アートなゴールデンウィーク・・・

なんでも2009年5月3日

投稿者:中原 亨

5月2日に講演会が改善センターで開催されました。講師は近畿大学名誉教授で柳田国男記念伊那民俗学研究所所長の野本寛一先生です。
先生は講演に呼ばれると二三日前に講演先に行きその地のことを調べるそうです。

神山にも4月30日に着き事前に神山の予備知識を身につけられました。案内役は東谷師匠とトオルちゃんであります。

徳島にも何度も来られていますが神山ははじめてだそうです。

5月1日のこの日は神山のあちこちに点在する「おふなとさん」と呼ばれているいう石組みの祠です。神山では安産や子どもの守り神として祀られておりいたるところに見られます。

鬼籠野、神領、下分、上分のいたるところにあります。

四角い石組みをして空洞の中に十二個の丸い石を入れます。家の門先や畑の隅に祀られています。昔の女性はたくさんの子どもを生みました。さすがに十三人も生まれると、「おふなとさんがおじぎをしてくる」と、言われたそうです。

国の重要文化財、粟飯原家の庭にも祀られていました。

さすが粟飯原家、立派な「おふなとさん」です。野本先生はこの祭祀はもともと違う目的で祀られていた、と言っておりました。古事記にも出てくる祭祀の方法だそうです。

この日は多くの「おふなとさん」に出会え私も勉強になりました。この日は強行軍でしたが他にも「野神」(のーぼーさん)という非常に珍しい祭祀を左右内の横倉で発見しました。これには先生もビックリの様子でした。

「大と木と森」と題しての講演会。

2日間にわたって綿密な調査をしたあと、2日の土曜日、改善センターでの講演会。百人ほどの人が聴きに来てくれました。大盛況です。先生の講演のあと神山で滞在して精力的に森写真を撮っていたフィンランド2人の女性写真家のプレゼンティションがありました。

これまでの活動の目的をプレゼンしました。

前にも述べましたがフィンランドは豊かな森と湖に恵まれています。太古の人々は森の巨樹や動物(特に熊)には精霊が宿るとされ大切に守り続けました。キリストの伝道によりそれらは追い払われました。また最近の製紙関係の需要のため森林の伐採が進み、豊かな森が荒らされています。

彼女たち2人は、信仰の対象となったシンボルツリーをくまなく調査し、写真に残しています。自然と人間の関わりを断ち切っている現状に警鐘を鳴らしています。

彼女たちのコンセプトは、道の駅の裏通りにある名西酒造の酒蔵で開催されている作品展で見ることができます。ぜひ、足を運んでください。

神山のスタッフ得意の「食の交流」です。

神山AIRの期間中に例年開催されている「食の交流」です。講演だけではもったいない、講師先生や作家たちとふれあいを持つために計画しました。スタッフのみなさん忙しい合間を縫って朝から料理作り。

県外から来てくれていた人たちも料理作りに参加してくれました。次々と得意料理が出来上がり、講演会が終わったあと1階のフロアーでパーティーのはじまり始まり・・・。60人以上の人が参加してくれました。

フィンランドの郷土料理「カリアラン・ピラッカ」デス。

フィンランドの2人の女性写真家、前日から料理の仕込みをしていました。出来上がった料理がカリアラ・・・なんとかで舌噛みそうな名前でした。

トオルちゃんはいつものフルーツ盛です。

たくさんの料理が並べられました。そして常連の人はもちろん新しい顔ぶれの人たちもたくさん集まってくれ楽しいパーティーとなりました。

ざっとこんな賑わいです。

料理を作りながら人が集まらなかったらヤバイなと思っていたのですが、そんな心配も杞憂に終わりました。

パーティーといえば音楽、そこの準備もぬかりはありません。

この前徳島市で行ったときの演奏者、ショーンとジャシュが駆けつけてくれました。

パントマイムのピエロさんも登場。

ピエロ登場に子どもたちも大喜び。喜んだのは子どもたちだけではありません。お二人の写真家も美しい歌声を披露してくれました。

フィンランドの「恋歌」のご披露

写真家お二人も美しいハーモニーで歌声を披露。柴田ディレクターの通訳によるとフィンランドの恋の歌らしい。

負けじと飛び入りしたのが野本先生。

美しい歌声の後に突如飛び入りしたのが本日の講師、野本寛一先生。これには驚いた。ケ・セラ・セラなどを演奏。偉い民俗学者の別の一面を垣間見ました。

へんなおじさん登場

続いて登場したのが神山一番の「変なおじさん」。さすがにこの人のパフォーマンスには、おひねりどろこかスリッパが投げつけられました。誰が投げつけたかは口が裂けても言えません・・・・。

お代官様ご一行は今日から小豆島へ・・。残留組のトオルちゃんたちは京都芸大の学生たちのアートガイド。明日は東京芸大に留学中のルーマニアの女子学生を徳島駅に迎えに行って神山町内のアート探訪。

年寄りをもっと労われよ・・・・といいたくなる。おっとこれは禁句だった。連中に言わせると「今のうちに使っておかないと、いつポックリ逝かれるか分からない」という優しい言葉?が返ってくる・・・。

中原 亨

神山アーティスト・イン・レジデンスの自称学芸員。これまで招聘した作家たちの作品の解説はお任せください。年間を通じて数多くの訪問者を案内しています。 神山を元気にするため老体を鞭打ちと東奔西走しています。NPOグリーンバレーの理事。

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コメント一覧

  • 楽しい会でした。先生や作家さんから貴重な話を聞く事が出来ました。奈良のフォーラムでお会いした人との思わぬ再会もあり、とても濃い一日でした。 それにしてもニコライさんは毎年ダンスのキレが増しているように思います(笑)

    2009年5月3日 12:22 | 早渕

  • 労わらずにすみません(笑) 本日は神山のアートガイド&貴重なお話が聞けて、本当に大収穫でした。 梅里もとても美味しかったです! 今回、初めて神山に訪れましたが、一介の旅人ではなく、神山の住民の方並みに参加出来たことを嬉しく思います。 たくさんの方に温かく迎えて頂き、ありがとうございました。 また、近々この地を訪れることを楽しみにしています!

    2009年5月3日 21:40 | マキ。@山川ハウス

  • おいらにはスリッパが飛んで来たけど(笑)、昨日見た、 小豆島の「農村歌舞伎(のうそん かぶき)」には、「おひねり」がたくさん飛んでいました。 >トオルちゃん。 恥もなく、我ながら、よくやると思う・・・。>早渕くん。 留守にして、すみません。 >マキ様。

    2009年5月4日 21:48 | ニコライ

  • 神山からほくほくと帰ってきたら、キヨシローの訃報に呆然としていた山下です。 いやほんと、みなさん長生きしてください!!! 奈良で出会った名古屋チーム、東京チームと神山で再会してホントうれしかったです。 私たち、関西チームもがんばりますんで! 大南さん、中原さん、5月20日に京都でお待ちしています!

    2009年5月5日 20:59 | 山下里加

  • マキさんへ 遠路来ていただいてお手伝いまでしていただきありがとうございました。神山での滞在、満足していただいたでしょうか。 またお出でください歓迎します。 マキさんの「つれづれ」楽しく読ませていただきました。

    2009年5月6日 06:52 | 中原 亨

  • >ニコライさん。 次回は色々お話させていただければと思います! ニコライさんの歌&ダンスもまた見たいです♪ >中原先生。 こちらこそ素敵なアートツアー&貴重なお話をたくさん聞けて、大満足の神山町滞在でした! (結局4泊(!!)させて頂き、花坂薫平と共に大満足して帰ってきました☆) つよしくんに農業について色々教えてもらい、想像でしかなかった、今後の生活へのリアルなビジョンが神山町に滞在したことで見えてきたように思います。 また伺わせて頂きますので、こちらこそ宜しくお願いいたします。

    2009年5月6日 22:27 | マキ。@東京

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