
ストレイドム・ファン・ダ・メルヴェ
Strijdom van der Merwe
2003年度 神山アーティスト・イン・レジデンス招聘作家
2003/9/23ー2003/11/18 神山町滞在
1961年南アフリカ共和国生まれ。南アフリカ、チェコ、オランダで美術を学ぶ。ランドアーティストとして、現地の材料を用いた作品を制作する。木、砂、葉で作ったこれらの非永久的な作品は写真として記録される。神山レジデンス期間中には風景美を利用した多数のランドアート作品を制作した。川や山や森に制作したこれらの作品の写真は現在KAIRの永久コレクションとして展示されている。
現地の青石を用いた永久設置の作品は森林に10個の石のサークルを形成している。石にはそれぞれ等高線をイメージしたラインが刻まれている。サークルの中心には平らな石が置かれ、‘Contouring lines on stones to hold human time'という作品名が刻まれている。ストレイドム・ファン・ダ・メルヴェの作品は自然美を称え、見る人に我々を取り囲む移り行く自然のはかなさを再認識してもらう事をねらいとしている。(→ Strijdom van der Merwe website)
→ 作品一覧
“Contouring lines on stones to hold human time”
“Winter Shadow”
“Sleeping Forest”
森は眠る。夜と昼を眠る。人間よりも、もっと人間らしく。
宇宙の子供のように、そして、眠らない人が精霊を呼び出す。大粟山を領する森の精。
土地の霊を喚 起する、古代的で、モダンな、大インスタレーション。
頂上には、ふたつに割った青石が、サークル状に並ぶ。古代日本も、石を割って霊を宿らせた。
斜面に、 ケヤキの枝を編んだ、森の女王の棺が、陽にあたって横たわる。
森に野性をとりもどした子供たちの歓声が、こだました。
(武蔵野美術大学芸術文化学科教授:新見隆)