民間主導で立ち上げた神山アーティスト・イン・レジデンス(ＫＡＩＲ)も今年で十周年を迎えます。よくぞここまで続けてこれたものだと感慨深いものがあります。

十周年ということでこれまで招聘した作家に、「十周年同窓会をしますから神山に来てくれませんか」と案内したところ、アメリカからリズ・ロスさんをはじめ五人の作家が駆けつけてくれました。

一昨日の土曜日は今年招聘した三人の作家と同窓会に来てくれた五人の作家たちを交えてのウエルカムパーティー50人以上の参加者もあり楽しく盛り上がりました。

一夜明けて昨日の日曜日は、「十周年同窓会記念座談会」。改善センターで午後１時からはじめましたが、これまた50人近い参加者でにぎわいました。

過去十年を振り返る－これからのＫＡＩＲの向かう方向－

というテーマでのパネル・ディスカッション。司会はＫＡＩＲ報告書のデザイナーの河崎さん、アシスタントはチャンさんで楽しい雰囲気のなか会は始まりました。

ディスカッションの第一部は、五人の作家のプレゼンテーション。
・神山での滞在経験が、その後の作家活動にどのように影響したか
・神山に来る前と神山に来たあとの変化
・自分の中でのＫＡＩＲ位置づけ

などを熱っぽく語ってくれました。

五人の作家とも神山での体験が創作活動の上でよい影響を及ぼし深く心に刻み込まれたとのことでした。

もちろんすべてが順調にいったわけではありません。期間中のハードなスケジュール、実行委員会との微妙な感覚のずれなど問題がないわけではありません。これらの意見は真摯に受け止め今後の活動に生かして生きたいと思う。

共通していえることは、スタッフをはじめ住民のみなさんの温かい支えが心に残っているということでした。

休憩を挟み第二部は、「これからのＫＡＩＲの向かう方向」ということでこの事業を支えてきたスタッフや参加した外部の人たちとの意見交換。

この会に参加してくれていた県近代美術館の安達先生を助言者として急遽引っ張り出すというハプニングがありました。安達先生といえば辛口の論評家として知られており、徳島新聞に定期的に美術論評を書かれています。

さすが超プロということでフロアからの意見に対して適切なアドバイスをいただきました。

司会の河崎さんと昵懇の間柄ということで急にお願いしたのですけれど苦笑いをしながらも快く引き受けてくれました。

外部から見たＫＡＩＲということで町外の参加者の貴重な意見もいただきました。概して、こんな田舎ですごいことをやっている、これからも続けてくださいとの温かい意見が多かったようです。

もちろん今年の招聘作家もディスカッションに参加。熱心に耳を傾けていた。最後には過去の作品を紹介したり、これから始まる神山での活動の抱負を簡単に述べて本日の会は終了。

2003年、通訳として活躍してくれた木村由美さんも久しぶりに神山に来てくれました。吉澤さん・リズ・ロスとも久しぶりの再開で話がはずみました。

会場では、ＫＡＩＲグッズや軽食などの販売もありました。売り上げも好調。資金難に悩むＫＡＩＲも潤いました。これらを企画し、協力してくれた皆さん、大変ご苦労様でした。さて二十周年に向かって頑張るか。トオルちゃんそれまで生きていれるかが問題・・・・。