地域創生類

環境デザインコース
 

●どんぐりプロジェクト
高校生たちが地域の山に入り、集めてきた種子や実生を校内の温室で苗木に育て、町が建設を進める町営住宅の植栽にします。まちのプロジェクトを担う一員として、自分が採ってきた「種からまちの景観が生まれていく」過程を体験しています。

●石積みプロジェクト
2017年度より、石積み技術の継承と石積みの修復を行なっている石積み学校の金子玲大さんを講師に迎え、造園土木科1年生を対象に町内での実習を行っています。ミニチュアの石積みキットでコツを掴んだ後は、現地へ行って実際に指導を受けながら石積みの修復を行います。実習地は、実際に崩れかけて地域の人たちでの修復が困難な場所。実習後の振り返りの授業では、それぞれの感想を話し合ったり金子さんへ仕事についての質問などを行いました。

空石積みの価値 中山間地の棚田や段畑につくられた石積みは、モルタルやコンクリートを使わない空石積みという技術によってつくられています。しかし、コンクリートの技術が普及するにつれ、空石積みの技術は十分に検討されないまま次第に使われなくなりました。そして現在、空石積みの技術は途絶えかけています。 一方で、持続可能な発展が重要な価値観として本格的に共有されている背景から、環境負荷が小さい空石積みがヨーロッパにおいても注目されています。 また、中山間地にある石積みは規模が小さいため、崩れた箇所を積み直すためには人の手で維持管理することが最も合理的です。そして自分たちで積むという行為が文化を継承し、土地に対する責任や理解を高め、防災にも寄与します。 (石積み学校HPより引用)

 

食農プロデュースコース
 

2016年度、まちの高校とフードハブ・プロジェクトは、生活科の授業において連携が始まりました。同年、加工品を作って販売する「お弁当プロジェクト」が立ちあがり、生徒たちにとって日常的であり地域に密着しているものを話し合う中で出てきたアイデアが「お弁当」でした。

「地産地食」をキーワードに地域の農家・管理栄養士・料理人とともにメニューを考え、米や野菜の栽培から調理まで一貫して体験。産食率*や原価率を学びながら調理実習に励み、毎年秋に開催される神農祭*では、生徒らの手で100食〜150食のお弁当を作り販売してきました。

食農プロデュースコースにおいては、持続可能な環境保全型の農業教育を、フードハブ・プロジェクトの食育担当が非常勤講師として授業に参画し、約40年前に作られた神山の郷土料理と食文化を伝えていくための本「神山の味」を軸に「育てる、つくる、食べる、伝える」食農プログラムを実施します。

*産食率:「地域で育てて、地域で食べている」割合(%)を定期的に測定していくための、
フードハブ・プロジェクトが定める基準です。国が定める自給率のように、カロリーや生産額を元にする算出方法ではなく、
学校給食などで用いられる「食材品目数(町内産)÷ 食材品目数(総合計)」という計算方法をベースに算出しています。
*神農祭:毎年11月に行われている神山分校の文化祭。学校で生産された農産物や寄せ植えなどが販売されています。


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


2018年度は、町内の生産者さんや作り手さんにご協力いただきながら、「育てる、つくる、食べる、伝える」プログラムを実施しました。授業の様子を紹介します。

●すだちの木灰でこんにゃく作り
昔ながらの手作りこんにゃくは、こんにゃく芋と木灰を使って作られます。こんにゃく芋は町内の生産農家さんから分けていただき、木灰は分校にたくさんある「すだちの剪定枝」を使って作りました。そのまま食べた場合、危険な側面もあるこんにゃく芋をアルカリ性の液体と混ぜることでおいしい食べものに加工する。先人の知恵と工夫を感じながら作って食べた時間と手間暇かけた美味しさが感じられました。

●大豆を育てて豆腐をつくる
校内の圃場で育てた大豆を使って豆腐を作ろうと、隣村の豆腐職人さんや県内外の豆腐マイスターの方々にお手伝いいただき実施しました。2018年度は大豆の収穫量が少なく製品化はできませんでしたが、再挑戦に向けて思案中です。

●高校版「さつまいもでカミノウメイト」づくり
フードハブ・プロジェクトで販売している「カミヤマメイト」の高校版「カミノウメイト」を作りました。生活改善グループのお母さんに教わった高校生9名が作ったカミノウメイトは、2018年度の70周年記念式典で来賓の方々にも配られました。