”みんなで育て、五感で味わう神山町の学校給食” 調理チーム募集中!神山町立小中学校の給食を、フードハブ・プロジェクト等が今春から担います。

募集中2022年2月9日

「神山で働く」編集部

投稿者:「神山で働く」編集部


「あぁ、おいしい…」。

神領小学校1年生の教室。ある冬の日の給食中、一口食べた熱々のクリーム煮に、児童からため息がもれました。クリーム煮の中身は、自分たちが育てた白菜、キャベツなどが入っています。
具の野菜は学校前の畑で、秋から、彼らが種まきや苗を植えて育ててきたもの。前日、1年生21人は、収穫した野菜をコンテナに入れて、給食センターまで歩いて届けていました。


<学校前の畑で、農体験する神領小学校1年生>


<この日の給食メニュー。子どもたちが収穫した冬野菜がたっぷり使われている>

センターは、白鷺の舞う清流・鮎喰川のそば、流線の畔が美しい棚田の下にあります。
「はたけでとれたやさいです。おいしいごはんにしてください!」。

調理スタッフは給食センター前で、子どもたちから直接、野菜を受け取りました。そして、不揃いの野菜でも丁寧に刻んで、冬野菜たっぷりクリーム煮と大根とツナのサラダを230食分、完成させてくれました。

「お野菜を運んだ時、給食センターの人がおってくれてな。みんなやさしそうだったよ。シチューの味?白菜が甘くてママのシチューよりおいしかった…。内緒やけど」と別の児童。


<子どもたちが運んだ白菜や大根、キャベツ>

このように神山町では、まちの給食センターと児童生徒、そして田畑がつながる新しい関係が築かれようとしています。それを支えてきたのが「地産地食」を合言葉に活動する「フードハブ・プロジェクト」。町役場、神山つなぐ公社、神山町にサテライトオフィスを置く株式会社モノサス(本社・東京)が2016年に共同で立ち上げました。

フードハブ・プロジェクトの活動のうち、食農教育部門は4月、食育係の樋口明日香さんが中心となり、NPO法人 まちの食農教育としてさらに発展。「神山で取り組んできた食育を深め、発展させていく活動」だと期待されています。

そして、同じ時期に、給食センターも、歩みを深めることになりました。
フードハブ・プロジェクトが町から給食事業を受託したのです。


<左奥の建物が給食センター。手前に広がるのは、地域の農家が給食用に育てている米の田んぼ>

給食センターのオペレーションを担うチームのリーダーは、Google Japanの初代フードマネージャーであり、「産業給食」と呼ばれる社食を「ただお腹を満たす場というだけではなく、会話が生まれ、コミュニティが生まれる場」へ変革してきたモノサスの荒井茂太さん(「MONOSUS社食研」事業開発ディレクター)です。


写真左、Google Japanの初代フードマネージャーであり、MONOSUS社食研の荒井さん

荒井さんを中心としてこの春、ともに給食事業を育てていく調理チームが新たに結成されます。チームメンバーとして「料理人2名」、「調理スタッフ4名」が募集されることになります。

今回、春からの給食事業と新チーム募集への期待について、フードハブ・プロジェクト農業長・白桃薫さんと、食育係・樋口さん、MONOSUS社食研・荒井さん3人に、フードハブの食堂「かま屋」でお話を聞きました。加えて、神山町役場では、給食と子ども達の変化に期待する後藤正和町長にお話を伺いました。

── 給食事業といえば、毎日、限られた予算で決まったメニューを大量に調理し、安全に学校へ提供する責任の大きな業務。春にむけて、今、どんなお気持ちですか?

(白桃)はい。まずは「ちゃんとはじめる」が最初のゴールですが(笑)、無事に始まった後は、子どもたちが、「誰がこの野菜を育てたか」「誰がこの料理を作ってくれたか」を思い浮かべながら食べられるような給食であってほしいなと考えています。

地域の農家も、調理チームの方も「あの子が食べているよね」と思いながら野菜を育て、調理する。そんな風にお互いに顔が見える関係づくりが、自分の中でのゴールです。子どもの反応が、正直言ってとても楽しみです。


<写真右 農業長の白桃さん。代々続く神山の農家出身。まちの創生戦略づくりの中で、フードハブ・プロジェクト結成のきっかけをつくった>

(荒井)給食の開始が、シンプルにとても楽しみですね。まずは、きちんと安全に事業の形をつくることが直近の目標。しかし、社食から考えると「230食」という神山町の給食数は、そこまで大きなものではないんです。徐々にチームと対話を進めながら、ひと手間、ふた手間をかける工夫を重ねていきたいと思っています。

──「神山の給食は美味しい」と転校生の間では評判でしたが、さらに期待が膨らみますね。

(荒井)給食は、生徒の健康保持促進を大前提としつつ、「ほっとする味」。毎日食べても飽きない味であることが大事になってきます。そこに、毎日ではなくてもいいから、料理人による特別な味も入れていきたいですね。

今回、調理チーム、特に「料理人」として来ていただく方には、ご自身の給食のイメージを変えてほしいと思っているんです。給食や社食の調理はこれまで「料理」ではなく「作業」と考えられていると思うんです。毎日の作業なので、調理する側は「いかに作業を単純化するか」ということを考えるようになってくるんですね。

でも、素材をどう生かすかを知っているのが料理人。軌道に乗ってきたら、冷凍の魚ではなく、丸魚でさばく、ということがあってもいいかもしれません。もちろん、チームで対話しながら、そんな手間をあえてかけていきたいと思っています。

(樋口)わたしは、別の自治体で、給食センターの調理員が料理人と一緒にコースの「給食」を作るという取り組みに参加したことがあるんですね。

給食センターの調理員は、大量に調理するスキルに長けていて「効率重視で素早く安全に」という考えで動いていました。いっぽうで、料理人は「おいしく、盛り付けを美しく」という視点。

料理人と給食調理員という、2つの職種が一緒に現場に立って、お互いの技に驚いていたんです。神山でも、それぞれの職種の持っているいいところを生かしたら、また素敵なことがおこるなと感じています。

(荒井)まさに、それは私たちが社食でやろうとしてきたことなんですよ。


<フードハブ食農教育部門で、学校と農体験とをつないできた樋口さんは、元小学校教諭で「白崎茶会」認定のパン先生。この春NPOを立ち上げる>

── 給食というと子どもたちの好き嫌いや、フードロスも気になりますよね。

(樋口)子どもたちは、知らない食べ物への警戒心があるように思います。けれど、野菜を自分で作ることを体験すると、一気に「身近なもの」に変わるんですよね。「美味しい」と感じる要素の一つに「身近さ」があって、それを感じられると、たちまち野菜と仲良くなれる。

ブロッコリーも、目の前に出てきたときに畑の様子を想像できると、味が違う。おいしさを感じる感性を育てるためには「体験できる場」が大事だなと思っています。例えば小骨のある鮎も、川で自分で捕まえて塩焼きにしたら、まるごと食べてしまいますよね。学校の先生方と一緒に、今後もNPOと連携してやっていけることがたくさんあると思っています。

──どんな調理チームにしていきたいですか?

(白桃)美味しいものを食べるのが好きで、食材にふれるのが好きな人と一緒に働きたいですね。

(荒井)前向きな人たちと、楽しい時も、困った時も、やっていきたいですね。僕はGoogleの時も、皿洗いをスタッフと一緒によくしていました。会議で話をするよりも、ポロっとスタッフの色々な気持ちが聴けるんです。何気ない会話から、良くしていくヒントを得られることが多いんですよ。


<フードハブの「つなぐ農園」は、約4.5haの農地と耕作放棄地を預かり、農薬や化学肥料を使用せず野菜を育てている>

さて、次は取材場所を町役場に移動し、後藤町長の思いを伺いました。給食事業を「フードハブ・プロジェクト」が担うことになった背景には、子どもたちの将来を見通した、町長の想いがありました。

── 後藤町長は、今回、どんな期待を給食事業に持っていますか?

(町長)鮎は、自分の育った川の水をたどって、海からまた故郷の川へ戻ってきます。感性の豊かな小中学生のうちに、子どもたちに神山の自然、神山の特徴を体の中、感性の中に入れておいてほしいんです。

神山の生徒も町の外へ出ていくことが多く、自然体験の機会も減っていました。でも、給食を通じて小中学校の9年間に、農や食の体験をしながら自然を知っていくことは、人生を生き抜く時の大きな力になるはずです。そしてまた、鮎のように故郷の川に戻ってきてもらえたらと思っています。

ですから、給食の食材の調達ルートが、子どもたちも作る人も、お互いに顔の見えるような状況であってほしいんですね。子どもたちが農地を耕し、種をまいて…収穫する過程に一部でも関われていたら、給食を五感すべてで味わえるようになるでしょう。

── 調理チームには、どんな期待を持っていますか?

(町長)時間が許せば、農家に会いに行ったり、田んぼや畑で子どもたちと一緒に農体験をする機会を持ってもらえたらなと思っています。農家、料理する人、それぞれの思いがこもった料理を、子どもたちが味わえることに意味がありますから。

同時に、私は子どもたちの給食だけでなく、町民のみなさんのための給食でもあってほしいと思っているんです。町の農家も高齢化が進み、耕作放棄地が増えるばかりです。現在、フードハブ・プロジェクトは4.5haの耕作放棄地を預かって、農業を担ってくれていますよね。今回も、「町内の農家を支援する」という大義があって、フードハブさんにお願いすることにしたのです。将来的には可能な限り、給食の食材は地産地消で調達したい、町の食料は町内で、という思いがあります。

…………………

まちの子ども達とまちの農業、自然を大切にしたいという温かな思いが循環する、神山町の給食。子ども達が笑顔で給食を味わい、感性を豊かにしていく9年間が目に浮かぶようです。

あなたも、町の未来をつくる調理チームの一員になってみませんか?正社員の料理人、アルバイトの調理スタッフ等を募集中です。

志望者の方には書類選考後、まず町を訪れて町の様子、子どもたちの様子を見てほしいというのが、荒井さんたちや町長に共通する思いです。
あなたにとっても、町にとっても、良い出会いとなりますように…!


募集要項

会社名 株式会社モノサス
募集職種 調理師2人、調理スタッフ4人
雇用形態 契約社員(調理師、正社員登用あり)、アルバイト(調理スタッフ)
給与・待遇 調理師:月給25万円~、アルバイト:時給900円~経験・スキルを考慮して決定)
通勤手当(社内規定あり)
各種保険(雇用保険、健康保険、厚生年金、労災保険)
制服貸与
仕事内容 小中学校の給食調理業務
仕込み・調理・洗浄・清掃・配送等
勤務地 徳島県神山町給食センター(徳島県名西郡神山町神領字西上角175-1)
勤務時間 契約社員(8:30ー16:30※シフト制で変更有)
アルバイト(9:00ー15:00※シフト制で変更有)
契約社員:フルタイム
アルバイト:週4日以上を希望しますが、別途相談可能
休日・休暇 土日祝日(春・夏・冬休み等、学校の休みに準じる)
勤務開始予定 契約社員:採用後、即日(遅くとも3月中旬〜)
アルバイト:2022年3月中旬〜
こんな人と
働きたい
様々な取り組みに、常に前向きでいられる方
多様な人とのかかわりの中で働く喜びを感じられる方
野菜など、食材にふれることが大好きな方
フードハブ・プロジェクトの考えに共感できる方
採用人数 採用予定人数 調理師2人、アルバイト4人
選考プロセス 一次面接(オンラインか現地)
二次面接(神山町を訪問していただき、現地にて面接)
二次面接では、応募者の方には直接現地を訪れ、神山町の様子など見て、ご自身でも、相性をご判断いただきたいと考えています。
問い合わせ先 株式会社モノサス 荒井茂太 arai@monosus.co.jp
志望者の方は「応募フォーム」へご登録お願いします。
参考情報
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Food Hub Project 神山 | 地産地食 Farm Local, Eat Local

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https://news.yahoo.co.jp/byline/kaikaori/20211215-00272688

「社会的農業がまちを将来につなぐ」
「社会的農業」がまちを将来につなぐ~ 「生活圏2050プロジェクト」#04(前編) |博報堂WEBマガジン センタードット (hakuhodo.co.jp

神山町での食農教育について
すべての子どもに農体験を「食農」プロジェクト | 神山町ふるさと納税 | 神山町役場 (kamiyama.lg.jp)

荒井茂太・monosus社食研事業開発マネージャーについて
日日是好日 ~ いままでとこれからと~ | 投稿一覧 | 株式会社モノサス- monosus in
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