくなる時があります。
    「稲飯王」様のメールは安心でございます。

    2009-04-18 07:38 | ニコライ

  8. さてさて、蚊帳ってエロチックだとの恵樹さんのコメント。そうなんですよね。こんなどどいつがあります。
     入れておくれよ 痒くてならぬ 私一人が 蚊帳の外

     蚊遣火(かやりび)という俳句の季語があります。渦巻きの蚊取り線香などのない時代蚊を追い払うために杉などの青葉を燻して蚊を追い払いました。

    これも私の子どものころの遠い記憶です。

      かずかずの 亡き人おもふ 蚊遣かな (万太郎)

    2009-04-19 03:05 | 中原 亨

 

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