北川フラムと四国・瀬戸内

なんでも2008年9月5日

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投稿者:大南 信也

↑ ゲストとして招かれた北川フラムさん、松本教仁さん(高知県立美術館)とともに雑誌掲載用の写真撮影。「四国はひとつ!」(それにしては、見つめてる方向がマチマチ・・・(笑))

先月、「四国・瀬戸内の新しい旅の創造」という大そうな目標(…笑)を掲げた懇談会に呼ばれ、神戸に行ってきました。主催は本州四国連絡高速道路会社と、その関連の財団。要するに、四国への誘客を進めて、本四橋や連絡道路の利用促進につなげようとの深慮遠謀を抱く会議...(笑)

で、テーマが「アート」ということで、お呼びがかかったらしい。

「アートがテーマで、なぜ、お前のような門外漢が?」

(不適材不適所だ!とみなさん首を傾げてましょうねぇ...)

西村佳哲さんが言われる)「アートの方向を向いていない神山人」を油絵に描いたような人間だからでしょう。きっと!(笑)

見るからにお堅い雰囲気がプンプン。実際はそうでもないんですよ・・・。なお、懇談会での議論は「四国旅マガジンGajA・11月号」に掲載予定です。

で、北川フラムさんの基調講演からスタート!(・・・というよりは、スタートからフィナーレまで独壇場。このアート界の変革者。しゃべりだしたら、止まらない。でも、神山人の私にはスーと入ってくる感じ。心地よか・・・!)

フラムさんは言います。「アートはきっかけに過ぎない」と。

真夏に越後妻有を訪れ、「蒸し暑い!」「不便!」と文句タラタラの人たちが(東京の)家に帰ると、「一体あの爽やかさは何だったのだろう?」と思い始め、再び帰ってくる。

「アートを見るために・・・?」 「いや、違う!アートは理由の一つにしか過ぎない!」

妻有の土地やそこで暮らす人たちと再びつながるために!そんな30万もの人たちが妻有に足を運んだ。2006年はそんな年だった。

イリヤ & エミリア・カバコフの立体絵本「棚田」。閉鎖性、私有制の象徴である「自分の土地に他者を入れない。物を作らせない」という農村の不文律を、アートが媒介して打ち砕いた一つの例・・・。

フラムさんはこう続けます。「アートはどうにもならない。世の中の役に立たない。だから、逆に、邪魔をしないし、関わりやすい」「ちょうど赤ちゃんと同じ。騒がしい、生産しない、役に立たない。でも、人と人を媒介する大きな力を持つ」と。

前段に異論があっても、関知しまへんでぇ。直接、フラムさんに言っておくんなはれ...(笑)

そして、こう結びます。「東京のような大都会に住む人たちの間で、今、自分たちの関われる“新しい故郷さがし”が始まっている。この人たちに、地域や農業の場を提供することができるかどうか、ここに過疎地再生のカギがある」と。

おまけに、(昨年関わった)「上勝アートプロジェクト」については、視察以外の目的でも上勝を訪れてほしいという思いと、神山に対抗する気持ちもあったのでしょう。

(思わず吹きだしてしまいました...(笑))

そんなフラムさんがこれから全力を傾けようとしているのが、「瀬戸内国際芸術祭」(Setouchi International Art Festival)。

2010年に開催される「瀬戸内国際芸術祭」。将来的にはその規模や多様性において「越後妻有」を凌駕しそう・・・。

越後妻有より歴史を持つ瀬戸内海で、島・生活・アートを軸に、島ごとにテーマを決めて、島民とともに芸術祭を興し、(福武総一郎さんとフラムさんの年齢を考慮して、)二十年をかけて、結果を出そうという壮大な計画です。

アートによって新しい力が吹き込まれ、大きく変貌するチャンスを手にしつつある四国・瀬戸内。もちろん、素人集団が身の丈で、コツコツと築き上げてきた神山アーティスト・イン・レジデンスも十年目を迎え、ますますパワーアップ!

(四国人の私が言うのも、なんですが・・・(笑))これから当分の間、四国から目が離せない!

「杉作、四国の夜明けは近いぞ!」

※四国旅マガジンGajA[ガジャ]№.038 が発行されました!

四国旅マガジンGajA[ガジャ]№.038

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大南 信也

グリーンバレー理事長。日々「せかいのかみやま」づくりに精励してます。人を強制せず、人に強制されずの自由人。職業?「社会起業家のたまご」としときます。最近の関心事は(西村さんの向こうを張って)「みんなの仕事をつくること」。そして、クリエイティブに過疎化を進める「創造的過疎」。

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コメント一覧

  • 北川フラムさんもやはり四国に注目ですかぁ。フフフフ それにしても、なかなか過激なかたですねぇ。。。 そういうの、嫌いじゃないけど。。。 講演をちゃんと聴いていないので、ややいい加減発言ですが、神山で僕たちがやろうとしていることは、規模は小さいながら、思想的?には、一歩前を行っているのでは、という気もします。 今年の神山のレジデンスは、おもしろいことになりそうな気がいたします。 っていうか、おもしろいことにするのです!!! とりあえずは、この7日(日)の10周年記念座談会。 今日も、打ち合わせをしましたが、中身のあるものにしたいものです。   座談会「KAIR−この10年を振り返って−」(仮題)   日時: 9月7日(日) 午後1時〜4時     場所: 神山町神領の農村環境改善センター 1F 談話コーナー

    2008年9月5日 17:53 | chan

  • うわー、ニコライ並みの長いコメント・・・! 「フラムさんは神山を羨ましく思っているよ」とは、四国某局のH女史。 神山は(岡山のメディチが付いている)瀬戸内のマネはできないし、逆に、瀬戸内は神山のマネはできない。 まあ、小さい玉ですが、他にマネのできない極みまで磨き上げていきましょう!!!

    2008年9月5日 18:28 | 大南 信也

  • うわー、ニコライ並みの長いコメント・・・! な・・・・・なんちゅうことを・・・・。 あんさんの記事だって長いよ。(笑) 四国某局のH女史。っていうのは、長谷部女史? いかん、また口がすべってしまった。 北川フラムさんって、純日本人だけど、名前は「本名」って聞いたけど、本当なのですか? 岡山のメディチ家、→福武書店のおじさん。 「進研ゼミ」と、言ってた時代からすれば大きくなりました。 それはそうと、日曜日の10周年記念座談会 オスカー君も来るって。 (山本さんちの稲刈りの手伝いを抜けてくるって。(笑)) それから、明日のウェルカム・パーティも来るって。 うれしそうだったよ。

    2008年9月5日 22:48 | ニコライ

  • 「フラム」とは、ノルウェー語で「前進」を意味するらしい・・・。親がインテリでなきゃ、こんな名前は付けないよね。 大概は、「公雄」とか、「英雄」とか、「信也」とかで、済ましてしまう・・・(笑) で、ベネッセの福武總一郎会長の総資産は日本で27番目、1332億円とある。誰が数えたのか知らないが・・・(笑)。 でも、ポケットに仕舞い込まずに、良い使い方をしていると思う。私もそうしよう!あればの話だが・・・(笑)。

    2008年9月5日 23:24 | 大南 信也

  • 「一度、フラムさんに会ってみたい」と言ってあったら、「いつか機会をつくりますよ」と言ってくれたと思ったら、一月末にセットしてくれた・・・。魔法使いのおねえさんのような技をお持ち。 今度は誰を出してもらおうかな・・・(笑)。 オスカー君ねぇ・・・。KAIRをスタートした10年前、(推薦枠でなく、)公募枠で採用された。今は半移民状態で、年の半分はオロノで過しているんじゃないかな・・・。

    2008年9月5日 23:42 | 大南 信也

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