童学寺散策
なんでも2008年10月22日
ノット・イン・神山の日記です。
先週の土曜日講演を終えて吉野川市から帰っておりました。すばらしい好天、夏を思わせるような陽気に誘われて石井町の童学寺に立ち寄りました。
このお寺、実に趣があります。四国八十八ヶ所の霊場はあまりにも有名ですがこの寺はそれよりも創建の時代は古く、別格霊場として知られています。
ここへのアクセスは、神山から石井町に抜ける新童学寺トンネルを越えて下り坂を下りきったところの点滅信号を左折、そのまま道なにり300mほど進んだところが当寺。
まず、迎えてくれるのがため池と山門。この山門が実に風情がある。唐様なのでしょうか・・・。
寺の名前の「童学寺」は、弘法大師が幼少のころこの寺で学問修業したといういわれがあります。このあたりの地名は城ノ内(じょうのうち)というのですが、寺の下方には水田が広がっています。
その水田から白鳳時代の伽藍跡が発掘されています。天武天皇の勅願により創建された寺として四国最古の伽藍跡といわれています。ですから城ノ内一帯は太古のころ壮大な寺院が建ち並んでいたという。
豊臣秀吉の四国征伐のとき焼き払われ、唯一つ残っているのがこのお寺。
本堂の脇を抜けて裏庭に通じる所にあるのが弘法大師の「筆洗いの泉」空海といえば三筆の一人、その大師が幼少のころ書の練習をしていて筆を洗おうとした。水がないので堂の裏の岩盤に穴を穿つと清水が湧き出てそれで筆を洗ったという伝説が残っています。
室町時代といえば日本を代表する数々の名園が生まれた時代。金閣寺・銀閣寺・竜安寺・雪舟寺など茶の湯文化とともに枯山水の名園が有名ですがそれと同時代の庭園という。
このお寺、春は桜や藤の花、秋は紅葉と楽しめるのですが、境内を散策するといろんな発見があります。
その一つが「隠れキリシタン灯篭」、石井町の文化財指定となっています。灯篭の中ほどのくびれが十字架になっているという。その中央に鮮明ではないがマリアさまらしい彫り物があるという。
まだ新しいのですが石仏が並んでいます。それぞれの仏様は四国八十八箇所霊場のご本尊仏。ここの仏様を一体一体お参りすると八十八箇所を巡ったのと同じご利益があるという。
不信心なトオルちゃん。一番霊場の仏さんの前で、全体を見渡してお参りしてきました。これでは何のご利益はないだろう・・・・。
ここんところ夏の終わりを思わせるような暖かい日が続いていますか、秋は確実に深まっているようですね・・・・。
中原 亨
神山アーティスト・イン・レジデンスの自称学芸員。これまで招聘した作家たちの作品の解説はお任せください。年間を通じて数多くの訪問者を案内しています。 神山を元気にするため老体を鞭打ちと東奔西走しています。NPOグリーンバレーの理事。
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