アダム・アヴィカイネン 
Adam Avikainen

2010年度 神山アーティスト・イン・レジデンス招聘作家
「ぼかしの機関車 Indigo Engine」
2009/1/20 - 2009/3/21 Bed&Studioプログラム参加
「Chance Gut Flora」
2009/8/06 - 2009/10/29 Bed&Studioプログラム参加
「台風カレー・地殻ラザニア」

アメリカ・ミネアポリス生まれ。
南カリフォルニア大学を経て、ミネソタ州立大学卒業、フィンランド・アートアカデミーにて修士号取得。
オランダ、アムステルダムにてDeAteliers、またCCA北九州にも参加。台北ビエンナーレ2012参加。
現在は、ヨーロッパ、アメリカ、アジアを中心に世界各地で、制作、発表している。“Monitor(ローマ)”、“GMVZ(アムステルダム)”所属。

→Adam Avikainen (Monitor)
→Adam Avikainen (GMVZ)

adam avikainen “台風カレー・地殻ラザニア Typhoon Curry, Tectonic Lasagna” 2009  撮影:小西啓三 ⒸKAIR

■KAIR2009 作品
"台風カレー・地殻ラザニア Typhoon Curry, Tectonic Lasagna"
作品展示場所 上演:小野さくら野舞台、展示:上一宮大粟神社)
作品サイズ   6.5×1.5
使用材料    襖、アクリル

前回(2009年1~3月)の神山滞在の時に、襖絵を実際に見る機会がありました。神山町では、文化財である襖絵を薄暗い神社やお寺の中で保管するのではなく、今日でも実際に「からくり」や「人形浄瑠璃の背景」として使用している事を、そこで知りました。私はその事実に強く惹かれ、機会がもしあるなら、かつて絵師達がこの地(神山)に滞在し、襖絵を制作したように、自分も襖絵を制作できないものか、思い描くようになりました。

私の絵画は、ある時には自分の想像上の物語と共に膨らみ続け、またある時にはその形を変え続けます。今回、2ヶ月半をかけて制作した襖絵は、「Cook Book(料理の本)」と題する絵画シリーズ中の"2つのレシピ"を表現したものとなりました。

カラフル面『台風カレー(Typhoon Curry)』、モノクロ面『地殻ラザニア(Tectonic Lasagna)』の表裏の"2つのレシピ"は、この数ヶ月の間に、私の体験した自然災害がもとになっています。前回の神山での滞在後に訪れたローマでの地震を表現する『地殻ラザニア(Tectonic Lasagna)』。今回の神山滞在中に体験した台風9号による大雨時、宿舎脇を流れる川の水位がみるみる間に上がり、道路には近くの材木置き場の丸太が流れ出し、今までに私が体験したことのないこの出来事を『台風カレー(Typhoon Curry)』で表現しました。

この貴重な滞在制作、また発表の機会を与えてくださった事に心より感謝すると共に、この襖を神山に捧げます。