人生も仕事も商いも、まちの課題も、ちょっと前に進めるイベント
なんでも2025年11月19日
「自分で看板を掲げて、神山で暮らしていけるくらいの仕事を持ちたい。でも、自分にできるんだろうか」
「小さな生業を始めたはいいけれど、自転車操業。思ったより商売ってうまくいかないなぁ……」
「まちの未来のために、仲間と新しいことを始めたい。でも、資金ってどうやって集めたらいいんだろう」
ときどき、こんな声を耳にします。開業したり、会社つくったりは制度を利用すればできるけど、お客さんとうまく出会って、収支を回すのって最初はたくさん失敗して当たり前。
事業を始める前に練習できればいいんですが、練習する場ってないんですよね。
その練習の場、神山にあるんですよ。
年に1回、やっている「Lean Startup Base in 神山」。
<練習の場ですが、チームごとに会社名もつけて社長、マーケターなどなど役割分担もします>
「起業体験イベント」と謳っています。
起業”体験”イベント。
事業計画や会計の座学を学ぶ場じゃなくて、
商いや事業をつくることを
生身の世界で試し、動き、つくりなおすための二日間です。
計画も会計も大切です。
でも机の上で描いた通りに、現実は動いてくれるでしょうか?
想定外のことがたくさん起こります。
むしろ、思い通りにならない現実とどう付き合うか。
そのための“筋力”を育てる時間と言ったほうが近いかもしれません。
2日間で、小さなビジネスの「生きているプロセス」を体験します。
机の上ではなく、実際の社会のなかで、神山の関係性のなかで。

<管理職向けカウンセリングサービスについて、話し合ってるチームのみなさん。イベント後1年経ちますが、みなさんそれぞれの形で事業を起こして、今もお互いに応援しあっているそうです>
流れは、とてもシンプルで──
① 完全じゃないけれど、最速で“形”にした試作品をまず用意する。
考えすぎずに、手を動かしてみるところから始めます。
1人じゃないからチームでやるから安心です。
(※自分のアイディアが選ばれないこともありますが、そうじゃなくても十分実践経験を得られます)
② できた試作品(案)を買ってほしい相手に見せたり聞いたり。素直にぶつけてみる。
「こんなのあったら、買う?」
ドキドキするけれど、案外みんな、真剣に答えてくれるものです。
電話で、LINEで、まちに出て直接。いろんな手段で聴きます。
<「試作ができたので、まちの人にヒアリングに行ってきまーす」>
③ 返ってくる声に耳を澄ませる。
“ここがこうなら欲しい”
“もう少し安くならない?”
“いやぁ…私は必要ないかな”
その言葉の一つひとつが、改良のヒントになります。
1人ならもしかしたらダメ出しに聞こえるかもしれない。
でも、みんなとなら、”改善ポイント”にしか聞こえない!!
④ もう一度つくり直す。
「そもそもニーズはあるのか」
「誰に届けたらよいのか」
小さな問いを重ねながら、また形を変えていく。
この①〜④をぐるぐる回すうちに、
気づけば“売れる”ところまで進んでいる瞬間があります。
二日間でそこまで行くのか、と驚く人も少なくありません。
「チームでやる、みんなでやる、2日間でやる」ことのメリットはまだあります。
・チームとやるから怖がらずに体験できる。
・しくじった末に成功を掴んだ先輩起業家たちが見守ってくれる空間だから安心して失敗や未完成に飛び込める。

<左の黒い服着た髭のお兄さんは、すでに事業を成功させて売却済みの金子さん。毎年、このイベントを大事に考えてくれていて全回参加。みんなのアイディアを聞いてくれるメンターです>
過去にはこんなアイディアが検討されました!
・急な別れに備えた「家族への手紙預かりサービス」
・産後のママが、悩みや愚痴をいつでも相談できる仕組み
・ただの観光とは違う、神山の“暮らしを案内する”ガイドサービス
・探究学習の家庭教師
・使用期間の短い育児用品を、定額で循環させる仕組み …など。
2日間終了後、現実の事業として実現させた人もいるし、
2日間の研修というだけで、実現させていない人もいます。
でも、そのテーマではなくても、起業・会社化・事業化・社内起業などなど何かの形で前に進んだという報告を半数以上の人からいただいています。
去年参加した、ある町内の方はこう話していました。
決まった時間で働くアルバイトの仕事をすることが、自分にとっては当たり前だと思ってた。
でもスタートアップベースに参加してからは、
小さなサービスを始めたり、
気になっていた町内のお店で短期の仕事をしてみたり、
町外のイベントの手伝いをしてみたり……働き方が広がった。“失敗しても死なないんだ”って気づけた(笑)
そんな軽やかな気づきが、その人の行動力を支えたそうです。
誰のなかにもある、
「失敗してはいけない」
「完璧じゃないと出せない」
という無意識のルール。
スタートアップベースの二日間は、それがふっと薄れていく時間でもあります。
私は最初に参加したとき、
“こんな作りたてのもの、出してしまっていいんだろうか?”
と本気で思いました。
でも、Airbnbも、最初はたった一枚の素人が撮影した部屋の写真から始まったんですよね。
生活感の残る部屋を「一泊いくら」で投稿しただけ。
そこから世界中に広がる仕組みが育っていった。
完璧じゃなくていい。動きながら、整えていけばいい。
そのことを、神山の二日間はそっと教えてくれます。
1人で事業を頑張っている人も、
もうちょっと壁を突破したい人も、一緒に、前に進みませんか?
オンライン説明会、よかったらどうぞ。いや、もう参加するぞ!という方はこちらをクリック。


中村 明美
神山つなぐ公社、グリーンバレーとともに、ほぼ月報を編集するチームの一員。一年前に神山に移住。町内にいるだけで、町内の人と語り合うだけで、毎日のように、日本の未来を作るヒントが発見できることに幸せを感じる日々。
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