シャーロット・マグゴーワン-グリフィン
Charlotte McGowan-Griffin
2004

2004年度 神山アーティスト・イン・レジデンス招聘作家
2004/9/24ー2004/11/24 神山町滞在

イギリス・ロンドン生まれ。1997年ロンドン・ゴールドスミスカレッジ美術学科卒業。最近は投影像も用いながら、様々なスケールの切り絵作品を制作している。モチーフには超自然なものを頻繁に使っている。
彼女は、神山に数多く残る人形浄瑠璃の襖絵や、神山の民話から作品の構想をつくり、制作を行う。今回、切り絵の作品の裏側から光をあて、前面に配した障子紙に影を映し出す手法や、ビデオプロジェクターを用いる手法を初めて試みた。(→ Charlotte McGowan-Griffin website)

神領小学校にて課外授業

You can't take it with you (ここに留まるもの)

Charlotte McGowan-Griffin “You can’t take it with you” (2003)

障子に映し出される影絵の美しい明暗のニュアンスから、さまざまな音が聞こえてくるようだ。コオロギの鳴く声や懐かしい風鈴の音、鯉がはねる池の水、林を わたる風の感触。眼にし、肌で感じた異国の情景が、俳句のように紡ぎだされていく。カッテングの驚異的な手法と証明の妙が、何層にも重なった民話を蘇ら せ、豊穣な実りをもたらす。光と闇の舞台『郷愁』は、土間に彫られた永久劇場のように、出会った人々に国境を越えた幻想をプレゼントする。(武蔵野美術大学教授 岡部あおみ)