「豆をたずねて」豆ちよ焙煎所2周年

投稿者:豆ちよ

場所:
豆ちよ焙煎所
(4/1~4/15)
開催日時:

2020年4月15日、豆ちよ焙煎所は2周年を迎えます。
皆様に支えていただき、コーヒーを通してたくさんの良き出会い、良きひとときを過ごせること感謝でいっぱいです。ありがとうございます!

3年目のスタート4月より毎月前半の2週間、白い壁をtiny galleryとして小さな展示会を始めます。アート作品に限らず、神山の暮らしや誰かの伝えたいことなどゆっくりご覧いただく予定です。

まず最初は「豆をたずねて」(4/1〜4/15)
昨年訪れた東ティモールのコーヒー農園の様子を写真で展示します。近年コーヒーの産地として注目を浴びている東ティモールは長い紛争を経て2002年に独立。農業が発達できなかったため今のところ国土全体がオーガニックなのです。焙煎所に届く豆がいつも美味しくて美しいので、どんなところで育っているのかを確かめたくて行ってきました。
展示期間中はご希望の方に東ティモールのコーヒーを振る舞います。いつもは深煎りのみですが、現地で飲んだような中煎りもご用意。コーヒー飲みながら東ティモールスライドショーもセッティングできたらと思います。(新型コロナウィルスの状況を見ながら。。)
どうぞお気軽にお越しください。

5月以降の展示の予定も続々決まっておりますので、お楽しみに。

 

さて。
せっかくなのでこの場を借りて、焙煎所を営みながら感じたこと、小さな展示会を始めることの経緯をまとめます。たぶんここから先は、LOVEがあふれて長くなるのでお時間あるときにお読みください。

今改めて、この場所で出来ることはなんだろうと考えています。
焙煎所があるこの建物は古い建物を遺すためにリノベーションされました。そのバトンを受け取り、この場をお借りしている私たちが、「遺す」ためにできることは、気持ちよく使うこと、気持ちよく人が常に居ること。コーヒーを焙煎し販売するだけではなく、小さな広場のような、誰もが楽しく立ち寄れる場所になれたら良いなぁと思っています。

というのも、コーヒーの美味しさって単に液体だけの味じゃないと思うんです。もちろんそのもので美味しいのは大前提で。誰と飲むか、いつ飲むか、どんなカップ?体調もすごく左右するし、ホッと一息ついて1日を機嫌よく過ごすアイテムはとても大事。なぜなら、そういう整った気持ちを持ち寄って良い仕事、良い社会、につながるから。私たち一人一人の機嫌は世界平和につながっているのです(笑)。

では具体的にどうしたら良いのか、、考えるきっかけをくれたのが、KAIRの招聘作家Yamandu Roosさんでした。彼がレジデンス滞在中に毎日のようにコーヒー飲みにきてくれていたある日、ここに作品を飾りたいと自分のアート作品の展示会場に選んでくれました。

その年の作品は、吹き抜けの一番上の梁から10mの和紙に転写した軽トラの写真を床近くまで垂らしたもので、展示期間中は多くの方が作品を見に来てくれました。

  
一度にあんなにいろんな方が店内に出入りしたのはあの時が初めてだったんじゃないかな。狭い店内にはコーヒーを試飲する人、ベンチや床に座って見上げる人、寝っ転がって写真を撮る人、居合わせた人と感想を交わす人たち、お遍路さん、思い思いに過ごす様子が本当に公園みたいでした。

また作品と過ごす時間そのものも、私にとってすごく大きなギフトでした。
KAIRの本展示会が始まる少し前に、ある作品を展示した時のこと。彼がここで発表した一番最初の作品は、和紙を柿渋と当店から出たコーヒーの出し殻で染めたもので、和紙なのに錆びた鉄のような硬度のあるシワシワ感がすごくカッコよかった。

実はちょっと匂いがキツくてコーヒーの香りをかき消してしまい(笑)店内には飾れなかったのだけど、それでも毎日毎日その作品を眺めている時に、やっとアートと自分との関係を見つけることが出来ました。(ような気がするだけかも知れませんが、その時ははっきりと。)

展示中とにかく毎日その茶色い作品をぼーっと見ていると、焙煎所は白い壁に自然光が入るから作品が日に日に、朝と夕でも違う表情を見せてくれるので、小さく「はっ」とする瞬間があって。その変化に気付けるのは1日を通してずっとこの場所にいる自分だけということにまた「はっ」として。だから、この作品を見たことで湧き上がる感情や感覚は自分「だけ」のモノだ、と思えました。

それまで自分には「すべて頭で理解していなくちゃいけない」から何もかも理解出来てない自分を認めていないところがあって、何かを言葉にするのは答え合わせのように思えてた。そんな風にアートなんて特に見ても見ても見えてなかった。
だからYamaちゃんがくれたそんな単純な気づきのおかげで、日々の暮らしのいろんなことがぐっと前のめりで面白くなった気がします。

 

 
(2019年KAIR作家 狩野哲郎さんの作品展示)

そしてある日の夕暮れ。外から窓越しに作品を見ると、店内の明かりに照らされた作品が浮かび上がり、この建物を建てた一番最初の大工さんから時代をまたいでこの建物に関わったすべての人が繋がり、私も含めてそこに存在しているのを感じて。

その日から夜も明かりを灯すことにしました。

誰かに見てもらうためというより、時代を遡って明かりが届きますように、と灯篭のような意味を込めて。そうして何日か続けていたら近所の方から「明かりを点けてくれてありがとう」と思わぬ言葉をいただきました。お店を初めて、まさかこんな形でお礼を言われるとは思っていなかったのでとても嬉しかったです。

(2019-2020冬の展示:上分在住のフローリスト植田千寿美さんの作品)


現在、焙煎所ではコーヒーや道具以外にもご縁のある方々のお菓子や作品も扱うようになりました。
(広野在住高橋喜美子さんの作るイギリス焼菓子「Elizabeth」

 

 
(神山工房さんのカップ 試飲も神山工房さんに焼いていただいたオリジナルのカップを使っています)
 

(下分在住RingRingさんのコーヒー豆を使ったオリジナルアクセサリー)

 

(阿川在住SALON DE LEONAさんの季節のろうそく)

 

「ほんのひろば」出張コーナーでは本が巡り、店頭のフリーボックス(不用品交換箱)にも多様性ある循環が生まれました。
(関ジャニのうちわはみんな旅立ちました!)

 

読書会や報告会などを開いてお互いの声を聞き合ったり、たまに自分のレコードを掛けに来る方もいるし、ギターを弾いたり、外の赤いベンチはバスを待つ人やお遍路さんに解放しています。


当初思い描いていた形とはちょっと違うけど、違うからこそコーヒーを真ん中にしながら、今は面白がって変化を受け入れられているかな、というところです。

3年目もどうぞよろしくお願いします。
(生津正隆さん撮影)

公開日:2020年3月14日