クリシュ・サルマニス

クリシュ・サルマニス

2015年　神山アーティスト・イン・レジデンス　招聘アーティスト

クリシュ･サルマニスの作品はアニメーション、映像、写真、立体造形物、また身体、木などを用いて表現される。電子機器を用いるなど統一したテーマがあるわけではなく様々な方法を駆使しながら自身の作品を創っていく。

鑑賞者に作品を通じてその中に込められた風刺的な要素や、滑稽さを気付かせるように構成され、これは頭の運動や、思考のねじれのような独特の感覚を覚える作品となっている。もう一つの重要な特徴としてカート･ヴォネガットの表現にある複雑で無益なことといった考えが作品には反映されており、彼の制作は一見、時間や労力を無駄にしているように見受けられることもあるが、それは独自の職人的な行為であり、鑑賞者からは気づかれない場合もあるが最終的な完成作品には不可欠な行為である。彼の作品は考えるプロセスや、生きていく上で通り過ぎてしまいそうな物事について考えるきっかけを与えるものなのだ。(テキスト2015年)

■KAIR2015　作品

スキーランドⅠ
無断転載禁止

スキーランドに初めて行った時、林へと続く小道の先に何か大きな生き物が静かに休んでいるような雰囲気に圧倒されました。もしも、自分が映画監督ならば、その感覚をもとにスキーランドでのドキュメンタリー作品を作ったのでは…と思いました。
その後、しばらく経ってから、アーティストは何でもなりたいと思ったものになれるじゃないかということを思い出したのです。そして、毎回この感覚に驚く自分がいるのです。
科学者であったり、哲学者であったり、またある時は農家であったり…。
映画監督のつもりになるということは、今の自分からそんなにかけ離れたことではありませんでした。
この映像作品は時間を表現しています。
鏡を覗きこみ、
現在を見ながら、
過去を思い起こし、
そして、この先にある未来へと思いを馳せるような…。