今年、第4期の入居募集をむかえる「大埜地の集合住宅」。保育所や学校も休みだったこの1〜2ヶ月、ここで暮らす家族のみなさんはどんな様子だったか。最近は周囲の草抜き(選択除草)でもいそがしい、担当の高田友美に聞いてみます。

── 3月末、神山町で1名の感染が確認されましたね。大学を卒業して、ご実家に戻っていた人(PCR検査を経て4/12に退院済)。現在の感染数はゼロですが、集合住宅で暮らす方々にも、なにか影響はあったかな。

高田 どうでしょうね。月に一度の入居者ミーティングは、密度も高くなるのでお休みしているけど。具体的な不安の声は耳にしていない。保育園や学校が休みだから、子どもたちがずっとお家にいるんですよね。3期の入居者さんも揃って、子どもの数がだいぶ増えて。

── 何人くらい?

高田 生まれたての赤ちゃん・3人を含んで、子どもは18人かな。

── 多い!

高田 多いんですよ(笑)。男の子たちは一緒に走り回っている姿をよく見かける。ゾロゾロ駈けてゆく姿も楽しくて、三輪車・キックボード・小さな自転車・スケートボード、いろんな乗り物が連なっていて(笑)。女の子たちも、しゃがんで花輪をつくったり、庭先にテント張ってなにかしている。

── 「年代の近い家族が近くで暮らすことで、子どもたちが身体をつかって遊べる時間が増えたり、新しい兄弟関係も生まれたり」という期待があったけど、実現しているんだ。

高田 しているんですよ。まだ工事中の建物も近くにあるので、安全性には気をつけないといけないけど、「ジーッ」「トントントン」って働いている様子を子どもたちもよく見ているみたい。最近移り住んできたある子どもは、「いちばん最初に出来た友だちは大工さん」と言ってました。

── 入居者ミーティングでギュッと集えないのが、残念と言えば残念か。

高田 4月は一度休止になったけど、5月は形を変えて開催されるんじゃないかと思います。青空の下でとか(笑)。

住民さん同士のLINEグループに入れてもらっているんですけど、流れてくるものを見ていると面白い。たとえば「かまパン」(近くのパン屋さん)から「このあと行商に行きます」「場所はA棟のあたりで」と流れてきたり。「大量の人参をもらってしまったので誰か持っていってくださいっ!」とか。オフィシャルな集いと別に日々の交流がちゃんとあって、いいなあと思う。

最近入居した2家族と「キエーロ」(厨芥屑を生分解してくれる庭先の工作物)づくりのワークショップを開いたんです。本橋さん(第1期入居者、本職はシステム・エンジニア)が講師役をつとめてくれて。

最初はコンプレックス(神山のコワーキングスペース、モノづくりの機器も揃っている)で組み立てて、集合住宅に運んで設置を始めたらいろんな人が寄ってきて。「えー、それ噂の?」とか言いながら、大人も子どもも混ざって10名くらいになって。楽しかった!

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他愛ないつながりが、ちょこちょこあるのはいいことですよね。日常的な関係は、なにかあったときよく機能するんじゃないかと思う。

今年は第4期(最終期)の入居募集の年。受付時期は夏〜秋。その頃この「大埜地の集合住宅」の子細や、暮らしぶりがわかる機会が、いくつか公開される予定。開催情報など受け取りたい方は、神山町役場サイトのピックアップ・ページにあるフォームで連絡先をご登録ください。

登場した「キエーロ」に関心のある方には、「キエーロ神山クラブ」のTwitterアカウントもお薦めです(本橋さんが中の人)。