ジェイソン・イ
Jason Yi

2003年度　神山アーティスト・イン・レジデンス招聘作家
2003/9/23ー2003/11/18 神山町滞在

韓国ソウル生まれ。子供の頃(1975年)アメリカに移住。マルチメディア/インタラクティブ・インスタレーション、デッサン、写真、彫刻、ビデオなど様々な分野の芸術を融合することにより、生活の中から（アイデンティティ、文化、家族などの）思索の糸を探し、これを作品の中にさりげなく織り込み、見る人を考えさせるような視覚的な作品を制作する。神山の風景の探索や、地元住民との交流を通じて、３つの画面からなるビデオインスタレーションやデジタル写真を制作した。デジタル機能を使って制作したビデオ作品では、雨乞いの滝（神山町内）を背景に、町の住民たちによって日本の昔話「桃太郎」が語られている。写真作品は地元住民がポーズをとって、過去の賢人画家による南画を再現している様子を表している。両作品とも、時の経過や、人間と自然の切っても切り離せない関係を探求している。（→ Jason Yi website)

神秘の森で語りあう人々がいる。
何を？時を。私の時と、森の時を。そして、その交わりを。
彼らの時を超えた声が、写真から響いてくる。
町民体育館では、巨 大スクリーンで三方を囲った、映像インスタレーションが現れる。
桃太郎の御伽噺を語ってきかせる、少年。
じっと耳を傾ける、老婆。
でも少年の時と、老婆の 時が、時空を越えて交わりあう、宇宙の会話を聞いているのは？
それは、大きな音の聞き耳をたてて流れる滝のほうさ
(武蔵野美術大学芸術文化学科教授:新見隆）