粟生の森づくり食事当番

なんでも2009年1月26日

投稿者:中原 亨

昨日の日曜日に行われた粟生の森づくりの食事当番を、ニコライさんから仰せつかりました。久しぶりの食事当番です。「予算があんまりないから極力食材費を抑えて・・・」という条件付です。もう一つの条件は「いつものお手伝いの人が来られないからあまり手間のかからない料理にして・・・」と言うことです。

そこは料理名人?のトオルちゃん、聞いたとたんにレシピがひらめきました。

本日のお手伝い人は、東谷師匠の奥さんの幸子さん・ニコライさんのお姉さんの長江さん・カモミール荘司さんです。

今日の料理は愛媛県の郷土料理「芋炊き」です。

この料理は愛媛県の大洲で始まった「芋炊き」という料理。秋の収穫が終わったあと、川原で大きな鍋で作る郷土料理です。芋は基本的に里芋を使います。ダシは鳥ガラ・鮎の塩焼きの干物・豚肉など何でもいいのです。具材は大根・コンニャク・ごぼう・大根・ちくわやハンペン・厚揚げ豆腐など何をぶち込んでもかまいません。

付け合せはキンピラごぼうです。

本日の森づくりの人数は25名ほどです。昼食代として五百円集金するので一万円ほどの食材費が出るのですが、チェンソーなどの燃料費・保険料などその他の雑費がいるので極力食材費は抑える必要があります。本日の食材費は五千数百円に納めました。

もう一品は漬物です。

ごはんのおかずといえば漬物。たくあんはヒロコさん、白菜の漬物はトオルちゃんが漬けたものを家からもって行きました。
今日はとてもいい天気で日差しもありましたが、さすが山の中は寒い。暖かい芋炊きはみんなに喜ばれました。

本日の料理。シンプルですがごはんによく合います。

この森づくりも多くの賛同者を得て、町外からも参加があります。女子大生や学生たちも来てくれて、平均年齢が一気に下がりました。うれしいことです。

森づくりプロジェクト、2005年3月に始まりました。

NPO法人グリーンバレーの設立認証を県知事から受けたのが平成16年11月24日。それまで民間主導で活動してきたいろんな取り組みを総括した組織として立ち上げました。

年間を通じて活動できるものはないか、と立案したのが「粟生の森づくりプロジェクト」。法人設立の翌年の平成17年3月13日に始まりました。今年の3月で4年になります。これまで町内外を問わず多くの人を巻き込む事業に発展しました。もちろん森林の地権者にも大変感謝してもらっています。

理事長の大南さんがいつも紹介する風景。

日本のどこにでもある杉やヒノキの森林風景。見た目には緑豊かな風景にですが、実はこの風景「みどりの砂漠」と言われています。植林した時代は材木が高く売れて「山林もちは金もち」といわれました。ところが建築材に輸入材が多く使われるようになり、内地材の消費が落ち込みました。今では杉やヒノキを切り出して売っても手間賃や加工費に取られて、ほんのわずかな収入にしかなりません。

その上高齢化が進み枝打ちや間伐ができなくなり、ほったらかしの森林になりました。神山の見た目には美しい杉やヒノキ林も、木の根元は太陽の光も差し込まない針葉樹の赤茶けた落ち葉が広がっています。

これでは保水力もなく、豊かな養土成分が川に流れ込むこともないでしょう。自然の循環を人間が断ち切った姿が、風景が広がっています。
「粟生の森づくりプロジェクト」はこうした課題解決にも取り組む事業なのです。

広葉樹が広がり杉やヒノキの根元まで太陽の光が差し込む森は実に心が癒されます。その上世界中のアーティストのランドアート作品が置かれている場所なのでもあるのです。

中原 亨

神山アーティスト・イン・レジデンスの自称学芸員。これまで招聘した作家たちの作品の解説はお任せください。年間を通じて数多くの訪問者を案内しています。 神山を元気にするため老体を鞭打ちと東奔西走しています。NPOグリーンバレーの理事。

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コメント一覧

  • 常はヘラヘラやってますが、グリーンバレーは実に高邁な精神に裏打ちされとるつうことですわ・・・(笑)

    2009年1月26日 21:54 | 大南 信也

  • トオルちゃん こんにちわ。 お食事ありがとうございました。実に美味しく頂きました。 「芋炊き」はもちろん、ご飯の堅さもグー。キンピラのピリカラさもいい。 たくあんも、漬け物も、上手に漬かっていて、 “ 誰が漬けたのかな・・・これ、うめぇ!!”と正直思っていました。 文章もお上手で、私など、とてもこんなに書けません。 外見から、想像できない、この「ギャップ度」が、またファンを惹きつけるのでございましょう。 じ・・・じ・・冗談ですよ。先生!(笑) 次も、またよろしくお願い致します。

    2009年1月26日 23:49 | ニコライ

  • 本当に落葉樹林は美しいですね。 より自然体な森だから。 山は生きていると感じます。 都会にいて、地面がコンクリやアスファルトに覆われている状態から、神山に戻った時、と~~~っても大きく言ってしまうと、地球は息をしている、生きていると思うのです。 肌が皮膚呼吸をするように。 雨降り後の山からは静かに霞みや霧が立ち上り、上へ上へと上がっていく~まるで山水画の世界。 瑞々しい土や草樹の混じった心地よい香り付きで。  日本は幸い、都市部以外は土の地面が多く、森林も多い。果たして、地球に貢献をしているのは、都会でしょうか? 田舎でしょうか? 水を生み出し(泉など)、育み(川など)、空気中の二酸化炭素を酸素に変え(植物)、地球の水などの循環に力を貢献しているのはどちらでしょう?  都会しか知らない人が、過疎地としてネガティヴな面を強調したがるメディアの語調を鵜呑みにして、都会のほうが豊かだと思っている。 そういう人と接した時に可哀想だなと思うのです。 本当の豊かさって物や情報量や便利さですか? 

    2009年1月27日 14:44 | サスケ

  • 神山に住んで2年弱。陰地と言われている場所ですが、冬は一番短い時で2時間くらいの日照時間です。近所の人達に聞いても前に比べたら2~3時間は違うと。家のすぐそばには杉と檜がそびえ立っています。 都会では日照権とかで結構うるさいのに田舎では・・。 自分の山の木なら切る!のですが、他人の山ではどうしようもありません。 その内、大きな台風でも来たら、根こそぎ山崩れを起こすのでは?と心配してます。

    2009年1月31日 20:03 | 中山喜美子

  • 中山さん、大南です。 この大粟山では、その「他人の山」に自由に出入りさせてもらい、間伐、枝打ち、下草刈りをやっています。 山林所有者は、自分の山の荒廃を気に掛けています。かといって、(現状で価値の無いものに対して、)自分のお金をつぎ込んで手入れまでしたくないと考え、そのまま放置。悪循環に陥っています。(どこかで、このサイクルを断ち切らんとね!) 「無償で!」で行いますが、参加者は500円の参加費(保険代、昼食の食材費)を払います。でも、これって、本当に楽しい。みんな、嬉々として動いています。 (棚田と菜の花で有名な)上分の江田では、地区住民が離村している所有者の了解を得て、空き家の周りに植えられた木をきれいサッパリと伐採しました。 (ちなみに、江田地区の高齢化率は阿川よりも高いと思います。) みんな、同じ問題で困っているはずです。「だれかが一歩を踏み出せば」、どの地区でも起こり得ることではないでしょうか?もちろん阿川でも!

    2009年1月31日 21:59 | 大南 信也

  • 中山さんが書いておられることは、山間部では、よくある事だと思います。 「大粟山の手入れ」が一区切りつけば、メンバーの同意を得て将来的には、デリバリーをして良いと、私個人は 考えています。 すでに、中山さんのようなお申し出を、1件、聞いています。 早速、来月(2/15)(日)に、先客の申し出分、やっか!

    2009年2月1日 21:42 | ニコライ

  • 誰かさんが退職して、日がな一日時間ができたとしても、グリーンバレーの力だけでは限界があるよね。 でも、考え方や、やり方ならデリバリーは可能。そいつを燎原の火の如く広げていきましょう!

    2009年2月1日 22:11 | 大南 信也

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