エリザベス・ロス
Elizabeth Roth
2003

2003年度 神山アーティスト・イン・レジデンス招聘作家
2003/9/23ー2003/11/18 神山町滞在

ニューヨーク生まれ。スミス大学にて学士号、ウィスコンシン・マディソン大学にて美術学修士号を取得。ウォーカー・アートセンターやカタルーニャ玩具博物館をはじめ、数多くのコレクションに作品を出展している。ユーモラスに社会問題を描くという彼女得意の手法で‘Pink and Green:神山三十六景’を制作した。このインスタレーションでは、消費文化を象徴するハロー・キティーの巨大画とはがき大に描かれた風景画が対を成した。「見る人たちの笑いを誘うような作品を作ることによって、環境問題への関心を持ってもらえればと思います。何か方向付けがほしい時に、堅苦しいテーマを扱ったアートを見ていると、憂鬱な気分にさせられることが多々あります。‘Pink and Green:神山三十六景’では、みんなに環境への関心を高めてもらい、もうこれ以上ごみ埋立地を建設するのをやめて欲しいとの思いをユーモラスに伝えることができればと考えていました。」(→ Elizabeth Roth website)

神領小学校にて課外授業

 

Pink and Green:神山三十六景’

Elizabeth Roth “Pink & Green” 2003
神山の宝物、ふたつ。人びとの日常と、自然。彼女はそれを、見逃さない。ふたつの間、見えない地点に、本当の神秘があるのを。神領公民館に繰りひろげた、 ふたつ。描いたのは巨きな、携帯電話とキャラクターのイメージ。なぜって、現代の神だから。いつの時代でも、偉いのは生活神さ。そして北斎の、富嶽三十六 景をもじった、じつに怪しくも愛らしい、神山三十六景ミニチュア盆景。日本の「間の文化」をも、見事につかんだ。
(武蔵野美術大学芸術文化学科教授:新見隆)