「ほんのひろば」は、図書館のないこの町で、こま・もとヤ・砂肝の3人(「ほんのひろばの紹介」より)が展開している、本を軸にした草の根の文化活動。

6/21の日曜、豆ちよ焙煎所の千代田さんと「コーヒーとほんのひろば」という時間をつくったようで、定子さん・和江さんの二人(多分「もとヤ・砂肝」に該当)に話を聞きにいった。



和江​ 4月からコロナ禍で閉じていたけど、その間に机が二つ手に入って。この丸いテーブルと。

── 素敵だね!

和江​ でしょ! あと窓際の小さな長机。あっちは自習机にして、こっちは少し集まったり。それによって全体のレイアウトも見直して、前よりもいろんな過ごし方が出来る場所になった。

定子 いろんな世代が来てるね。子ども連ればかりでもなく、移り住んで来た女性が一人で訪ねて来たり。

和江​ 自分の時間をすごしに。

── 自習机。自習してる?

和江​ してるしてる。環境をつくると生物が来る、って本当だね(笑)。していますよ自習。小学生の子がお母さんと来て、丸い机でも自習しているよね。この小さな空間にいろんな居場所が整ってきて、とてもいい感じ。

定子 この町には図書館がないんでね(*定子さんは神山町のご出身)、大人たちに本を読む習慣がない。借りる習慣も。もちろん学校には図書室もあるし、本を使う授業もあるけど。小さい頃から「気になった本を手にとってみる」「読んでみる」「世界を知る」ような習慣付けが出来たらなあ、と思う。

和江​ 子ども同士の会話とか、なにかの拍子で知ってもらって広がってゆくといいなって、3年くらい前から「ほんのひろば」をつづけてきた。

── 図書館との違いは?

和江​ 県内の公共図書館の方からアドバイスをもらって、整備してきている。町の教育委員会は私たちを県の図書館研修に参加させてくれて。本の並べ方、災害時の図書館の対応、いろんなことを学べていてありがたい。

でもこれからはもっと、自分たち自身の考えで、狙いも絞り込んで運営してゆきたいなと思っているところ。

定子 「本のウイッシュリスト」を公開しているんです。町出身の学校の先生が、こないだその中から『つちはんみょう』を贈ってくれました。(嬉)

和江​ 選書の方向性は、広い意味で勉強になるもの。世界に対する関心や、好奇心を育めるもの。心の中のセンスオブワンダーに優しく働きかけたい。

── 6/21の「コーヒーとほんのひろば」の様子も知りたい。

定子 ぜんぜん、ひと来なかったけど(笑)。

和江​ 自粛ムードがあけきってはいなかったので、そんなに「来て、来て」と告知もしていなくて。でも、週末の用事を終えた人たちが15時過ぎた頃から来始めて、一気に密集空間になりかけて「ヤバイ(笑)」と。私たちは身を引いて「スペースを確保しなきゃ」と思ったり。

── このとき、前からあったコーヒーカウンターも本格的に復帰したんだよね?

定子 前は物置だったからね。壁のように段ボール箱が積んであったから。

和江​ 千代田さんが「使いたい」と思ってくれて、それが手入れの機会になった。本当に違う空間になったよなあ!

定子 コーヒーのアロマが良くて。「この空間に香りがある」「これがしたかったんだ!」と思ったよね(笑)。

和江​ ここは公共の図書館ではないので、だから出来ることを形にしてゆきたい。

 

「ほんのひろば」は、ほぼ年中無休で8:30〜17:30オープン。
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「コーヒーとほんのひろば」は月イチ開催で、次回は7/19(日)