地球との関わりを学ぶオルタナティブスクール「森の学校みっけ」、2024年度【現場責任者】を募集します!

募集中2023年11月1日

投稿者:mikke

火や水、風、太陽とともに生きながら、体験から生まれる学び。気候変動などへの関心を育てながら、持続可能な暮らしとは何かを学びへつなげるオルタナティブスクール「森の学校みっけ」が開校から1年を迎えようとしています。

森の学校みっけは2023年3月NPO法人化。2024年春、学校現場を担う重要な人材を募集するとのこと。子どもたちを見守るフィールドの柱となる「現場責任者」を、代表の松岡美緒さん、事務局長の中村奈津子さんに加えて、組織の要3人のうちの1人として迎える予定です。

募集に合わせて、みっけの今と、目指す方向などについて、松岡さんと中村さんの2人に語り合ってもらいました。

 

 
〈左:松岡美緒。イギリスの大学院卒業後、パキスタンなど第三世界で平和構築などに携わるが、自分の暮らしの足元をもっと知るためにパーマカルチャーを学び、神山に移住。
 右:中村奈津子。カウンセリングの手法を大事にしながら、自然の中で子どもたちが学ぶフリースクール「NPO自然スクール トエック」(徳島県阿南市)に7年勤務後、神山に移住し、「まちを将来世代につなぐプロジェクト」に関わる。〉

 

まずは、みっけの学びの現場を俯瞰してみましょう。
みっけがあるのは、神山温泉の少し上、地主さんらによって一帯で自然に寄り添った農法が行われている里山です。代表、松岡さんがこの地を選んだのは、水の綺麗な場所だったから。地元の人が昔から植えていた多様な果樹が揃い、季節を通して山菜や果物が採れます。

 

<地主さんが学校の理念に共感してくれたため森や畑など広大な土地を貸してくれることに。森づくりを通して栄養たっぷりな水が流れるようになったら、畑もその先の海も豊かになる。自然資源の循環を学ぶ立体的なカリキュラムが実現する立地>

学びの場は、水源が豊かな山。そして、小さな校舎のあるフィールドと、フィールドの川下にある畑、周辺の野山、川です。畑でできた野菜や、澄んだ川のモクズガニなどを捕まえた日にはお昼ご飯にいただき、森の中での暮らしを体験する日々です。自然に子どもたちは、「自分が飲む水はどこから来てどこに行くのだろう?」という循環の学びに触れ、目の前の事象から理科、社会、国語、算数、美術、文化人類学などへの知見を深めていきます。

<水が沸く山をバックにみっけの畑での毎週の活動。ここにはすでに何種類もの果樹が植えてあり、子どもたちは果樹と野菜を観察したり育てたりする>

<みっけは環境への負荷を考え、地域の食材や旬のものを使うことを大事にしている>

 


ーー例えば、持続可能な暮らしの中での学びって、どんな毎日を送っているの?

松岡 今年の夏は、川で飛び込みや魚釣り、沢登りなどを毎日堪能したね。モクズガニをとって食べる体験ができるのは、そこが本当に綺麗な川だから。綺麗な川での本当に楽しかった原体験も学びの種の一つかな。水が物を運ぶ力、生き物たちの生態や住処など、自分の周りの自然資源への理解を深めている。

中村 たくさん雨が降った日には、森が水を貯めて流すこと、水害も災害も暮らしの中で起こることだと、「自分たちがつくる場所」で、子どもたちは暮らしが変わっていくことを感じていると思う。

松岡 そうだね。子どもたちとスタッフの会話の中で、環境の変化で孵化した川に戻れなくなった鮭の生態の話から、神山の川では何が登れなくなったかという問いかけが始まり、川と海が繋がっていることが最近話に出たところ。

中村 先日、県南の牟岐町教育委員会からご招待を受けて、「食べられる森」(※)を作っている出羽島まで行ったよね。そこで木の植え方を学んだり、チヌやアジを釣ったり。この豊かな海は、川のおかげ、山のおかげだって、ちょっとずつ全体像でわかってきたんじゃないかなぁ。
(※1 食べられる森:「森のような自然の仕組みの下で無理なく「持続可能な農業」を目指す取り組み。)

松岡 ある日のプラン「水源ジャーニー」で、子どもたちはみっけに繋がるホースや川を辿りながら自分を生かす水の源を探し歩いた。まだ辿り着いたことはないので、いつかは、そこまで辿り着きたいな。

 

 

ーー始まってそろそろ1年が経つけれど、改めて振り返ってみてどう?

中村 自然が「先生」だったなと思う。自然の中で、子どもたちが本来持っている、光に向かって伸びようとする力が目覚めていったように感じるなぁ。

松岡 子どもたちは「ここにいていいんだ」という安心感があるみたい。その上でスタッフの様子、天候、人数、そして自分の気持ち。それら全部を感じながら、自分たちで、日々のプログラムを組み上げている。保護者からも「子どもの本来の姿を見ることができた」「親子関係が良い方向に変わって話しやすくなった」という声があって。

中村 スタッフは、彼らを信じて、寄り添う。これに「自然」の力が加わった。子どもたちは、自分で活動をカスタマイズできる環境が用意されていて、その中で自分と周りと調和しながらどうやっていくか?自分らしくかつ調和的に人生をデザインできる力が確実についてきている。

松岡 そうそう。最初は、手持ち無沙汰な子が多かったけれど、今は、「24時間みっけがあったらいいのに!」というくらい、やりたいことが多くて忙しい(笑)。「帰りたくない学校」っていう子どもの言葉が嬉しかった。

中村 夏休みなくていい、土日なくていい、という学校(笑)

〈川の冒険に出る子どもたち。彼らのミッションは「生きて帰ってくること」大袈裟に聞こえるかもしれないが、子どもたちは大自然の中でお互いを助け合いながら前に進むことを学ぶ〉

〈700個以上の木苺を収穫した子どもたちは、皆に平等にお土産にするにはどうすればいいのか、数を計算し、持ち帰る際に落ちないようなデザインのパッケージを開発した〉


 

 

ーーでも、よくここまでゼロから1をやり遂げたよね。

中村 私はトエックで、学校を地域に開いていく可能性や、持続可能な学校のあり方を考えてきた。だからすぐに週5日、毎日通う学校づくりって大変だと思って「放課後からはどう?」と話したんだけれど、美緒は、「でもやっぱり、毎日がいい。地球と子どもの美しい未来が広がっていることが、私の使命だと思っているから」と断言した。その言葉でここまで一緒に走ってきたね。やっぱり、子どもたちが学ぶ、このみっけのフィールドの美しさを見たら、週5の学校でよかったと思う。

松岡 開校したばかりの頃は出産もあったので大変過ぎて「放課後だけにしておけばよかった…」と思うこともあったけれど(笑)、毎日の流れがある中で、子どもの大切な居場所になっていくんだと感じてる。あの岩場、この秘密の道、と秘密基地に通う気分で歩きながら、毎日行く学校って、本当に美しいと思う。

中村 山、森、川。あの自然の中で、毎日、暮らしベースで活動ができることは、地球と子どもの美しい未来が続いていくことのスタートになる。美緒は、自分の直感を信じてよかったね。

松岡 私は「地球と子ども、美しい未来」と夢を話していたけれど、実際やらないといけないことは、親御さん対応、雇用、安全管理、などの実務。なむちゃんをはじめ、事務仕事の基礎を理解してビジョンを一緒に見てくれる人がいなかったらここまで来れなかったな。

〈二十歳の棟梁がたくさんの仲間と地元の方のサポートの元、仕上げた森の中にある校舎〉

〈身近な年代の大工さんたちに子どもたちも興味が湧き、作業を共にさせてもらう日も。朝から大工さんの装備で現れる子どももいたほど、多様な地域の大人との出会いは現場に大きなインパクトをもたらす。〉

 

 

ーースタッフや保護者との関係はどう?

松岡 最初は、どこまで一緒にできるのか探り合っていたけど、2学期に入って学校も落ち着いて、スタッフや親御さん自身がやっている自走型のプロジェクトがたくさん立ち上がっているなと思う。

中村 スタッフ間もそうだけど、親御さんとの関係も、サービスの受け手、といった関係ではなく、信じ合える関係であることが嬉しいよね。私は、「教育」は「文化」を作ることだと思っている。親御さんとのやりとりも、「先生は、学校は、こうあるべき、完璧であるべき」という社会での積み重ねの中でのコミュニケーションになりがち。けれど、本当のところ「自分自身はそうしたいのか?」と自問してみると、学校に子どもを押し付けたい訳ではない。

お互いに「私はこう思うんだけど、あなたはどう思う?」というやりとりが対等に生まれているよね。それも、みっけが作っている一つの文化だと思う。人との関係性も型に嵌めたものではなく、認め合う温かい関係をどう作っていけるか?そんなことを考えながらやってきたよね。

〈ビーチクリーンで集めたゴミの観察会を主導してくれた保護者。マイクロプラスチックなどの解説を聞いた子どもたちはその日から通学路でゴミ拾いに徹するようになった。竹でゴミを拾う用のトングを作ったり、ゴミを拾わないまちにするにはどうすればいいか考えたりし始めた〉

 

松岡 今いるスタッフは、ジェンダーなどを中心として多様性が含まれることを大事にしていたり、砂漠のマラソンを走って挑戦を続けている人だったり、季節の手仕事が得意だったり、地球と身体が調和するような食事をつくるプロだったり、物づくりを通して学びの種をまく人だったり。保護者もフィルムメーカー、グラフィックデザイナー、カメラマンなど本当に多様!

中村 それぞれの得意なこと、輝く所がだんだん色鮮やかになっていくのを感じるね。子どもたちもそれを見ていると思う。

〈神山町のアーティストインレジデンスで招聘されたアーティストとスタッフの繋がりからアートの一部を一緒につくり、周りで踊りながら表現する機会をいただいた。子どもたちは舞いながら太陽や蝶々になった気分と話していた〉

〈アルミを叩きスプーンをつくった後は、スパイスを学んでカレーをつくり、自分のスプーンで食べる!物づくりと食を掛け合わせるカリキュラムに続いて、畑担当スタッフがスパイスも育ててみたい、と呟く〉

〈群馬県の伝統料理お切込みや石川県の名物柿の葉寿司を、昔の人がなぜその料理を作っていたのか背景を考えながら手を動かして作ってみる。スタッフの知識や経験が美しい風景と共に子どもたちに手渡される〉

〈子どもたちがミサンガを売って旅行費を稼ぐと言い始めた。スタッフや保護者はどこまでサポートするのか、子どもたちにどんな発見をして欲しいか、みんなにとって心地よい方向性を見つけるのはなかなか難しいが面白い〉

 

ーーあたたかな文化が育ってきた今。どんな人に「現場責任者」になってほしい?

松岡 今年は季節の流れと子供達の好奇心という出発点でどこまで行けるかを確かめる一年。2年目は子どもたちが「本当に知りたいこと」を深く探究する風景をもっと見たいなと思う。
中村 春の森づくりから始めて、夏の川遊び、秋の水源ジャーニーなど、それぞれの体験をカリキュラムの形に落としていきたいよね。教科横断型の学びとして、各体験にまつわる「問い」やテキストを整えていきたい。だから、このビジョンに響いて、行動できる人が欲しい。物事を起こせる力のある人が必要だと思う。

松岡 それからまだ始まったばかりの学校だから現場で起きていることが持続的な運営と結びついていないとどちらもいっぱいいっぱいになってしまいがち。現場を担い、私たち運営、それからこのまちとを繋いでくれる人でいて欲しいね。コミュニケーションが得意だったり、コミュニティビルディングが好きな人に来てもらえたら嬉しい。

中村 「人と人をつなげる力」「自然の遊びと学びをつなげる力」などなど、そういったことを根本の求める像にしたいな。それに加えて、専門性・経験・知識があれば望ましい。子どもたちの美しい未来が続くために一緒に走れるか、みっけの理念に熱く共感していることも大切だね。どんな仲間になるか、楽しみだね。

〈みっけでは1日の最後にジャーナルを書く。紙は何でできているのか、どうやって縫い合わせるのか、日常のシンプルな観察や手を動かす作業は生きるための好奇心をより呼び寄せる〉

 

ゼロから始まった学校が、わずか1年でしっかりと形になっている様子が伝わってきました。さらに地に足をつけることが求められる新年度。子どもたちの姿を見つめ、寄り添い、物事を俯瞰する力、行動力のある人材が待たれている様子です。
さて、あなたも、地球の未来に関わる、森の学校づくりの一員になってみませんか?

(取材・文/中村明美)

【募集要項】

雇用形態 常勤職員(正社員)
勤務地 徳島県名西郡神山町神領南上角247
給与 月給:20万円〜(3か月の試用期間あり)
※経験・能力を考慮の上決定いたします。
待遇 〈保険〉雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険
〈他〉・活動中の食事支給
    ・みっけ主催のプログラム(森づくり、大地の再生など)の参加費免除
勤務時間 ・勤務時間 8時30分〜17時
・週休2日制(研修やイベントで週休1日になることもあり)
・学校の春夏冬休み期間に1週間程度の長期休暇あり
仕事内容 ・保護者対応
・現場スタッフのチームづくり
・カリキュラムづくり
・児童募集
・学校運営に関わる事務作業
 など
必要な資格・経歴
/求める人物像
・資格:普通自動車免許
・教員免許や保育経験は問いませんが、子どもとの活動に2年以上携わっていた経験
・3年以上の社会人経験
・自然が好き、子どもが好き、人が好きな人
・保護者や地域と連携して学びの場をつくれる人
・0から1を立ち上げることを楽しめる人、困難や挑戦を面白がれる人
・主体的に創造的に物事に取り組める人
・みっけの理念に共感している人
・バイリンガルや他の文化、多様性への理解がある人
勤務開始予定 2024年3月〜(応相談)
募集期間 2023年7月20日〜採用が決まり次第終了
応募について 応募について以下のフォームよりご応募ください。
https://forms.gle/V9NSTYHNMiWhUi9e9
ご記入いただいた内容をもとに書類選考を行い、オンライン面談・現地訪問を予定しています。
求人に関するお問い合わせ
お問い合わせ    森の学校みっけ
メール:mapfullofknots@gmail.com