彼岸花の咲くころ

なんでも2008年9月20日

投稿者:中原 亨

昨日の台風は雨台風で、今日は台風一過の青空が広がりました。気温もぐんぐん上がり夏に逆戻りの日差しでした。
朝から安岐さんのアトリエへの荷物運び。その作業も昼ごろには一段落。

青空の下、彼岸花が鮮やかに咲き群れています。

この花、季節に正確に花を咲かせます。夏の暑さや日照りなどの気候に関係なくお彼岸前から咲き始め、燃え立つように野辺を彩ります。

神山ではいたるところで見かけます。

学名は、Lycoris radiataというそうな。「放射状」という意味らしい。原産は中国で有史以前に日本に渡来した史前帰化植物だそうだ。
欧米では「レッドスパイダーリリー」と呼ばれ庭の花壇などに植えられ好まれる花だそうな。

日本では花壇には植えない。不吉な花として知られている

野辺に咲く花は、地方によっていろいろな呼び名があります。ところがこの彼岸花ほど異名がある花は珍しいそうな。学者によると400ほどの異称があるという。

日本人は花のもつ怪しさ、不気味さで忌み嫌われ花壇などには植えない。私の知っている異名でも次のようなものがある。

墓花・幽霊花・地獄花・死人花・狐花・狐のかみそり・火事花・しびれ花・かんざし花などなど・・・・。花が咲くころは葉がないので「葉見ず花見ず」という異名もある。

この花が刈り取った田の畦に咲いているのは実に豪華で美しい

彼岸花の別名、「曼珠沙華」はよく知られている。この名前は梵語の天上の赤い花という意味らしい。「まんじゅしゃげ」と呼べば忌み嫌う「地獄花」でなく極楽に咲く赤い花になるのだから不思議な花だ。

神山ではどこにでも見られるが行者野橋の少し上手の川辺が見事である

花言葉も二つあり、これまた良い方、悪い方と分かれている。
悪いほうは、「悲しい思い出」、良い方は、「想うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」。

神山では赤い花が多いのですが、九州では白い色の彼岸花が多いそうな。

♪赤い花なら曼珠沙華、♪オランダ屋敷に雨が降る・・、この歌を知っている人はかなりの年配

曼珠沙華一叢(ひとむら)野辺に咲き出でて
さびしき秋の日暮れんとす(トオル作)

トオルちゃんの若かりしころの歌。高校二年生ごろだったかな・・?
まあ、そんなころもありました。いま思うと歯の浮くような歌。

ざくろも赤く色づきました

まだ残暑があるが、いろんな木の実も色づきはじめ神山の里も秋の深まりを見せています。

チャンさん宅の栗林。栗のイガもはじけています

アトリエ移動作業に行くときチャンさん宅の栗林を抜けて行きました。栗のイガがだいぶはじけて落ちていました。恭子ちゃんが栗拾いをしていましたが、今年は大豊作なようですね。

♪し~ずかな し~ずかな里の秋・・・。といいたいところですがいま神山ではKAIRの作家たちも本格的に制作活動に突入したし、移住交流の人もたくさん訪れ、にぎわしい秋になっています。

中原 亨

神山アーティスト・イン・レジデンスの自称学芸員。これまで招聘した作家たちの作品の解説はお任せください。年間を通じて数多くの訪問者を案内しています。 神山を元気にするため老体を鞭打ちと東奔西走しています。NPOグリーンバレーの理事。

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コメント一覧

  • ほお!!。。。  中原先生博識ですな・!  僕は中国地方から台風の中 帰ってきましたが。。川が凄いことになっていましたねえ。。 でもその後の青空は最高でした! そんなに色々な呼び名があるとは しらなんだ!!。。。 でも 如何して忌み嫌われる 名前が多いんでしょうかねえ??? 毒でも持っているなら 別だけども・・ 家にもたくさん咲いていますが。。 なんとも秋の訪れを感じ。。寂しくなる気もしますね・・

    2008年9月22日 23:16 | KEIJU

  • 彼岸花は毒を持っているのです。球根ですが毒性があります。戦争中の食糧難のころこの球根を水にさらしてでんぷんを取り出し食料にしたそうです。 この毒は水に溶けやすい性質を持っているから大丈夫だったようです。でも完全に毒が抜け切っていないのを食べると体がしびれたから、「しびれ花」という名がついたという。 田の畦にこの花をよく見かけるのは、モグラが穴を掘って水田の水が洩れるのを防ぐため、毒性のあるこの花を植えたといわれています。

    2008年9月25日 08:29 | 中原 亨

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