神山の魅力

なんでも2011年10月21日

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投稿者:神山塾2期生


最近、すだちを蜜柑を食べるように普通にそのままむしゃむしゃと
食している神山塾生の渋沢清夏です。

「神山ってどういうところ?」

久しぶりの友人と会ったとき、はじめましての人に自己紹介を
するときなどに必ず聞かれる質問です。

神山ってどんなところなのだろう。

徳島市から車で40分くらいのところで、山に囲まれていて
すだちが名産で、夜になると鹿の鳴き声が聞こえてきて
たぬきはしょっちゅうみかけるようなところで・・・

そんなことを口にしていると
なんだかとっても違和感を感じるのです。

神山ってそういうところだけれども、そういうところだけじゃない。

そういうところだけじゃないことが神山の一番の魅力のはず。
なんだろう。

ー神山って人がとっても魅力的なところー

それに尽きる気がします。

素敵な人がたくさんいるんです。
素敵な人が集まってくる場所。
神山に定住している人だけじゃなくて
県外からもたくさんの素敵な人が
訪れてくる場所。

そんな素敵なひとたちの中から
今日は神山に在住しているのではないのですが(笑)
隣町に住んでいるご夫妻について。

「かまどGOGO」
これが夫妻ユニットの屋号
「カマンベール」
こちらはバンド名
なんと、NHKの番組で行われたバンドコンテスト
「熱血!オヤジバトル」で優勝した実力派!

少し前に神山塾の授業の一環として開店したカフェに
ふらりとやってきたご夫妻に
なんとなく話しかけたところ大盛り上がり!
(なんとなく気軽に話しかけることができるのがいいですよね)

はじめましてから連絡先を交換するまで
30分もかかっていなかったと思います。

沖縄からかまど作りをしている人がきて
その人に怒られ叱られながら
半べそかきつつ
ご自宅に手作りのかまどを作ったという話を聞いたので
「これは見に行かなくては!」と
塾生の子何人かと連れだって
その日の午前中に掘ったさつまいもと
手作りの柿の葉茶と
たまたまもらった松茸をお土産に
ひと山越えて遊びにいきました。

表立っての名目は
来月開催する子供自然塾についてお知恵を拝借。

到着した途端
お住まいの可愛さに、みんな黄色い声をあげまくり。
何を目にしても
「かわいい!」の連呼。

旦那様が野草マスターということが判明し
突如、外に出て野草講座開始。
「これ食べてみ。」
と差し出された、道端に生えている草。
何の躊躇もなく「パクリ」と口にすると意外なほど柔らかい葉。
「お皿に盛って、オリーブオイルをたらせば
普通にお店で出せるよね」
などと話しながら、次々手渡される雑草
いえ、野草をもぐもぐ。

「野草があれば生きていける。野草は贈り物。
どんな飢饉がきても、災害が起こったとしても
生き抜いていける自信があるわ。」

力強く野草マスターは言っていました。
その通り。
わたし自身、どんな状況でも行き抜く力を身につけたく
野草について勉強をしようと思っているので
ぶんぶんと頭を振りました。

今まで雑草としか認識されていない草花も
視点を変えるだけで、食べ物になったり
お薬の代わりになったり、化粧水に変化したりするのです。
見方を変える、視点を増やすだけで
世界は一気にかぱーっと広がりを見せてきます。

日が暮れて、お家に戻ったらあったかくていい香りが・・・

夕飯をご馳走になりながら
古代文明について、徳島の云われ、歴史などのお話を拝聴。

吸い込まれるようにして聞き入っていると
今がいつなのか、どこなのか、の境目が曖昧になり
夢か現かわからなくなる瞬間が何度かありました。

アマチュアバンドの活動をしていること
泣きながらかまどを作ったこと

それしか知りませんでした。

わたしたちのことだって、神山塾生だということしか知りません。

それなのに、これでもかこれでもかともてなしてくれました。

「今までいろんな人に助けられてお世話になってきたから
今度は自分たちがそのお返しをしたいのよ。」

笑いながら奥さんであるかよちゃんは、そういいました。
鼻の奥がつーんとして呼吸が苦しくなりました。

ゆとりのある生活をしているわけではありません。
それなのに惜しみなく色々なもの・ことを与えてくれます。

それはこのご夫妻だけではありません。
神山で出会った人たちに共通していること。

毎日の授業を通して学べることはたくさんあります。
でも、今一番学んでいることは
日々の何気ない日常生活の中で繰り広げられることから
いつの間にか忘れてしまっっていた
思いやりとか優しさとか感謝の心のような気がします。

小さい頃は知っていたはずなのに
どこかで落としてきてしまった大切なもの
それをひとつずつ拾い集めているような心持です。

全国各地からやってきた
どこの馬の骨ともわからないような
人間ばかりが集まった神山塾生。
多分、ひと癖もふた癖もある人間ばかりなのに
そんな人間を温かい眼差しで
見守って受け入れてくれている神山の人たち。

寒空の中
車が見えなくなるまで手を振って見送ってくれたご夫妻に
「ありがとう」
の言葉を連呼することしかできませんでした。

神山にもゆっくりと冬の気配が忍び寄ってきております。
冬がきて年が明ければあっという間に半年が終了してしまいます。
そのときに
「ありがとう」
という言葉以外に
何が自分たちにはできるのだろうか
お返しをすることができるのだろうか

そんなことを秋の夜長に考え始めてみている今日この頃です。

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神山塾2期生

職業訓練講座・神山塾の2期生です。 北海道から沖縄まで、日本全国から神山へ集ったメンバーが地域の人たちの活動に参加させていただきながら、各々のくらし方働き方を半年間見つめ、探求します。 みんな個性的なのにまろやかな15姫2太郎で構成。

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コメント一覧

  • 「かまどGOGO」さんは家内の里の近くで住まいされていて、地域の人からも信頼されているご夫婦です。 地に足を付けた生活ぶりがなんとも羨ましい。

    2011年10月22日 19:22 | 大南 信也

  • 渋沢さま。 文章、うまい! 叙情(じょじょう) 感じるぅ。 文の間隔(かんかく)の取り方もいい! 野山をさまよいながら、こんなこと考えていたのか・・・・ 惚れそうな気がする(笑)

    2011年10月25日 09:46 | ニコライ

  • ぜひとも惚れてくださいませ(笑)

    2011年10月28日 00:06 | 神山塾2期生

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