高知のアートシーン
なんでも2009年3月21日
先日、ちいおりに行った後、高知県立美術館に講演を聴きに行きました。
館内の写真はNGだったので美術館の外観のみです・・。講演テーマは「アーティストを続ける方法」。
会場には高知の若手作家が集まっていました。
講師はインディペンデントキュレーター(独立系学芸員)の加藤義夫さん。こういった講演テーマは初めての試みだったそうですが、自身も昔作家を目指していたそうで、今回は「自分が20代の時に知っていれば良かった」と思う事を語ってくれました。
・ ・・と聞いたら希望の見える話かと思ったのですが。不況の影響も受けたのか、明るい話ばかりではありませんでした。
「アートは最初に不況の影響を受け、また景気が回復しても最後に回復する分野」だそう。話の大半は業界の仕組みについて。後に簡単なアドバイスで締めくくられました。
20代での最初の関門は学校を出た後、アトリエを確保出来るかどうか、だそう。そして“有名病”にかからない事。多くの作家のお世話をするうち、中にはそれで制作のバランスを崩してしまう人も多いそうで。最初は純粋に作品を見てもらいたい、制作を続けるために絵を売りたい、と思っていたのが、いつの間にか順番がおかしくなり「有名になりたい」「作品を売りたい」が先行してしまい、迷路に迷い込んでしまうというパターン。最後に次のように続けられました。
「よく高値で売れたアート作品が新聞等で話題になります。しかし、(色々な作家を見てきて)どんな形にせよ、純粋に作品をつくる事に喜びを感じ続けられる事が作家として本当の勝利だと思います。」
この講演は地元の若手作家のために高知県立美術館が企画したもの、こういった講演が時々企画されるそうです。意識が高いというかとても元気な印象でした。
特に一緒に行った訳ではないのですが、終わってみると定員50名の所、数人が鳴門教育大学の同級生とその知り合いでした。そのうち一人は個展の準備で地元高知に来ていた稲垣さん。講演終了後に稲垣さんの後輩が展覧会をしているという近所のギャラリーを訪ねました。
美術館の近くにある蔵のあとをギャラリーや雑貨屋にした面白い場所があります。
行ってみると、時々話には聞いていた g r a f f i t i というギャラリー&雑貨店でした。ここにあったとは・・。
入ってすぐに目に入るのはのは跳び箱。遊び心が満載でした。
ギャラリーに展示していたお二人とも稲垣さんの後輩だそう。上の絵は写真で見るとちょっとグロテスクかもしれませんが、、実際は色合いがとてもきれいな作品でした。作者は人間の細胞をモチーフにしている雨森文さん。下の作品は土居わかなさん。とてもやさしい印象の作品です。
壁の上を見ると蔵をそのまんまギャラリーにしてしまったのがよくわかります。そのせいか落ちついていい感じの雰囲気。古い梁と土壁を見ると寄井座を思い出します。
ギャラリーの横は雑貨店です。古い蔵の雰囲気と新しい雑貨が上手く馴染んで面白い雰囲気。本棚には今旬の現代アートの作家の本や高知の若手作家の本も。ここに来れば若い世代の高知のアート情報は大体分かるのだとか。
中にはカフェのスペースもありました。
このポスター、どこかの作家の展覧会の宣伝かと思ったのですが、よく見るとれっきとした闘犬センターのもの・・。施設のポスターも高知はどこか違います。坂本龍馬や沢田マンションを生んだ国だけあって他県にはない元気さを感じます。
雑貨の中に見た事のある雑誌を見つけました。大南さんが奈良で講演されたときに一緒に講演された藤本さんが編集長を務める雑誌です。気に入っていたのですが、残念ながらしばらく休刊されるそうなので貴重です。本屋を捜してもなかなか見つからなかったのですが、ここには種類豊富に置いてありました。2冊購入。
そしてその近くに、これも見た事のある冊子が。
今度神山で展覧会をされる宮本さんが活動されている「ハコプロ」のものでした。そう言えば神山に宮本さんが来られた時に、高知にもあると言われていました。隣の県とはいえ、県外のたまたま入った場所で神山を思い出すような物に出会うと、もうなんか神山を中心に世界が回ってるような気さえします。。
このとき街は高知あげてのお祭り「おきゃく」の真っ最中でした。聞くと県が主催のイベントではなく地元商工会が主導で独自にやっているそう。
高知の元気さに目が覚めたような気がしました。
コメントする
コメントを残す
なんでも最新日記
神山日記帳2024年10月14日
季刊地域 vol.59秋号が発売されました
神山日記帳2024年10月14日
10/13(日)「神領祭り」
住まい2024年10月11日
大埜地住宅の入居者を募集中!
おすすめ日記
学び2024年10月07日
「中3の自分の選択は間違ってないよ」って胸を張って言える/あゆハウス通信Vol.27
学び2024年09月11日
普段、神山でできない体験をしよう!/助っ人大学生
神山日記帳2024年04月16日
コメント一覧
“ もうなんか神山を中心に世界が回ってるような気さえします。 ” うわぁ・・・早渕く~ん。 大南さんが聞いたら泣いて喜びそうなこと言ってくれるやない。(笑) 稲垣さんの個展をどこでやってるのかなと思ってたら、 高知だったのね・・・・。 それに、私が今日案内して来た、ハコプロの3人の可愛い娘ちゃんは、ここの場所(高知)に「ハコ」を置いて、その足で神山に来てくれたんだ。 なんっうか、世の中・・・せまっ!・・・そんな感じ。(笑) by the way 明王寺のしだれ桜は今週中が見頃。 8分咲きの感じがしました。 今日、上分の棚田も行ったし、たくさん写真撮ったのですが、明日は私用で、和歌山に(娘の下宿の荷物を取りに取りに)ゆくので、タイムリーにブログ載せれません。 ごめんね。 大南さんや、トオルちゃんがタイムリーに載せてくれることを期待します。(笑) 山姥(やまんば)の中山様! 急な訪問にもかかわらず、大変お世話になりました。 「ハコプロ」の3人娘も非常に喜んでおりました。 でも今日、一番楽しかったのは、私だったと思います。 大変ありがとうございました。
2009年3月22日 00:45 | ニコライ
なんたって、「せかいのかみやま」ですからねぇ! で、最近、そんな風な兆候がおちこちに・・・(笑)
2009年3月22日 08:36 | 大南 信也
“なんたって、「せかいのかみやま」ですからねぇ! ” 黙っていりゃ・・・可愛いのに・・・・。(笑)
2009年3月23日 19:24 | ニコライ