ダニエル・ヴァン・デ・ヴェルデ
Daniel Van de Velde

2006年度 神山アーティスト・イン・レジデンス招聘作家
2006/9/18 – 2006/11/18 神山滞在

1964年生まれ。彫刻、インスタレーション、写真、執筆、ビデオ制作を通じ、それぞれの活動、展示の趣旨に合った最もふさわしい答えを模索する。人間は環境の一部という観点で制作された作品の大半は、環境芸術や屋外インスタレーションの形態をとり、背景となる地域社会とのコラボレーションによって完成することも多い。
フランス在住。

ダニエル・ヴァン・デ・ヴェルデ 制作風景(大粟山) 

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作品一覧
Artist Report

 
ダニエル・ヴァン・デ・ヴェルデ “木空” 2006
これまでヨーロッパで発表してきたような木の彫刻を神山の木材を活用して製作。直径60cmぐらいの赤松の皮を剥して長さ50cm程度の10個の パーツにし、その丸太の中央をくり貫く。丸太の年輪から特定の年代を残していく作業を行った。空洞の円柱は鉄筋で繋げられ、神山町の改善センターの桜の木 に、空を見上げる展望鏡のように設置された。下から彫刻の中を覗くと、桜の枯れた枝と空が交じり合う空間が見えるようになっている。四季の変化で異なる空 間が見えてくる、時間を内包するインスタレーションとなった。(武蔵野美術大学非常勤講師 嘉藤笑子)

ダニエル・ヴァン・デ・ヴェルデ 無題

ダニエル・ヴァン・デ・ヴェルデ Daniel Van de Velde

毎日がオープンアトリエでした。多くの交流がありましたし、たくさんの会話もしました。私は日々、文化、社会、環境などの観点から徳島という地域を意識し、進行中の作品やコラボレーションの構想で頭がいっぱいでした。私の作品は現地で手に入る道具や素材を用い、地元の方々の好意のもとで制作したものであり、神山でしか実現し得なかったものです。しかし、それは、これらの作品がこの土地だけのものということではありません。それぞれの作品はビジュアル・アート(視覚芸術)を通して、アート、自然、文化、そして人間とのつながりを考える複合的な場、決して終わることのないオープンフィールドなのです。