神山校の課題研究発表会と、裏話をすこし

学び2020年2月1日

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投稿者:森山 円香

神山校はじめ専門高校には「課題研究」と呼ばれる授業があります。
その名の通り、自らテーマを設定して(調べたいこと、取得したい資格に向けた学習など)活動に取り組む授業です。「総合的な学習/探究の時間」の農業版、といったほうがイメージがつきやすい方もいるかもしれません。

その最終報告としての発表会が1/22に行われました。これまでは校内で実施してきたのですが、地域の方々にもご覧いただきやすいようにと今年は改善センターへ会場を変更して開催されました。

神山校の全校生徒、神山中学校の1・2年生と先生方、コンソーシアムのメンバー、大学院生や地域の方々・・・総勢200名近くでしょうか。広いホールが埋め尽くされていました。

まち全体をフィールドに学ぶ「神山創造学」の一期生の生徒たちも、気づけば今年で卒業。

自分たちが育てた苗を見せながらの発表や、好きなアニメの画像をちょいちょい使ってくる趣味全開のスライド、原稿無しで一人語り下ろす姿・・・。それぞれ自分たちらしいスタイルで堂々と発表する様子を、温かい気持ちで見守りました。

直前まで発表準備をする彼ら。

1年生の頃、「滝なんて見に行かなくても検索すれば画像で見えるじゃん」とか言ってた生徒が、小さな廃材1つひとつにヤスリをかけて積み木(コンテナ5つ分!)にし、神農祭でキッズスペースを作ったという話は・・・なんというかもう、本当に、感慨深いものがあります。
↓武道場をキッズスペースに。ちびっこたちがずっと遊んでいた。

 

どの発表も頭の体操で終わってないというか、実際に自分たちが手足と頭を動かして実行したこと、そこから学んだことを伝えようとしているのが何より素晴らしいと思いました。

 

もう1つ、今年は例年と違うポイントがあります。3年生だけでなく、1年生から森林女子部の活動報告(かけ合いで発表が進んでいくのが面白かった)、

2年生から神山創造学で行なったチームごとのプロジェクト報告がありました。

中でも、映像だけで6分間の報告を行ったチームがありました。見た人たちからは「感想が面白かった」「写真や映像をうまく活用していた」など好反応をいただいたのですが・・・
ちょっとだけ、裏話を。

実はこのチームのメンバーは、人前で話すのが大の苦手。発表会があるよーと伝えるやいなや、「前に出たくない」「話せんメンバーばっかで絶対うまくいかん」「当日休むわ」と口々に言い出しました。どうなるかしら・・・と思って様子を見ていたら、メンバーの一人から「文字だけ映して読んでもらえばいいんじゃない。映像もあるし。」という言葉がポロリと。

それ面白いじゃん!ということで、《発表しない発表》を目指すことに。

神農祭用につくっていた映像をベースに、ナレーションや感想を吹き込んだり、映像を短く編集し直して制限時間に収まるように作りました。(泣く泣くオフショットもカット。)

「ドローンで撮ったらいいんじゃないか」というアイデアを出した生徒が編集を手がけたのですが(スマホで)、ネイチャー系の壮大な音楽と一面萱で覆われた畑の映像のコンビネーションは、何度見ても笑えます。
↓問題のシーン(音付きでお届けできないのが残念です!)

 

「発表したくねー」と叫ぶ彼らに、「社会に出たら人前で話す機会も多いんだし」と励ます方法もあったかもしれません。でも、不得意なことをしないで済むように別の方法を考えるということも、実はすごく大事だよなぁ、と。彼らと一緒にいると、いろんなことに気づかされます。ほかにもスッタモンダが色々とあるんですが、長くなるのでこのへんで。笑

 

1つ1つのチームに、6分ではとても語れない、多くのエピソードがあります。ぜひ、神山校の生徒さんに出会ったら聞いてみてください。
ちなみに、2年生の加工品チームの活動についてはフードハブ・プロジェクトのウェブサイトに担当の先生が寄稿しています。

 

 

翌週の2年生の授業では、参加者の方々が書いてくれたコメントシートを皆で見ました。

来年は休憩を入れたほうがいい、会場が大きすぎると緊張してしまうので複数の部屋に分かれて実施したい、といった声が生徒たちから上がってきました。来年は自分たちでつくっていく場なんだという認識を持っていることを頼もしく思います。

どうぞ、来年もお楽しみに。

 

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森山 円香

岡山出身。 2016年4月〜2022年5月まで、神山つなぐ公社でひとづくり分野を担当。NPO法人まちの食農教育の理事をしています。 このまちに来て、石を積めるようになりました。(でもまだまだ)

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コメント一覧

  • ジャイアント・ステップ! :-D

    2020年2月17日 18:21 | 西村 佳哲

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