神山の味
神山には、地域の食文化を受け継いできた「生活改善グループ」という会が長年続いており、1978年に同グループが『神山の味』という郷土料理と食文化の本を出版しました。
地元の人たちが家庭内で受け継いできた料理のレシピが集められ、伝統の味を大切にしつつも現代でも再現できるよう、料理のコツが添えられるなど丁寧な説明で書かれています。
出版当時、ふるさとの味を忘れかけようとしている社会背景があり、「次代に伝えなければならない…」という人々が立ちあがり、ふるさとの味を掘り起こそうという機運が地域の夫人から高まったそうです。
フードハブ・プロジェクトは、『神山の味』から学び、これまでの郷土文化を活かし、地域の人たちと協力し料理だけにとどまらない、土地の文化と人と食をめぐるものづくりに取り組んでいます。
神山にある田畑の風景は、地域に農業が存在することで守られてきた景観です。全国的に農業者の高齢化が進み、神山の農業従事者の平均年齢も70歳代となっています。社会的にも、後継者不足による耕作放棄地の増加、それにともなう鳥獣害の被害などが大きな問題になってきました。そうした状況を背景に、地産地食を軸に、地域で育て・地域で食べることで関係性を豊かにし、神山の農業と食文化を次の世代につないでいくことを目的としている「フードハブ・プロジェクト」を開始しました(2016〜)。
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フードハブ・プロジェクト
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