集まって暮らすこと

住まい2017年11月27日

高田 友美

投稿者:高田 友美

10月末で大埜地集合住宅の第一期入居者募集も受付が締め切られ、選考プロセスが進んでいる今日この頃。すっかり遅くなりましたが、10月21日の鮎喰川すまい塾の報告レポートをお届けします!

今回のテーマは「集まって暮らす、ということ」。東京大学で建築について教え、集合住宅について詳しい、大月敏雄さんをゲスト講師に迎えて開催しました。

東大の先生…というと、つい身構えてしまうところもあるのですが、トップ写真のように、終始笑顔で楽しくお話をしてくれて、「今回のすまい塾、めっちゃ面白かったです! 大月先生、落語家さんみたい♪」という参加者の声も。

お話のすべては書き起こしきれないので、私が印象に残った部分をいくつか、神山在住のカメラマン・生津さんの写真とともにご紹介します。

その①「集まって暮らす」形は、集合住宅とは限らない!

世の中にはいろんな住宅のタイプがあるよね?どんな住宅がある?と問いかけながら話し出した大月先生。皆さんからもいろんな住宅のイメージが出てきたのですが、建築基準法の視点から見ると「戸建住宅」「長屋」「共同住宅」の大きく3つに分けられるそう。

集合住宅というと「マンション」や「団地」を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、たとえば戸建て住宅の集合体としてコミュニティをデザインしてきた故・宮脇檀さんや、数年前に北九州にできた「サトヤマビレッジ」という面白い戸建住宅群があることをご紹介いただきました。

直線的に区切られたいわゆる宅地分譲ではなく、並べ方次第でもっと居心地のよい村や森がつくれてしまう、いろんな「集まって暮らす」形があるよ、という話は目からウロコでした!

出典:サトヤマビレッジのウェブサイトより

大埜地の集合住宅も、長屋8棟と文化施設や緑地、駐車場をうまく組み合わせられるよう、たくさんの検討を重ねて配置が決定されました。実際にその場でどんな暮らしや活動が生まれていくのか、とても楽しみです。

その②コミュニティの力=潜在能力。チャンスがあるとワーッ花開くもの。

コミュニティ力が高い地域と低い地域って何が違うのでしょう?事前に準備したり仕掛けたりできるものなのでしょうか?

大月先生いわく、準備したからといって、コミュニティが育まれるわけではないし、でも、知り合って数ヶ月でも発揮されうるもの。24時間いつでも仲良く頑張っているのが「コミュニティ」ではなく、天気がいいとか、暇だからとか、何か「みんなでやらなきゃ!」という一大イベントに対応するとか、そういうときに、なんだか面白そうだから、みんなが集結し、力を発動させる。それぞれがお互いのできることを知り合っているし、自分もできることの限界を知っている。そんな皆の潜在能力や興味が集まって、自然発生的に動き出すもの、とのこと。

たとえば、再開発ですでに消えてしまった東京の下町・汐入の長屋地域にあった空き地の花畑の話は聞いていてワクワクしました。フェンスに囲われて鍵が掛かり「立ち入り禁止」になっているにも関わらず、近所の人たちが畑をしたり花を植えたり、ベンチを出してきて将棋をしたりしている人たちがいるのを、若かりし大月先生は調査の途中で発見したそう。なぜそんなことが可能だったのか? これも地域の皆さんの潜在能力が花開いた結果だったそう。(…詳しいことが気になる方は、ぜひ大月先生の近著『住まいと町とコミュニティ』を読んでみてくださいw)

その③ 人生で「コミュニティ」が必要なのはどんなとき?

集まって暮らすということの良さの一つは「近所で助け合えること」。でも「いつも誰でもご近所さんが必要なわけでもないよね?」と紹介されたのが、こちらの「コミュニティ必要曲線」です。

子どもの頃は近所のご厄介になるけれど、青春時代は近所のお世話は要らない。そして、子どもが生まれたらまた近所のお世話がほしくなり、子どもが大きくなればまた要らなくなる。とはいえ、親がボケてきたら近所の人に手伝ってほしい。死んでしまったら近所の人はいらない。しかし、自分がボケてきたら近所の人に助けてほしい…。

多様性のある町には、いろんな人生の時期を過ごしている人がいるはずなので、コミュニケーションをとれる場所もあるといいし、一人になれる部分もほしい、多様に構成されているのがいいよね、とのこと。

いつでも皆がコミュニティに貢献したり頼ったりしていないのがあたり前だ、と思うと、ちょっと気持ちが楽になるような気がしました。

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ちなみに今回の鮎喰川すまい塾は、昼・夜ともに30名前後の方にご参加いただきました。

参加者の皆さんが、とても熱心に頷いたりメモをとったりしながら聞いていたのも印象的でした。

 

次の鮎喰川すまい塾は、寄井でこれから工事の始まる「ペチカ」をテーマに開催できたら、と企画中。概要が決まり次第、またイン神山でお知らせするので、楽しみにお待ちください!

高田 友美

高田 友美

静岡県浜松市出身。神戸→東京→スウェーデン→滋賀を経て、神山にたどり着きました。神山つなぐ公社では「コミュニティ・アニメーター」として、主に大埜地の集合住宅から始まるコミュニティ育成を担当。

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