Ivan Juarez イヴァン・フアレス

2017年 神山アーティスト・イン・レジデンス 招聘アーティスト

ブダペシュト・コルヴィヌス大学院にて造園学修士課程修了。アートと機能性、融合性、建築、風景、パブリックアートなど複合的にそれらの領域を超え、関係性を探るということに重点を置き、制作活動に取り組んでいる。自らの感覚や自然環境の相互関係を深く考察し、さまざまな状況や規模でその場所に応じた作品シリーズを制作。それらの観念から、彼の制作プロセスはその環境に密接に結びつき、その土地特有の概念や素材、技法との繋がりを表面化するものとなる。ヨーロッパ、アメリカ、アジア、アフリカなど各国で滞在制作を行う。ギャラリーや美術館での展覧会開催、さまざまな国際機関からの受賞歴を持つ。現在、アーティストとしての活動と共に環境学の教授を務め、またx-studio主宰。(→ Ivan Juarez HP)


 

IN BETWEEN
Hinoki + Sugi pavilion

大粟山の一角に佇む、杉を用いた横長の木の枠組み、In-between pavilion。この空間を形成する2枚の平板の支えとして、周りの風景に溶け込むように、複数のヒノキとスギの幹を垂直に配置した。森林との微妙な関係を感じさせる、このサイトスペシフィックな作品には、風景画の枠内に描いた日本伝統の墨絵への敬意が込められている。この作品は特定の枠内で終わらず、視覚的な境界を超え、三次元のキャンバスに描かれた空間として、風景と一体になって展開する。青石を通って中に入ると、木の芳香や音、樹皮の質感が鑑賞者の五感に訴え、嗅覚、触覚、視覚を通して、作品を体感することができる。

このパビリオンは、神山の森づくりプログラムのひとつとして、伝統的な技法を使い、地域住民の方々の知識と手を借りながら、実現した作品だ。

制作にご協力頂いた神山の皆様に心から感謝します。
展覧会場 : 大粟山

 

 


INNER RICE FIELD

段々と連なる棚田は、手入れされた森と共に、神山を象徴する風景だ。日本文化において重要な役割を担ってきた穀物である稲穂と、日本で何千年間も営まれてきた稲作への敬意を込めて制作した INNER RICE FIELDは、棚田が色を変え、稲穂が黄金色に波打つ収穫の秋に完成したプロジェクトだ。 稲刈り作業を通して作られた空所が作品となっており、自然のサイクルを表す田んぼ内のサークルは、風景を眺めながら、瞑想する場となった。

展覧会場 : 江田棚田
 

撮影:Ivan Juarez 


RICE FIELD ISLAND

RICE FIELD ISLANDは日本で何千年も営まれてきた稲作農業への敬意を表すランドアート作品だ。 まとまり、集まり、つながり、季節の巡りを表すシンボルとして、円盤を田んぼに設置し、黄金色の棚田風景を背景に瞑想する場を創作した。

展覧会場 : 西野間地区

撮影:Ivan Juarez
 

関連ページ
イヴァンの探検
制作過程

アーティストインタビュー(英語のみ)


2017年、フアレス氏が制作した大粟山13点目となる作品と、神山町上分江田で制作した作品が、シカゴ・アテネウム・建築とデザインミュージアム国際建築賞をはじめ、セルビア、イタリアの4つの団体から表彰された。※江田の作品は、稲刈り前の棚田に制作された期間限定の作品で、記録のみ残っている。

In between -sugi hinoki pavilion 2019 シカゴ・アテネウム・建築とデザインミュージアム 国際建築賞

アメリカ
 

Inner Field

2019 セルビア・ランドスケープ協会 第8回国際ランドスケープ・建築賞 グランプリ

セルビア
 

In between -sugi hinoki pavilion

2019 ザ・プラン建築デザイン賞 公共空間部門 ファイナリスト

イタリア
 

In between -sugi hinoki pavilion 

2019 アーキデイリー ビルディング・オブ・ザ・イヤー ノミネート


撮影:小西啓三
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