食農プロデュースコース

2016年度、まちの高校とフードハブ・プロジェクトは、生活科の授業において連携が始まりました。同年、加工品を作って販売する「お弁当プロジェクト」が立ちあがり、生徒たちにとって日常的であり地域に密着しているものを話し合う中で出てきたアイデアが「お弁当」でした。

「地産地食」をキーワードに地域の農家・管理栄養士・料理人とともにメニューを考え、米や野菜の栽培から調理まで一貫して体験。産食率*や原価率を学びながら調理実習に励み、毎年秋に開催される神農祭*では、生徒らの手で100食〜150食のお弁当を作り販売してきました。

食農プロデュースコースにおいては、持続可能な環境保全型の農業教育を、フードハブ・プロジェクトの食育担当が非常勤講師として授業に参画し、約40年前に作られた神山の郷土料理と食文化を伝えていくための本「神山の味」を軸に「育てる、つくる、食べる、伝える」食農プログラムを実施します。

*産食率:「地域で育てて、地域で食べている」割合(%)を定期的に測定していくための、
フードハブ・プロジェクトが定める基準です。国が定める自給率のように、カロリーや生産額を元にする算出方法ではなく、
学校給食などで用いられる「食材品目数(町内産)÷ 食材品目数(総合計)」という計算方法をベースに算出しています。
*神農祭:毎年11月に行われている神山分校の文化祭。学校で生産された農産物や寄せ植えなどが販売されています。


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2018年度は、町内の生産者さんや作り手さんにご協力いただきながら、「育てる、つくる、食べる、伝える」プログラムを実施しました。授業の様子を紹介します。

●すだちの木灰でこんにゃく作り
昔ながらの手作りこんにゃくは、こんにゃく芋と木灰を使って作られます。こんにゃく芋は町内の生産農家さんから分けていただき、木灰は分校にたくさんある「すだちの剪定枝」を使って作りました。そのまま食べた場合、危険な側面もあるこんにゃく芋をアルカリ性の液体と混ぜることでおいしい食べものに加工する。先人の知恵と工夫を感じながら作って食べた時間と手間暇かけた美味しさが感じられました。

●大豆を育てて豆腐をつくる
校内の圃場で育てた大豆を使って豆腐を作ろうと、隣村の豆腐職人さんや県内外の豆腐マイスターの方々にお手伝いいただき実施しました。2018年度は大豆の収穫量が少なく製品化はできませんでしたが、再挑戦に向けて思案中です。

●高校版「さつまいもでカミノウメイト」づくり
フードハブ・プロジェクトで販売している「カミヤマメイト」の高校版「カミノウメイト」を作りました。生活改善グループのお母さんに教わった高校生9名が作ったカミノウメイトは、2018年度の70周年記念式典で来賓の方々にも配られました。