
0円食堂からアイデアいただき【0円鍋の前々昼祭】開催!
学び2020年1月22日
2019年の春、神山校の2年生の授業「神山創造学」にて
「昨年の神農祭(文化祭)は、いつの間にか自分の担当が決まっていて、やらされている感があった。おもしろくなかった。
だから、今年は自分たちが進んでやれる神農祭にしたい」
そんな声から始まった「神農祭プロジェクト」
私は半年間、彼らに伴走したのだけど、その取り組みをどうしても残しておきたいと思い、イン神山に記録しておきます。(長めです!)
最初に彼らから出てきたアイデアが「前夜祭」
「神農祭」本番は、生徒も少ない中で自分たちのやりたいことをしても、
全員が参加できるわけではないし、前の日にやった方が全員で楽しめる!ということ。
学校全体のことをよくわかって、生徒全員のことを考えているんだなーと感心しながら、私も賛同。
そうと決まったら内容を決めよう!というところなのですが、
それにあたって最初に取り組んだのがアンケート。
なぜアンケートかというと、自分たちからもあれやりたい、これやりたいというアイデアは出るのだけど、
自分たちだけでなく、全校生徒の声を聞いて、それを実現させたいとのこと。
早々に全校生徒向けのアンケートを作り、配布することになりました。
しかし、ここで大きな壁が一つ。
「配布すること」に関して、なかなか先生たちの許可がおりない・・・
私や先生間のコミュニケーションがうまくいかなかったことが最大の原因なのですが、
紙一枚を配布するのに、だいぶ時間がかかり、
「思うようにいかない」とここで生徒たちのモチベーションはだだ下がり・・
その後、時間はかかり、なんとかアンケートは取れたのだけど、
ここから実施内容をどう決めるか。
「一番希望の多いのにするのか!?それでいいんだっけ?」と
ややモチベーションがさがり始めているメンバーには、それを決めるのがどうも難しかった。
自分たちだけで考えては、いい企画にならなそうだ、と思ったので、
ここで助っ人を呼ぶことに。
来てくれたのはフードハブ・プロジェクトの真鍋さん。
企画を考えるプロということで、依頼!
「んー」と悩む彼らに
「アイデアはもともとあるモノの組み合わせでできるんだよ」と言って
「0円食堂」とアンケートで声の多かったBBQを掛け合わせて「0円BBQ」をやろう!
と意見がまとまり、落ちていたモチベーションが復活し、安心したと同時にやる気を取り戻してきました。
そこからは、
地域の方から食材をもらう調達班、
当日の内容を詰めて関係各所との確認を進める企画チーム、
当日のご飯の試作をする調理班に分かれて、
どんどん進んでいきました。
私が主に同行したのは調達班。
役場を訪問し、お肉を分けてくれる方がいないか聞いたり
道の駅で出ている野菜と生産者さんを調べて、その方の家に訪問・交渉したり
全て、事前に大人が交渉することなく、ゼロベースで高校生たちが交渉し、
軽トラいっぱい。よりもさらに多くの野菜が集まりました。
もちろん最初は、お店で販売しているものや、自分たちが欲しい野菜がその時期にはできないからと断られるところもあり、野菜集めにやや苦戦していたのですが、道の駅リサーチを始めたら一気に集まり始め、
かなり多くの方が快く協力してくださったのが衝撃でした。
提供してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
ちなみに、調理班はかまパンさんから食パンの耳を提供していただき、おやつづくりの試作。
当日は、彼女たちだけでラスクを仕上げました。
準備はこんな感じで順調に進んでいき、
と思いきや、二つ目の壁。
「BBQで万が一、生肉を提供してしまい食中毒などが起きたら!?」
という食品衛生法や保健所の壁。。
「BBQできないの!?」とまたしてもやろうとしてたことが崩れ始め・・・
でも、「鍋ならしっかり火も通せるし大丈夫だろう」
と学校側が判断してくれて、急遽「0円鍋」に!
1度目の壁があったからか、それなりにエンジンかかってたからか、
BBQ→鍋への変更はみんな結構すんなり切り替えて、時間もなかったし本番に突き進みました。
そして、迎えた本番。
本番といっても、当日のために前日放課後から20時まで学校に残って、仕込みをし、
当日は7時から集まり始め、お昼に間に合うように準備をしました。
それも、チームメンバー6名だけでは全然足りないので、生徒会長や寮生、2年生の有志たちがたくさん協力してやっと完成。
私も芋の皮をむきすぎて、手が芋型になったりしました。
こちら、準備から本番までの写真集です。
正直、本番前後の準備・片付けがめちゃくちゃ大変だった。
でも、今ではその大変さよりも達成感のが強く残っているのが不思議。
やり遂げた高校生たちの感想を少し紹介します。
・自分たちが考えて計画したことができてよかった
・いろんな人との話し方を経験してよかった(調達・交渉や企画を進めるのに当たって)
・無事0円に抑えることができた
・神山の人は優しいとわかった
・神山のおじさん話しやすい(調達班の子より)
・アンケート実施後、意見がグダグダだった
・もっと考える時間が欲しかった
・人とのやりとりがコミ症だからもう少し話せるようにしたい
・自分自身に任せられた仕事を嫌がって、他の人に任せてしまったので、そこはもっと頑張りたかった
・もっと試作をしたかった(当日の味には賛否両論笑)
最後に、この取り組みを1月22日の神山校の課題研究発表会で報告しました。
その時に女の子が言っていた言葉。
「先生には、私たちのやりたいことにはもっとチャレンジさせてほしい。
生徒のみんなは、やりたいことをちゃんと先生に伝えていくことが大切」
彼女は、報告内容を決める時、
「先生と生徒にメッセージ言いたいんだけど」と発言。それがこのチーム発表の最後を締めくくりました。
この取り組みを一緒にやらせてもらったことは、私自身にもとっても実りある経験だった。
やりたい!と思ったことがうまくいかず、モチベーションが下がり、どうしたものかと思っている時に
程良い助っ人の方が町にいた事。
一度走り出したものだから、途中でやめることもできず、
何度も代案を考え、軌道修正した彼らの柔軟さとそれに応えてくれた先生や町の方々。
自分自身も一緒に右往左往して、一緒に頭を悩ませられたのが、すごくおもしろかった。
またやりたい、そんなことを思う。 いい経験でした。

秋山 千草
東京都練馬区出身。神山つなぐ公社ひとづくり担当。下分から鮎喰川沿いを自転車で走るのが心地よい。踊りと美味しいご飯と木が好き、そしていくつになっても「遊ぶ」のが大好き。
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