1日間の冒険。

アート2009年6月6日

投稿者:早渕


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先月5月31日。来年開催される瀬戸内国際芸術祭への出品を希望する作家を対象にした現地説明会が開催されました。

公募はこれからなのですが、その前に現地での説明を聴きに行く事に。案内は芸術祭の総合 ディレクターの北川フラム氏。展示会場となる瀬戸内の島々のうち今回は4つを巡りました。

まず訪れたのが安岐さんのふるさと小豆島。

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会場となる空き家などをフラムさんが順番に説明していきます。各会場の前で熱弁を振るわれていました。

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指差しているのは今は使われていない小学校。今回の会場となる場所らしいのですが、公共の場所以外は、これから時間をかけて持ち主の方と交渉に入るそう。
それ故に「ここは会場となるかも知れません。」(?)と言った風な説明がかなりありました。自分も神山で展覧会をする際に参加する作家に不確定な説明をかなりしてしまったのですが、そう悪くなかったのかもしれません(笑)
しかし、それらは準備が遅れているという訳ではなく、フラムさんをはじめ運営メンバーらの、大きなプロジェクトであろうと、押し付けずに、どんなに時間をかけても住民には理解してもらいたいという真剣さからでした。

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棚田を抜けて次の見学場所へ。話には聞いていましたが、実際見てみると小豆島の棚田は圧巻でした。写真に写せたのはこれでもほんの一部。
40〜50名の作家が参加していたと思いますが、これだけの作家が棚田に列を作る光景は何とも不思議。

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先日、イン神山の小豆島の記事でもあった2カ所の農村舞台を見学しました。

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農村舞台の近くも散策しましたが、天候も手伝って何ともいえないいい空気を吸えました。

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続いて2つ目の島、豊島へ。この日の海は波も風も穏やか。


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到着すると早速島巡りです。作品設置の候補地を案内してくれました。
先ずは細い路地へ。

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車の通らない小さな道沿いにはきれいな石垣が点在していました。

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突然現れた行列に驚いたのか住民の方が顔を出しました。
「どこから来たんで?」
「東京からです。」
から小さな交流が始まりました。島の歴史、公害の事、島民の方から色々教えてもらう参加者も。

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何とも心のほどけるような町並みでした。内藤礼の小さな美術館もこの町の外れに建つのだとか。

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お昼は島のおばちゃんたちの手料理をいただきました。気合い入ってます。

豊島に入ってまず最初に聞かされたのは公害の歴史。そのイメージから昔は豊島産の物は避けられていたのだとか。ひどい時には、豊島産の物を小豆島に持ち込んで小豆島産として売っていたほど追い込まれていた過去もあったそうです。
その時代の島の窮状を聞いた後、料理を頂きましたが、魚も米も味は抜群!
もったいない事をしていたと思います。
よく見ると箸袋も手作り。

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そして、次に訪れたのが男木島。ここは町並みが本当に面白い!
和風のモンサンミッシェルのような島。島の側面を民家が覆うように建てられているのですが、その丘の頂上が神社になっています。

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町の入口は鳥居になっています。ここから町がスタート。

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上へ上へと道が複雑に入り組んでいるのですが、どの道を選んでも頂上の神社に行き着くようになっているようでした。帰りに適当に道を下りましたがやはりどの道でも港の近くに出ます。これがおもしろい!
最初の説明で「ここは一見迷路のように感じますが、実は迷路ではなくあみだくじなんです。」と言われていましたが体験して意味がわかりました。

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この島で、以前四国ブランド会議で西村さんと一緒にパネリストをされていた中小企業基盤整備機構の三井さんとお会いしました。しかし、散々話をしておいて自分が名乗るのを忘れていました。。三井さんすいません。。

神社に登ると作品のように椅子があります。これは、近所のお年寄りが夕方休憩するために自分たちで持って来ているんだとか。それぞれが自分お気に入りのマイチェアーなのでしょうか。

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また小さな交流が始まりました。窓から話す少年は家が漁をされているそうで、窓の横にかすかに見える竹は猫よけです。猫を追っ払うのではなく、釣った魚を竹の先に吊るしておくと、猫が登って来れないのだとか。

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最初気づかなかったのですが、話を聞いてから見ると確かに猫が多い島でした。
しかし個人的に最近検査で軽い猫アレルギーが発覚したので複雑。。

神社のあたりからは島が一望出来ます。瓦は本当に美しい。

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最後の島は女木島でした。着くとスタッフの方が島の説明をしてくれました。
鬼が島伝説があり、夏には海水浴客で賑わう島だそうです。

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海沿いには偉く頑丈そうな石垣が目立ちました。女木島は瀬戸内海でも海からの冬の風が特に強い島なのだそう。

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ぐるっと島の正面を一周しましたが、はやり瀬戸内海の気候で土はからからに乾いていました。雨はほとんど降らないそうで、植えられているのは小雨でも育つ豆類。

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使えそうな民家と学校を案内されました。島民の方がゲートボールをされていましたが、学校は休校なのだとか。

時間がなくて行けませんでしたが、写真の後ろに写っている山に鬼が島伝説の元になった洞窟(洞穴?)があるそう。

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最後に港に帰ると、なぜかモアイが。聞けばイースター島のモアイの修復に力を貸したのは香川の企業だったそうです。このモアイはその練習用に作られた物。

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帰りの船に乗る頃、フラムさんから最後の演説が、
「島を巡る1日間の冒険はこれで終わります。みなさん、いい作品をお待ちしています。」
公募は相当な狭き門なのですが、みんなやる気十分でした。

と、これで終わるのかと思ったら、突如船の添乗員さんがアナウンス用のマイクで熱唱。歌は「瀬戸の花嫁」。作品の事もあってか少し緊張ぎみだったメンバーも最後は笑顔で旅を終えました。

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早渕

足繁く神山に通う神山ファン。作品制作やアートプロジェクトなどで活動中。

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コメント一覧

  • 一日間・・・? 一ヶ月間を思わせる濃い濃い体験だったようですね。 動き出していますね、瀬戸内国際芸術祭! これからの展開が楽しみです。

    2009年6月7日 12:03 AM | 大南 信也

  • 早渕くん こんにちわ。 豊島のお魚は美味しかった? レポート、ごくろうさんま・・・・。 (Rーstyleさん風のギャグですみません・・・デヘヘ) レポートを意識しながら、アートプロジェクトの説明を聞くのは、大変でしたでしょ。 海も山もいいです! 良い作品が出来ることを祈ります!

    2009年6月7日 12:08 AM | ニコライ

  • 早渕くん。 神山町でチラホラお会いするだけで、なかなかゆっくりとお話させてもらう機会がありませんが、精力的に活動されているみたいですね。 いろんな経験、挑戦を楽しんでくださいね。 ところで、ニコライさん、 >レポート、ごくろうさんま・・・・。 (Rーstyleさん風のギャグですみません・・・デヘヘ) 私たちを『ニコライワールド』に引き込むのはお許しください(笑)

    2009年6月8日 9:51 AM | KEDWIN

  • 大南さん 最初この記事は神山と関係ないと思って書いていましたが、よく考えると神山と繋がっている方が多くて驚きます。実はこの芸術祭のボランティアチーム「こえび隊」のホームページを作ってるのも自分の小学校からの同級生なんです。。不思議。 ニコライさん ありがとうございます。 実は、説明はこの10倍以上はあったのですが、帰ってみるとこれくらいしか覚えていませんでした(笑) KEDWINさん ちょくちょく神山にはお邪魔しているのでまた何処かでお会いすると思います。楽しみにしています。

    2009年6月8日 5:58 PM | 早渕

  • そのとおりですねぇ。早渕さん。 昨日も、西村さんお気に入りのパン屋さんで働いていたという若者が、 (長野県から)移住支援センターにひょっこりと・・・。 目に見えない所で、何かが動き出しています。

    2009年6月9日 9:30 AM | 大南 信也

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