内海聖史
Satoshi Uchiumi

2007年度 神山アーティスト・イン・レジデンス招聘作家
2007/9/1ー2007/11/9 神山町滞在

1977年茨城県生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科修了。2007年新進アーティストを支援する『第 1回シセイドウ アートエッグ』の一人に選ばれ る。絵画の美しさは絵の具自体の美しさだと考え、絵の具の有る関係性を、鑑賞者と展示空間も含めて模索しながら制作している。KAIRでは、大きな絵画が 出来上がるまでの時間を共有し、絵の具や絵画の美しさを共に感じてもらいたいと考えている。「何かの美しさに気付く事は、また別の何かの美しさに気付く事 でもある。」 千葉県船橋市在住 ( →内海聖史HP )

 


劇場「寄井座」にて、制作風景 (2007)

作品一覧
Artist Statement

 

仰望の色 Eye Opener

内海聖史 “仰望の色” 2007   ©2007神山アーティスト・イン・レジデンス

内海聖史 “仰望の色” 2007   ©2007神山アーティスト・イン・レジデンス

仰望の色
Eye Opener

絵画には特有の、絵画にしか無い空間があります。
そして、僕はその絵画によって造られる空間を美しいと感じています。
絵画が美しいと感じるには、絵画が存在する状況の影響を考えずには成り立ちません。
美しい山々の自然、清い鮎喰川を有する神山町。
その地で長く町民の娯楽を支えた思い出の廃劇場「寄井座」。
そして、電灯も無く複雑で損傷の激しい寄井座。
僕はその場所で、絵画と絵画による空間の成立を目指し、寄井座と絵画の美しさが両立する状況に向かって献身しました。
作品のサイズも位置も色彩も構図も全て、寄井座と共存する為に選択された物です。

何よりも僕の制作を後押しして下さったのは、神山町民の皆様の温かな善意です。
毎日僕のアトリエを訪れ、気にかけて下さった方々の善意が、僕を毎日の制作に駆り立て、質の高い制作に向かわせてくれたと思います。
一緒に空間の完成を喜んで下さった事は、何よりも僕の勇気になりました。

神山町で得た様々な絵画の状況。
絵画が空間と鑑賞する身体と共にあるという事についての経験は、今後の制作に重要な影響を及ぼすでしょう。
感謝を持ってその経験を生かし、さらに美しい絵画を制作出来るよう努めたいです。
(内海聖史、2007)

 

 

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