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清水麻紀

2016年 神山アーティスト・イン・レジデンス 招聘アーティスト

茨城県出身。筑波大学美術学士号(版画科専攻)、ドイツのビーレフェルド専修大学でデザイン修士を取得。2006年よりベルリンを拠点にドローイング作家として、アート、イラストレーション、コミック、ライブイベント等多分野で活動中。スケッチを通して日常や生活の一こまを観察、表現することがライフワークの一環で、アートがダイレクトに社会と接点を持つこと、そのひびきに関心がある。大胆かつシンプルな線と色面からなる構図の表現の中に、絵という二次元のメディアを通じて感動を共有することを主題としている。時代や文化背景等の様々な壁と境を超えた制作活動と活発で行動的な性格から、これまで世界各地で多くの評価を得、近年では展覧会や出版にとどまらず、講演会やワークショップでのアート交流とアート教育の新たな可能性について模索している。現在はベルリンの共同アトリエでフリーランスとして様々なプロジェクトに参加する一方、美術大学の非常勤講師と小学校の美術担当。
(テキスト:2016年)

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■KAIR2016  作品

神山かるた

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かるたという、日本で昔から親しまれて来た絵札と読み札からなる日本の遊びを表現のメディアとして注目し、アートのためだけのアートでない地域や社会、生活の中での生きた芸術の有り方を模索。詩とことば、絵と文字、という日本独自の文化の面白さに注目し、神山の内と外からの両面のアイデンティティを視覚化。地場産の素材(和紙•材木)を使った表現方法の可能性、伝統的な水性木版画の版木を神山メーカーズスペースの所有するレーザーカッターで加工する実験的な取り組みを通じ、地域の個性をいかしつつ、伝統と最新技術の融合、さらには経済や産業とも関係のもてるアートの可能性を探索した。
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読み札と絵札の両方を通し、言葉のリズム、短い詩に込められた思いや笑い、地域に特化したテーマ等を、カードサイズのイラストレーションで表現。
神山の寄居座や多くの神社の天井にみられる正方形の板張りに描かれた絵に注目し、かるたの札を通常の長方形でない正方形にしたことで神山により特化した個性的なかるたを目指す。絵札にみられるドローイング•イラストレーションの表現も、神山や徳島で鑑賞してきた文化的で洗練されたモチーフにヒントを得、和の要素に洋を取り入れつつ、版画という表現の性格も加味しながら、モチーフを簡略化することでより抽象的な表現が生まれた。
遊びを通したコミュニケーションから、社会の中でのアートの響き、余韻を味わいたい。
「かるた」を表現媒体のメディアとして、アートのためのアートでない、社会、生活の中での多角的な可能性を探る。

囲詩
GRID POEM

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(清水麻紀 / 2016)