三村昌道 ”A Moment of Snow”

アート2017年7月20日

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投稿者:Art in kamiyama

8月11日(金)から10日間、劇場「寄井座」にて2002年神山アーティスト・イン・レジデンス招聘作家・三村昌道さんによる作品展が開催されます。みなさま、ぜひお立ち寄りください。


–A Moment of Snow–

2002年の<神山アーティスト・イン・レジデンス>に招聘されたのが縁でその後も神山と関わり続けています。神山にはその名にふさわしく神聖な場所が多くあり、私にとって「寄井座」もその一つです。
当時神山に住んでいた画家の紹介で初めてここを訪れたときに、こんな素晴らしい場所で個展ができるのかと興奮したことをよく覚えています。土壁の狭いトンネルのような通路に入り、この町の子ども達が残した無数の落書きを眺めながら、プチトマトが植えられた中庭に出ると古い平屋の建物「寄井座」があります。中に入り、歩くと軋む床に目を向けると、色んな材料で直されていて時代とともに大切にされてきたことが分かります。寝転ぶと天井に描かれた絵や文字が語りかけてくるような気がします。よく風が通るこの空間は、窓を開けると土や木の匂いが漂います。


「最後の1日」
ここ数年、雪をテーマに制作を続けています。大雪の日を狙って車で雪山に向かい、夜中じゅう山の中を歩き回り、そこで出会ったことを絵にしています。ホテルの入り口が隠れるくらいの雪がある日は嬉しく、晴れた空を見るとがっかりします。以前は春が来るのが待ち遠しかったのですが、最近では冬が去ってしまうことを寂しく思うようになりました。
今回の展覧会は、山に根雪の残る4月始めの頃の、ある1日の出来事を描きました。暖かい春の牧場の広い斜面を歩いていたら、思いがけず突然雪が舞いはじめ空が真っ暗になり、やがて吹雪になり、一瞬で大地が雪に覆われました。しばらく吹雪が続いた後、太陽が出てきて少しずつ雪を溶かし、根雪の薄い氷と枯れた牧草の間を勢いよく美しい水が流れていきました。
次々に変化してゆく天候のなかを歩くうちに、知らぬ間に時間が過ぎていました。そして、私はこの春の吹雪を最後に今年の冬が完全に去っていったことを理解しました。
(三村昌道作品展案内状より)


日 時:  2015年8月11日(金)~8月20日(日)
時 間:  13時-18時(最終日は17時まで)
会 場:  劇場寄井座(神山町神領字北)
お問い合わせ: NPO法人グリーンバレー
               088-676-1177
※神山町役場の駐車場をご利用ください

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