たまった野菜たち、の話

なんでも2020年4月30日

アバター画像

投稿者:西村 佳哲

本記事はイン神山内のほぼ月報という枠組みの中で執筆しました。2019年〜2021年までは神山つなぐ公社が「まちの様々なプロジェクトのいま」を、2022年以降は神山つなぐ公社とグリーンバレーで「神山に関わるみなさんと共有したいまちのできごと」をお伝えしています。

コロナウィルスの感染拡大。フードハブ・プロジェクトの農園チームにはどんな影響を与えている? 彼らの全体ミーティング(月イチ)が開かれていたので、農園長の白桃薫に聞いてみました。

── この1〜2ヶ月は?

白桃 最初の頃は、農園にはあまり影響がなかった。いままでと同じ感じで、収穫物も必要な人のところへ届いていて。めまぐるしく変わったのはこの1ヶ月間ですね。

── 緊急事態宣言が出てから。

白桃 ですね。野菜たちが急に動かなくなって。フードハブの食堂やパン屋のぶんは変わらず動いていたけど、自粛にしたがって来客が減ってくると、それもやっぱり次第に。出荷しきれない野菜たちがだんだんたまっていって。でも、出荷先の飲食店も閉じているから仕方ない。

── いまもたまっている?

白桃 GWはたまりにたまっていたんです。でもそこから状況が一変して。野菜たちを届けてくれていた卸し先の食品店や八百屋さんが、「すごくたくさん必要です!」と連絡をくれるようになって。

あと出荷出来なくて困っているんじゃないかって、気づいてくれる方々もいて。たとえば普段はスダチとキウイを卸している生協さんが、「大丈夫ですか?」「騒ぎが収まるまで、野菜を全部送ってもらって大丈夫です」と向こうから言ってくださったり。

── ありがたいね。

白桃 本当に。(笑)

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

「飲食店(まだ閉じている店が多い)以外の動きは、ここに来てすごくよくなっている」と。短いインタビューを交わしながら、彼が野菜を、何度も「野菜たち」と言っているのに気がつきました。

アバター画像

西村 佳哲

にしむら よしあき/1964年 東京生まれ。リビングワールド代表。働き方研究家。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、大きく3つの領域で働く。元神山つなぐ公社 理事(2016〜21)。著書に『自分の仕事をつくる』(晶文社/ちくま文庫)、『ひとの居場所をつくる』(ちくま文庫)など。

西村 佳哲の他の記事をみる

コメント一覧

  • 現在、コメントはございません。

コメントする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * 欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください