昨年7〜12月の約半年、神山では「まちを将来世代につなぐプロジェクト」第2期(2021〜26)の戦略策定が進んだ。6つの領域毎に、数名の検討委員会を形成。「しごとづくり」領域のメンツは以下のとおり。

 神山町商工会 小河清中
 NPOグリーンバレー 竹内和啓・砂田莉紗
 商工会青年部 松村慶佑
 四国大学 吉田寛夫 
 町役場/税務保険課 樫本憲司
 町役場/産業観光課 森 由仁
 神山つなぐ公社 作田祥介
 神山つなぐ公社 梅田 學

コーディネーター的な立ち位置で動いた、作田・梅田さんの話を聞いてみます。

 

── ふりかえって、印象に残っていることは?

作田 グリーンバレー(以下GV)、商工会、役場の産業観光課、つなぐ公社の4者が、「神山のしごとづくり」について話し合う機会は自分にとっては初めてのことでした。それ自体が印象的です。

── 作田さんは、神山つなぐ公社(以下公社)で「しごと」領域の担当だけど、この数年間で初めてのことだった。

作田 そうですね。「イン神山/神山で働く」の運用に関して集まることはあったけど、「しごとづくり」というテーマで、広くまちのことを話す機会は。

── そのメンツは、この4者・6名で十分?

作田 検討委員の候補に名前があがっていた人は他にもいます。あと、子育て中のお母さんたちの「仕事を探している」という声も、これまで何度か耳にしていて、自分としては「そうした方に向けて出来る取り組みはなにかな?」という気持ちもあります。

── 産業として「しごと」を考えると、神山なら農林業が扱われることが多かったはずだけど。

作田 それは、また別の施策領域「循環」で扱われています(戦略資料:P46参照)。今回は、特定の業種・業態のための施策というより、町内の状況をもう少し広くカバー出来る施策づくりが行われました。

梅田 介護・福祉・医療についても考えたいことはあります。それに、「しごとづくり」には〝雇う側〟と〝雇われる側〟の話があって、その間にもいろんな主語がある。検討に取りかかり始めた7月頃は、「その全体をどう扱えばいいんだろう?」というわからなさがありました。

そもそもこの町の人々が「しごと」をめぐっていまどんな状況にあるのか、まったくわかっていない。役場の産業観光課の人も、GV も、商工会も、町内の状況を十分には把握出来ずに来ていると思う。2期はこの4者がもう少し状況を、まちでどんなことが起こっているのかを互いに理解して、それが次の力になってゆく。その力をためる準備が出来たんじゃないかと思います。

──「しごとづくり」を扱う主体の組み合わせは、市町村や地域毎に異なると思う。神山は、いまこの4者なんですね。

梅田 たとえば、商工会の小河さんは30代を神山町勤務で過ごし、そのあと他の地域で働き、一年前から再び神山に赴任されている。彼はGVの大南さんたちが、20年ほど前に生き生きと活動していた様子をよく憶えていて、その話をよく聞かせてくれるんです。

以前の経験を背景に、継業や観光についても熱をもって語ってくれる。聞いていると自分も元気になる。

GVの竹内さんには、高専のプロジェクトへのかかわりもそうだけど、ベースに「起業家が生まれるまちにしてゆけたら」という想いがあると思う。そんなふうに、めいめいの中にモチベーションや熱量が感じられるのはいいなって。

── 「仕事だから」「担当だからする」わけでなく、個人として。

梅田 想いがあるところが、今回のこの4者の良さの一つだなと思っています。

作田 神山の「しごとづくり」の中間支援的な立ち位置にいるこの4者で、話し合い、考えてゆくところから、そうですね……現時点では目の行き届いていない細部にも至ってゆけるのではないかと。

── この4者のつながり自体が、〝施策〟という形で書かれてはいない〝メタ施策〟であり、2期の「しごとづくり」の特徴なんだなと思いながら聞きました。

 

「まちを将来世代につなぐプロジェクト」第2期の策定について イン神山
https://www.in-kamiyama.jp/tsunagu/tsunagupj2/

「まちを将来世代につなぐプロジェクト」第2期|神山町創生戦略・人口ビジョン 神山町役場サイト
http://www.town.kamiyama.lg.jp/office/soumu/kikaku/tsunapro.html

第7回・つなプロ報告会(2021年2月12日) YouTube [2h18m]
https://www.youtube.com/watch?v=LO3UJAwXKxw&feature=youtu.be