
「うみのはなし」
Diary 2013.3.12
こんにちは、安岐です。 もう始まってしまっているのですが、八戸市のまちづくり文化推進室とこの一年対話しながらすすめてきた展覧会「うみのはなし」のご案内です。
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「うみのはなし」
~土地を歩き、人を訪ね、風に耳をすまし、路をつなぐ~
会期/2013年3月9日(土)~3月17日(日)※会期中無休
時間/11:00〜20:00
会場/八戸市三日町AXISビル1Fギャラリー
主催/八戸市 協力/AXISビル、小野画廊、いわとくパルコ、八戸中央ビル、八戸工業大学、(株)アート&コミュニティ
関連イベント/プレオープントークショー
3月8日(金)18:30〜19:30
会場/八戸市三日町AXISビルB1F
出演/安岐理加(美術家)
小坂勝義(第43代青森県民謡王座)
涌坪敏明(八戸水産事務所水産課長)
うみのはなしについて
八戸の中心街は、古くから商業・文化・交流といった人々の暮らしの中心であり、海や山で取れたものが集まり、市(いち)に並べられ、各方面から集まる人々の手に渡っていく場所として長い間賑わってきました。この度八戸市は、様々な人や物が集積する「中心街」という場所の本質をアートの視点から見つめなおすプロジェクトを実施します。 このプロジェクトは人々の暮らしが重ねてきた歴史と海と街と周辺地区との関係に視点を置き、対話するプロセスをふまえ、街が持つ魅力を見つめなおし、アートを通して中心街を元気にする試みです。 自らの足でまちを歩き、社会と個人との狭間において対話し、紡ぎ、表現活動を行う美術家の安岐理加氏に平成24年3月から数回に分けて訪れていただき作品の製作を行いました。 安岐理加氏の数回の滞在によって制作された、「八戸の土地を歩き、人々から話を聞き、暮らしと海とのつながりを辿り収集した映像」、「八戸工業大学の学生達との協働によって制作した今も昔も変わらず土地に吹風を視覚化する装置」、「人の暮らしを表象としての造形物」を組み合わせたインスタレーション作品「うみのはなし」を、中心街の空き店舗と建物の隙間を縫い合わせるように走る路地において設置し、公開する展覧会を開催いたします。 わたしたちは今回の試みによって、日々の暮らしの中で何気に見ている、関わっているまちの風景への新たな視点・気付きが起こり、まちの中にアートの力で新しい場の価値を創出し、光が灯ることを願っております。 八戸市まちづくり文化推進室(フライヤーより抜粋)
強く吹く風。市の立つ日にちの名前がついた通り。朝早く人が賑わう市場。縫うように歩くことが出来る建物と建物の隙間のような路地には昼も夜も人が行き交う生活の場があること。そしてさらに路は、中心街から海へ山へと、地の形に沿いながら伸び、彼方此方に暮らすことの実践の跡を残し、人々の発明と表現は、時をかさねて今の私たちに届けられていること。
人は土地に足をおろすとき、何らかの造形活動をおこなうのだと思います。それは大げさな事ではなくとも、例えば、始めは荷物を降ろして、配置するだけのことかもしれない。それが、ずっと同じ場所に居つづけると、やがては自分の外側の、つまり周囲の環境を整え、他者との関係性を築き始め、困難な事がおきれば力を合わせてそれに対応し、喜びを共に分かち合い、様々なことを共有し始める。そういった事の、幾度もの繰り返しの過程で遺されてきた造形に他者が触れるとき、異郷に辿り着いた者は出会う事もなかった人の暮らしを知り、意志をうけとる。そのとき造形は表現となり、此方と彼方を媒介する事物になる。此方と彼方は一方通行ではなく、互いに共鳴し、ゆるやかな道筋が走り始める。人の移動に伴って、造形活動も移動し、また何処かで此方と彼方の媒介が起こる。
わたしはこのまちを歩くごとに見えてくる景色に駆り立てられて、少しもじっとしてはいられませんでした。その慌ただしく充実した日々で目の当たりにする出来事は、違う土地で起きている事とのつながりを感じて止まない出会いでした。そして、絶対的な他者である私がこの土地を歩き、見て、聞いて、話すという対話を経て、この土地の暮らしを知り、記憶に共鳴した後の造形活動を「うみのはなし」に記すことにしました。
今回、このような機会を与えてくださった皆様、そしてこの場に訪れてくださった皆様に心から感謝いたします。 安岐理加 (フライヤーより抜粋)
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遠く北の地での展覧会のご案内で恐縮ですが、いつか作品の報告ができたら嬉しいです。
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