北の国から….

アート2009年2月17日

投稿者:rika

みなさまご無沙汰しております。

昨年のKAIR2008でお世話になった安岐は1月上旬から北の国ドイツ、ベルリンにて作家活動中です。

2007年より継続的に続行中の自作自演プロジェクト「Memory of in your hands 」を 文化圏の全く違う様々な場所でも行うという目的で今回、野村文化財団と朝日新聞文化財団からの助成により、こちらのレジデンスに参加しています。

プロジェクトはこれまでおこなってきた折り紙を一緒に折ることと、その他にも「手作業」をキーワードにあれこれひらめいては煮詰めて実行中です。

ここのレジデンスは基本的にスペースと生活とオープンスタジオのサポートのみ。ワークショップの場所などは自分で見つける(なんせ自作自演なので)…ということでサンデーマーケットで格安で買ったマイチャリと共にかなり敏感に街を動きまわっています。

そういうときには出会いは突然訪れるものです。

扉は開いていました(笑)

扉が開いていたので

よくわからないけれど、15時から17時までカフェタイム、どうぞ!みたいな感じ?

とにかく私は!マークに誘われて、扉の奥に入っていくと、にこやかにマダム達が向かえてくれ、薦められるままに珈琲とケーキを頂いて、あちらはドイツ語しか話せなくて英語は片言、私もほとんど英語は片言で、お互いの自己紹介をして、手持ち無沙汰だったので、そこにあったお菓子の包み紙で折り紙を折ってみせたら、ものすごく喜んでくれて…

で、勢いで「折り紙ワークショップをここでしていい?」と尋ねてみると大喜び。

そんな感じの流れで、毎週水曜日、ここの教会で折り紙ワークショップをしています。

チラシ

チラシまでつくってくれていました。

みなさん手を動かすことが大好で、やり始めると2時間くらい止まらなくなるの、そのうち上手な人が不慣れな人に教え出したりして、とても興味深いのです。

マダム達

ぐるぐるぐる つながっていきます。

いままで知るはずもなかった人たちと一緒に時間を共にし呼吸する不思議さは、神山でも、東京で老人ホームへ訪れたときも感じたことですが、改めて感じています。

そして、まだまだ人のつながりはぐるぐるつながります。

昔からの知り合いのアーティストとの偶然の再会がご縁で、彼の知人のまた知人の女の子Maikeが私のプロジェクトにとても興味を持ってくれ、彼女の職場であるメディア開発センターという子供達にいろんなワークショップを行う施設で週に2回これも折り紙ワークショップを行っています。

でもベルリンキッズ達は日本の子供より正直、折り紙にはあんまり興味無し、ずーっとネットゲームしています。でも彼女らは禁止したり、叱ったりせず、いろんなワザを使ってこっちに興味を示すように仕向けるんです、 これちょっと学ぶところ多しです。

メディア開発センターのみなさん

左端がMaike。

Maikeは私が居るところの近所に住んでいるので 、時々夕飯を一緒に食べるのですが、目の力の強い女性。そして興味の範囲が似ていて、共通する話題の多い相手。

共通する話題といえば、先週末シャーロットさんにもお会いしました(McGowanさんのほう)彼女のスタジオもやはり近所で、スタジオ訪問のあと夕飯をご一緒、その後カフェで神山談議(笑)

ゴキブリと大きなクモにお互い悩まされた話や(彼女は大きなクモが怖くって一晩道の駅で野宿したそうです…これって有名な話?)神山は星がきれいだよねとか….そしてチャンさんの 話になって、お互いちょっと泣いてしまったり。泣きながら、初めて会う人なのに、こんなふうに繋げている神山のことを思ってそっちでもしみじみ感じてしまったのでした。

彼女には今度から神山にはパパラッチが2人居るからね、でもすぐに慣れるからと教えておいてあげましたよ、ニコライさん中原さん(笑)

そして、制作ばっかりではなくてちゃんといつもの放浪、いや散策のほうも。。。ベルリンの西の端っこに大きな森があって、そこに戦争の瓦礫で出来た森があるという話を聞いて、バスを乗り継いで行って来ました。

森

その森の木々は、まだ樹齢は若そうだったけれど、けっこう間伐もマメにされていて、且つ針葉樹と広葉樹が混ざった森でした。森の真ん中の瓦礫でできたトイフェスベルグ山に調子に乗ってぐいぐい登っていると、いのししに遭遇、本気で怖かったです。勿論そろりと急いで逃げました。

トイフェスベルグ

正面に見えるのがトイフェスベルグ。山というか丘のような感じでした。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

ここのスペースには様々な国から様々な表現のアーティスト達が自分たちでたてた計画を実行するべく滞在しています。だからなにかを一緒にするっていうことはないのですが、カップルで滞在しているアーティストが多いせいか、アットホームな感じ。。。油断すると「リカ、大きくなるんだよ」(作家の中で私が一番背が小さいから…)と甘い物や、美味しいご飯を食べさせてもらって嬉しいけどちょっと危険。。そして私のブロークン・イングリッシュにも 根気よく付き合ってくれます。。。本当に感謝です。

そんな感じで、相変わらず元気にやっています。

窓から見える景色

私のスタジオから見える景色。ここ数日−3°とかで明日は−10°いくそうです。

神山は森づくりの写真をみるととっても暖かそうですが、まだまだ寒いとおもいますので、みなさんどうぞ風邪など気をつけてくださいね。

それではまた、どこかから!

rika

2008年のアーティストインレジデンスにて神山に滞在。 東京を拠点に各地で美術家活動をしています。

rikaの他の記事をみる

コメント一覧

  • 森の感じ、やっぱり寒そう・・・。春の様子が見てみたいなぁ。 いのしい...隣のおじさん(猟師)とハナコが大喜びしそう(笑) オリヅルって、すばらしい交流のツールになんだ、って思います。 いろんな所で、日本の文化を折りまくってください・・・(笑)

    2009年2月17日 1:14 PM | 大南 信也

  • おお・・ドイツ・・懐かしい・・・  久しく行っていないですな・・ その。。なんというか 中間色ばかりの 風景・・・ ドイツだなあ・・・  ここは昨晩 マイナス3度でした・・・  でも・・隙間だらけの家で この温度だからねえ・・ そっちのほうが 快適でしょう???

    2009年2月17日 6:54 PM | KEIJU

  • “ リカ、大きくなるんだよ・・・。”というのは、アーティストとして、大きくなるんだよ・・・ということで、なかったのですね。笑わせてもらいました。(ナイス・ギャグ!) シャーロット(McGowan)さんの “ 彼女は大きなクモが怖くって一晩道の駅で野宿したそうです…これって有名な話?)” ってのは、おいらは知らなかった。 ベルリンでシャーロットさんに会って、チャンさんの話など・・ 人の縁というか、世界も、意外と身近なものなのですか? 安岐様の作家活動も順調なご様子でお歓び申し上げます。 神山も森づくりの後、寒くなりました。 ベルリンは 氷点下のようですが、身体に気をつけて頑張ってください。 良い作品が出来ることを祈ります。

    2009年2月18日 12:13 AM | ニコライ

  • 大南さん ほんとうに、春のこの森見てみたい...というかベルリン市内自体春になると木々がとても美しいらしいです、もうちょっと居ようかな....(笑) そして折り紙というか、手作業がつなぐコミュニケーションというのは本当に一期一会だと思います。 うまくつながれることもあるけど、そうじゃないことも多々あります。 こちらでこの活動をしていて思うのは、特にこの街はコミュニティごとでリアクションがまったく異なること、ここには書かないしょっぱい出来事も勿論いっぱい経験中です(笑) KEIJUさん うん、外に出なければ、東京の家より暖かいです(我が家も隙間だらけの木造家屋)。冷え性じゃなくなったのかな?って勘違いするくらい。 でも先日雪の中自転車で出かけてしまって、凍るかとおもうくらい寒かった、反省。 KEIJUさんもベルリンに住んでいたのでしたっけ? ニコライさん 勝手にニコライギャグにしないでくださいね、フフフ。 この街は、人と人とがつながるスピードがとても早いなぁというのがここに滞在しての感想です。 シャーロットさんとは、同じ景色を見て感じてという営みを経て制作した共通の空気みたいなのを感じ合えたような気がします。 >作家活動も順調なご様子でお歓び申し上げます。 ありがとうございます。 でも、まだまだやってみたいことはあるので、ぐいっとがんばりますよ!

    2009年2月18日 12:57 AM | rika

  • その「しょっぱい出来事」とやらをぜひお聞かせ願いたい。 (ネットではヤバそうやから・・・(笑))帰国後に!

    2009年2月18日 10:00 AM | 大南 信也

  • ふふふ、ヤバいというか、しょっぱいだけなので、、、 酒の肴には丁度いいかも(笑)

    2009年2月20日 6:18 AM | rika

コメントする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * 欄は必須項目です