
夏休み恒例!今年も『助っ人大学生企画』を開催しました
学び2025年9月16日
遡ること8月。
今年も、神山町出身の大学生たちと町内の小学生に向けた場をひらきました。
イベント形式で開催するのは今年で3年目。3年前から変わらずスタッフとして活動してくれている大学生たちは、すっかり力をつけ、とっても頼もしい存在になっています。
通称「助っ人大学生」と呼ぶこの取り組みは、今年で5年目を迎えました。
もともとは、高校や大学への進学を機に神山町との関わりが途絶えたり、薄くなってしまった若者の「長期休暇などを利用して、地元と関わりたい」という思いと、小学生の子どもを持つ保護者の「夏休みの宿題を手伝ってほしい」という声から"宿題応援企画"として始まりました。
そこから年を重ねるごとに、学生が主体となって企画するイベントの形へと変化していき、ここ数年は、毎年夏休み恒例(?)のお楽しみ企画として大学生たちが場を作り続けています。
企画が動き出したのは、3月ごろ。
「今年もやります!」と集まったくれた4人とともに「どんな場を届けられるといいだろう?」と検討を始めました。
4人中3人は今も神山に暮らしていますが、実習で長期間県外に出ていたり、進学先の県外で暮らしているメンバーもいたりと、全員が対面で集まるのは難しい状況。そのためオンライン通話を活用して、週に一度集まり、話し合いを重ねていきました。
彼ら自身も3年目の活動となる今年、今までと大きく変わった(変えた)点が「なるべく自分たち(大学生たち)の力で形にしていく」というプロセスを踏んだことです。
昨年までは、伴走スタッフであるわたしが「企画作りの型」のようなものを示し、そこに大学生の意見を当てはめるように進めていました。それが間違いというわけではないのですが、どうしても私の考える「こうあるべき」にみんなを寄せていくような進め方をしてしまったのでは、という反省がありました。
そこで、今年は進め方を見直し、
「ミーティングの進行は基本的に大学生スタッフに任せる」
「わたし(伴走スタッフ)は口出しをしない」
「ただし、本当に困った時や必要だと判断する場面では適切な声掛けや関わりをする」
という前提をあらかじめ大学生たちにも共有した上でスタートしました。
最初のうちは、みんな探り探り。話が煮詰まりそうになると、「助けて」という視線を向けられることもありました(笑)。
こちらもついつい「こうしたらいいんじゃない?」と言ってしまいそうになりますが、わたしが口を挟んでしまうと、きっとその意見にみんなが引っ張られてしまうので、ぐっとこらえ、見守ります。
じっと静観していると、ある時ふいに「自分はこう思うけど、〇〇はどう?」と問いが生まれたり、また別のメンバーが「別の視点から考えると・・・」と議論を一段階深めたり。正解がない中で、それぞれの考えや思いを軸に、自分たちのの力でなんとか一つ一つ前に進めていこうとする彼らの姿が見られるようになりました。
「一般的にこうした方がいい」とか「こうあるべき」というようなものに頼るのではなく、「わたしはこう思う」「わたしたちはこうしたい」で作っていく企画には、彼ら自身の思いもしっかり乗っかっていくと思います。なにより、企画が”自分のもの”になります。
そんな企画づくりの面白さを、感じてくれているといいなと思いますし、この経験がこれから先の彼らの自信になっていればなによりです。
また、最近の夏は異常ともいえる猛暑日の連続。
イベントを運営する上できちんとした対策を練ること、そして、もしもの時に対応できる知識を得るために、熱中症の勉強会も開催しました。協力してくださったのは『おうち診療所 神山』で看護師として働く、佐々木春菜さん。
「そもそも熱中症とは?」という前提から、どんな症状が見られるのか、その時々で必要な対処は何か?など、たっぷり聞かせてもらったことで、「熱中症に気をつけないとね」という漠然とした意識から「◯分置きに、涼しい部屋で休憩を取ろう」「朝、集まった時に朝ごはんを食べてきたか聞いてみよう」など、具体的な対策案を話し合うことにつながりました。佐々木さん、ありがとうございました!
そうして迎えた、イベント当日。
昨年同様に、広野小学校の校舎を使わせていただきました。
今年のテーマは「神山ふしぎ発見!」
校舎内に散りばめられた謎を解いて回ったり、家にあるものでできる化学実験、そして大学生と小学生で本気で取り組む運動など。盛りだくさんのプログラムでした。
当日スタッフとして、神山出身の10代〜20代(高校生・高専生・大学生・社会人)合わせて7人が加わってくれて、運営スタッフは総勢11人に!スタッフ同士でも「初めまして」と新たな交流が始まったり、「ひさしぶり」とつながり直す機会にもなっていました。
ちなみに、子どもたちに特に大人気だったのが、スライムです!
お昼休みの時も、帰る間際の振り返りの時間も、ひたすらスライムで遊ぶ、遊ぶ。きっと家に帰ってからも遊び続けていたという子もいるでしょう(笑)。
プログラム終了後、保護者の方からは「家に帰ってから、どんなことをしたのかたのしそうに話してくれました」という声が届きました。子どもたちにとっても、きっと充実した時間になっていたはず。たのしい思い出の一つとして、この時間が心に刻まれているといいなと思います。
夏休みの恒例になりつつある「助っ人大学生」の企画は、小学生にとっては普段はなかなか出会えない少し年上のなお兄さん・お姉さんと出会える場に、大学生にとっては町と関わり続けるきっかけに、そして若い世代が集まり交流する大切な時間になっています。
今年のスタッフは「来年もやれる形で頑張りたい」ととっても前向き。同時に、当日スタッフとして参加したメンバーへとこれからバトンが渡っていくのではないかと思います。
来年はどんな夏になるのか。楽しみにしていただけたらうれしいです。
そしてこの記事を読んで「わたしも一緒に企画作りをしたい!」と思った神山出身の大学生や専門学生のみなさん、
もちろん大歓迎です。ぜひ、神山つなぐ公社までご一報ください。お待ちしています。
このイベントは、まちを将来世代につなぐプロジェクト第2期の「ひとづくり」領域で始まった「助っ人大学生」の取り組みの一つです。
助っ人大学生とは、神山町出身の大学生が長期休暇の帰省時や、休日の時間を利用して、まちの子どもたちに関わる活動です。町外や県外への進学後も、神山町と関わりを持ち続けたいと思う大学生と、まちの中から放課後の遊び場や多世代で行う活動が減ったと憂う保護者の声から生まれました。
<2024年/助っ人大学生企画レポート>
▼普段、神山でできない体験をしよう!/助っ人大学生
https://www.in-kamiyama.jp/diary/82969/
<2023年/助っ人大学生企画レポート>
▼「学校の垣根を越えて仲良くなれるように」神山出身の大学生がひらいた、小学生の交流イベント
https://www.in-kamiyama.jp/diary/77138/
▼“大学生と見つけよう!神山のいいところツアー”を終えて
https://www.in-kamiyama.jp/diary/76562/

kuronaga
くろなが ゆきの/山口県下関市出身。2022年4月〜2024年12月まで神山つなぐ公社に所属していました。現在も、外部パートナーとして一部の事業に継続して関わっています。
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