神山で地場産業をつくりたい
終了2019年8月20日
神山の杉を使ったコップやお皿などの器作りやアロマオイルの商品開発・販売を手がける「神山しずくプロジェクト」。地元の杉を使った商品作りを通して、山林の間伐を促し、山の保水力を高め、川の水を増やし、神山の山や川を守っていきたいという想いを元に取り組んでいます。
2019年6月にイタリアの国際的なデザインアワード「A’ Design Award & Competition 2019」で代表・デザイナーの廣瀬圭治さんがソーシャルデザイン部門の金賞を受賞、2017年にはグッドデザイン賞を受賞するなど社会的な評価を受けています。
今回、ギャラリーショップのスタッフを募集しています。共に働くことになる渡邉朋美さんに仕事内容だけでなく、「神山しずくプロジェクト」がどんな方向性を目指しているのか、お話を聞きました。
続けることに意味がある
この半年くらい、「神山で100年企業をつくろう」という言葉を社内で使っています。今は7年目です。長い目で事業を捉えているのは、私たちの扱っているものが自然そのものだったり、山、水に還元したいという思いがあるからです。続けていくためには職人を大事にし、技術をつなぐことが大切になります。そのために職人育成も始めました。若手の職人を育てる中で「私たちは、小さい地場産業を作ろうとしてるんだ」と気づきました。工場も造り、いつも協力してくださる地元の製材所の方をはじめ「しずくファミリー」と呼んで、長く続ける基盤を築くためのスタッフ・職人・外部のクリエーターとのチームづくりも非常に大切にしています。
工場の前で関わるメンバーが集合
接客で大事にしていることは
当事者になることかなと思っています。今ここにある商品をお客様に一万円で売る仕事ではありません。材料はすべて元々神山に生えている木で、一年半乾燥させる工程も含め約2年がかりで作り、ようやく商品になります。私たちの後ろには職人の歴史やプロジェクトにかける想いが全部あります。それをお客様にわかりやすく伝える係なので、お客様にとってはここが入り口。作る側と使う側をつなぐ橋渡し役です。自分も商品を作る一人として携わる当事者になる。そのために、山にも入るし、職人の現場にも行きます。すると、それが経験となって、段々と自分なりの言葉で話せるようになります。その体験談は、聞く人の興味を引き、しずくのファンが一人また一人と増えていくきっかけになります。
林業家と木を伐ることも
泥臭い仕事も
小さいチームなので何でもします。今回の求人は接客・補助と掲げていますが、商品の検品もあります。一個一個外側、内側、底と一つずつ、目を凝らさないと見えないようなレベルで、何十個単位でチェックします。他にも商品を入れるギフトボックスが湿気ないように多種ある資材にそれぞれ吸湿剤を入れて保管します。神山は梅雨時から夏にかけて湿度の高い地域ですが、いざ箱が湿気でくたびれていたら、お客様が困ります。とても地味で小さなことですが、お客様からいただいた信頼とブランドを守るために欠かせない仕事です。
ネットショップでの販売商品の発送業務は、手書きでメッセージを添えることもあります。短くてもそれぞれ自分の言葉を書くことを心がけています。ルーティンの作業も多いので、より良い方法など提案してもらえるくらいの方が助かります。
一つの杉から手作業で削り出して作るしずくの器に同じものはありません。同じサイズでも木目や雰囲気が微妙に違ったり、全く違ったりもします。楽しそうに選ばれる方も多く、なかには「この子にします!」ともはやモノではなく相棒になっている方もいて、なんとも嬉しい気持ちになることもあります。
最近、20代の息子さんからぐい呑みを贈られたご夫婦から、「大阪府北部地震の時に欠けてヒビが入り使えなくなったけれど、どうしても捨てられない」という相談を受けました。「直せるかもしれません」とお預かりし、職人の技術で見事修復に成功しました。元に戻すのではなく、少し雰囲気が変わり生まれ変わる、という感じです。お客様からは「息子からの記念の品に対し、またひとつ思い入れが増え、さらに感慨深いぐい呑みとなりました。一生の宝物として大切にしていきたいです」とお声を頂きました。
器が起点となり、素敵な関係や思い出が紡がれていくのに立ち会えるのも、大きなやりがいですね。
神山しずくプロジェクトを運営するキネトスコープ社のオフィス
「仕事と暮らしの両方の質を上げる」という会社のコンセプトがあり、今年は5月のゴールデンウィーク後に1ヶ月間全員で休暇を取りました。音楽フェスのボランティアスタッフを経験した・実家にゆっくりと帰省できた・幼馴染と久しぶりに旅行した・ただただ仕事がない日常を満喫したなど、長期休暇の良さを実感し、毎年恒例にすべく、メリハリをつけて仕事をしています。
それぞれがやりたいことを実現するための仕事でもある、ということも忘れずに、個人の”やりたい”も尊重できる環境づくりを目指しています。
規定のものを守っていくという仕事ではなく、これからのスタンダードを作っていくという気持ちでやっています。成功事例と言われることもあるのですが、決してそういう風には思ってはいません。色んなことが始まったばかりです。
・渡邉朋美さんが登場する記事
徳島県神山町に移住した私憧れた都会を離れて見つけた「居場所」
神山しずくプロジェクトのショップギャラリーが入る古民家
仕事内容 |
接客、在庫管理、ネットショップの発送業務、エッセンシャルオイルの製造補助 ※将来的に企画、発信などご興味のある方は、ご自身のやる気次第でお願いしたいことがあります。 |
求めている人 |
・しずくプロジェクトの取り組みに共感していただける方 |
必要な資格 |
・普通自動車免許 |
勤務日 |
水曜日〜日曜日 ※月・火休み(祝日は出勤・振休あり) |
勤務時間 |
10時〜18時(休憩は適宜) |
給与 |
応相談 |
応募先 |
郵送あるいはメールにて受付。
宛先:〒771-3310 徳島県名西郡神山町神領字本上角90番地 |
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