「人として温かく受け入れてもらえて、うれしかった」/すだちワーホリ開催Report#2
なんでも2025年11月8日
9月の約1ヶ月間にわたって開催した、すだちワーキングホリデー2025。今年も無事に終えることができました。
全国各地から本企画に飛び込んできてくださったみなさん、本当にありがとうございます。
プログラム日数を増やし、参加者数も、受け入れ農家数も増え、昨年以上にボリュームアップした今年の企画。
めまぐるしく濃密な日々でしたが、
そんな中でも、参加者同士や、参加者と農家さんの間で
気持ちの良い関係性が生まれ、育っていく様子を見て、
手応えを得るとともに、本プログラムの可能性を感じることができました。

「単なる労働者として接されるのではなく、
人として温かく受け入れてもらえたのが嬉しかった」
参加者の一人が振り返りの際に語ってくれたこの言葉。
本プログラムが温かい空気感を帯びているのは、
まさにこういうことだよな、と思います。

参加者のみなさんは、農業や農作業の経験が無いという方がほとんど。農作業の経験がある人でも、果樹に触れるのは初めてだったりします。
そのため、収穫作業に慣れるまでに個人差はあれど、時間はかかります。農家さんはもちろん、現地のベテランアルバイトさんたちと比べると、作業のスピード感や、正確さ、同じ時間作業をして採れる量は、どうしても劣ってしまうでしょう。
しかし、すだちワーホリで受け入れを担ってくださっている農家さん方は「慣れない作業なんだから、時間がかかるのは当たり前」と考え「焦らなくて良いから、丁寧に、一生懸命頑張ってくれたらいい」という姿勢で、参加者を受け入れてくださいます。

そして、そんな風に温かく迎えられ、参加者のみなさんの中には自然と「この農家さんのために、なんとか頑張りたい!」という気持ちが湧き、より収穫に向かう気持ちが高まっていく様子が見られました。
農家さんそれぞれが持つ寛容さ(=受け入れ力)と、参加者の前向きなエネルギーとが相互に作用し合うことで、双方にとってプログラムが充実した時間になっていく。そんな様子は、プログラムのさまざまな場面で垣間見ることができました。

プログラムの期間中には、
今年もみんなでごはんを食べる会を開催しました。
農家さん、参加者、運営スタッフが大集合。
お酒やジュースを片手に、みんなでごはんを囲む時間は、園地で作業をしながら言葉を交わすのとはまた違った表情も見られ、あちこちで笑い声が響いたり、和やかな空気が流れていました。

普段は異なる場所で暮らしている、年齢も、属性も異なる面々での暮らしも、すだちワーホリのおたのしみの一つ。
初めはお互い緊張気味・・?探り探りな様子でしたが、一緒にごはんを作ったり、一つの空間で時間をともにする中で、自然と仲が深まっていった様子。一晩中、語り明かす夜もあったんだとか。
すだちワーホリが無ければきっと交わることのなかったであろう人たちが出会い「あれ、前から知り合いだった?!」と思うくらいに親しくなっていく様子はとても印象的でした。
10代・20代の学生、30代のちょっと立ち止まって考えている最中の人、50代のワインソムリエさんや自営業のお母さんまで、参加者同士での出会いも多様な生き方に触れる機会となり、それぞれに何かしらの影響をもたらしたのでは無いかと思います。

プログラムの休日アクティビティとして「神山町の歴史レクチャー」と「神山ぐるっとツアー」も実施しました。

参加者のみなさんが滞在した神山町の下分(しもぶん)・寺久保地区は地理的に見てもとっても興味深い歴史のある土地。そんな住んでいる人でもなかなか知る機会のない少しディープなお話をたっぷりと聞かせてもらい、実際に散策してみたりしました。
土地のことを知ると、滞在中に気づくこと、感じることが少し変わってくる、というのは旅行などをしていても、よくあることだと思います。当たり前に目の前に広がっている風景が、話を聞いた後では特別に思えてきたり。貴重な機会となりました。

「ぐるっと神山ツアー」では、
みんなで車に乗り込み、山をぐんぐん登った先にある「観月茶屋」や、町内の珈琲屋さん「豆ちよ焙煎所」へ。
神山町は人口規模で見ると小さな町ですが、そんな中にも個々人の思いや熱意がこもっていたり、店主の個性が光るお店が結構な数あります。
大手チェーン店などはほとんどありませんが、むしろ、ここにしかないお店や空間の一つ一つが町を形作っている。そんなおもしろさも感じてもらえているといいなあ〜と思います。

参加者のみなさん一人一人にとって、すだちワーホリはどんな時間になっていたのでしょうか。直後に感じていた気持ちもあれば、時間をかけてゆっくり言葉になっていく感情もあったり。
ふとした瞬間に神山やすだち、すだち農家さんのことを思い出すということもきっとこれからあるはず。神山で過ごした時間が、みなさんの中で大切な記憶として残り続けていくといいなと思います。
そしてぜひ、またいつでも神山へお越しください!
・・・と言わずとも、今年もプログラム終了後に自らの意思で”延泊”したり、自分の家と神山とをたびたび往復して、すだち収穫延長戦!に取り組む方々が自然と生まれました。頼もしい…!
「もっとここにいたい」と思える出会いや時間が、それぞれにあったのだろうなと思います。

そうして、2年目(2回目)の開催を終えた、すだちワーホリ。すでに、来年度の開催を見据えて動き始めています。
この土地の農家のみなさんが、少しでもすだち農業を続けられる可能性を高めていけるように。そして、このプログラムに飛び込んできてくれる参加者のみなさんにとっても、実りの多い時間を過ごしてもらえるように。
最適な在り方を探り、柔軟に形を変えたりしながら、大事にこのプログラムを育てていきたいと思います。
この記事を読んで興味を持ってくださったみなさん、すだちワーホリプログラムでお待ちしています!
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次回開催の情報は、Instagramにてお知らせします。
Instagramでも、今年の振り返りレポートを写真とともに少しずつ公開していますので、ぜひ合わせてチェックしてみてください◎

kuronaga
くろなが ゆきの/山口県下関市出身。2022年4月〜2024年12月まで神山つなぐ公社に所属していました。現在も、外部パートナーとして一部の事業に継続して関わっています。
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