1/22(水)。農村改善センター3階のホールで、城西高校神山校の「課題研究発表会」が開催された。これは、卒業年の3年生がそれぞれ丸一年かけて、自分で設定したテーマに取り組む研究活動の発表会で、森山円香(神山つなぐ公社/ひとづくり領域担当)がその様子を神山日記帳に書いている。*

実際に足を運んで、不思議だったのは、

・高校のプログラムなのに、高校の外に出て発表している
・生徒の数が妙に多い(神山中学校の1, 2年生も来ていたんですね)
・発表する3年生たちが、結構リラックスしている

なんだろう。訊いてみました。

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森山 「課題研究発表会」は、去年まで高校で開かれていたんです。それを外で開いたのは、地域の人たちにも一緒に聞いて欲しいとか、中学生にもっていう、高校の先生たちの話し合いの結果ですね。(農村改善センターと神山中学校は徒歩10分以内)

中学1, 2年生が来てくれたのは、高校側から「ぜひ」と持ちかけている。中学校は秋の高校のオープンスクールにも全校生徒で参加していたし、校長先生たちも「いまの神山の動きに触れる機会を、子どもたちに提供したい」気持ちがあるんでしょうね。

2017年に始まった「神山創造学」から、ずっとかかわってきた子たちが、1~2年生の時間の中で神山のいろんな人と出会いながら、その中で培われてきたことの結実のような時間だから、いろんな人に来て欲しかった。

けど、創造学でお世話になった住民さんたちは、あまり集まっていなかった。学校側は、チラシを全戸配付したけど、本当に来て欲しい人たちには足を運ぶ方がよかったな、と話していました。

でも中学生も来てくれたし、町内の事業所の人も何人か来てくれたし、基本的によかったなと思っている。

──内容については?

森山 発表の仕方がそれぞれ個性豊かで自由だなあと(笑)。同じ高校でも、過去に見た発表はもっと固かったんです。ちゃんとしすぎているというか。でも「課題研究発表会」では、資料のつくり方もそれぞれの趣味全開で、アニメキャラとかも出てくるし、読み上げ原稿ナシでマイク握っている子も多くて、その人らしさが出ている感じが楽しかった。

聞いている会場側も「OK、OK」という感じで、あれだけの人数が集まっているのに、何度も笑いが生まれていたり。面白いですよね。

みんな「自分らしく」とは考えていないと思うんです。でも「決められたり、やらされるのは嫌」っていうのかな。そういう気持ちがハッキリ表現出来ていて、先生方もそれを受けとめている。枠組みを与えなくても、形にする子が出て来ている。その姿を見ていますよね。

──森山さんも、感無量?

森山 2017年の「神山創造学」の映像*に出て来る、あの1年生の子どもたちですよ。訪問先の大人に、質問の一つも出来なかった、挨拶もままらなかった子たちが、こんなふうに自分なりの課題やテーマを見つけて、考えて、工夫して発表している姿を見れたのは嬉しい。

来年度からは、私たち(公社の「ひとづくり」チームメンバ-)も3年生の「課題研究」に関わる予定です。2年生にも早めに考え始めるように伝えていて、すでにテーマを考えている子もいる。
生徒は育ってきているので、彼らの「やりたい」や「関心がある」や「自分から深めてみたい」という想いを、ちゃんとサポート出来る大人側の体制を、高校の先生たちと一緒につくっていきたい。

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COVIDのあれこれで、高校も突然休校になり、卒業式は先日短縮版で開かれたけど、振り返ってみればこの「課題研究発表会」が、大事な最後の舞台の一つでした。それが楽しんでくり広げられていたのは、よかった。

イン神山「神山校の課題研究発表会と、裏話をすこし」
【映像】神山つなぷろ #13:神山創造学[高校プロジェクト・その2]