写真を撮る人を撮る…?

アート2009年4月19日

投稿者:中原 亨

さて、本日フィンランドの女性写真家2人を案内しました。
4月15日の徳島新聞で大きく紹介された写真家です。この14日に神山に入り、森林写真を通じて自然の大切さや人々の暮らしぶりを表現しようとしています。芸術家楡木令子さんの招きで、アーティストの受け入れ態勢の整っている神山の地にやってきました。昨夜の飲み会で彼女たちを紹介され、本日神山の名木の案内をしました。

峯長瀬の大ケヤキ。

ヤマニハウスに彼女たちを迎えに行ったのが午後2時。このくらいの時間が写真撮影に一番適している時間帯だとか。まず、向かったのが以前隠れ名所で紹介した峯長瀬の大ケヤキ。彼女たちもこの巨木に圧倒されていました。

プロの写真家となればいろんなアングルで写真を撮ります。

彼女たちの使っているカメラは日本製のキャノン、彼女たちに言わせるとこのカメラが一番いいそうです。それにしても寝転んだり這い蹲ったりいろんなアングルで狙います。

2人とも同じ場所に連れて行ったのですがカメラを向ける狙いが微妙に違う。

巨樹の全体像を狙っているセッポさん、樹皮や根元に祀ってある祠を中心に狙っているコヴァライネン。いろんなカメラワークに触れることができました。トオルちゃんもカメラの趣味を持っていますが彼女たちの動きは非常に参考になりました。

撮影を終わりトオルチャン宅でティータイム。コーヒー・ケーキ・フルーツを実においしそうに食べてくれました。あぞびに来ていた外孫たちも急に外人さんが来たのでビックリの様子でした。記念写真をたくさん撮ってもらいました。

北養瀬の椋(むく)の巨木

次に向かったのが北養瀬の椋の巨木。彼女たちのこの巨木には圧倒されっぱなし。実に長い撮影時間となりました。プロの写真家は太陽光線の射し方に非常に気を配ります。

本日一番のお気に入りの被写体。

この椋の木のある場所、周りに邪魔な雑木などがないところでバックの景観も非常にいいところに生えています。樹齢は百年だといわれています。30分ほどで撮影が終わると思っていたのですがなんと2時間ほどかかりました。太陽光線の具合を待つためです。

2人が同じアングルで撮るのをはじめて見ました。

フィンランドは森と湖の豊かな国です。古代から住み着いていた人々は、巨樹や森の動物たちには精霊が宿ると考えそれを信仰の対象としてきました。しかしキリスト教の伝道がはじまるとそれらは邪教として追い払われました。そのことにより人間と自然の結びつきが消されていったのでした。

彼女たちの目はそのことの不条理に向けられているかもしれません。
巨樹や巨岩には精霊が宿るとされ日本でもそこには祠が祀られています。コヴァライネンさんは、その祠や板碑に執拗にレンズを向けていたように思います。トオルちゃんの貧弱な英語力では深く追求できませんでしたが、工藤さんを通じて聞いてみたいと思います。

小さな神社に立ち寄りました。狛犬に非常に興味をもったようです。

小童神社に立ち寄りました。広野五反地の氏神様です。小さな神社ですが彼女たち非常に興味を引かれたようです。「狛犬(こまいぬ)」って何だと聞くのです。お神様の番犬だと苦し紛れの説明。

さらには口をあけている犬と閉じている犬。「阿吽(あうん)の呼吸」を英語で説明するなんてトオルちゃんにはとてものことでない。この二字が物事の始めと終わりを象徴する仏教用語から来てるなど、貧弱な英語力では到底無理な話。「あ=A、ん=Z」なんてしどろもどろの説明でごまかした。でも彼女たち分かったような顔をしていた。(冷や汗)

神光寺ののぼり藤

神山の名木、最後に訪れたのは「神光寺(じんこうじ)」ののぼり藤。今は七分咲きですか。ここでもかなりの時間を要した。

彼女たちをヤマニハウスに送って行ったときには夕闇が迫りかけていました。でも今日のガイド、非常に気に入ってもらえ感激してくれました。また日を改めていろんな場所を案内する約束をしました。

中原 亨

神山アーティスト・イン・レジデンスの自称学芸員。これまで招聘した作家たちの作品の解説はお任せください。年間を通じて数多くの訪問者を案内しています。 神山を元気にするため老体を鞭打ちと東奔西走しています。NPOグリーンバレーの理事。

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コメント一覧

  • 視点がユニークで、面白い!

    2009年4月19日 11:21 PM | 大南 信也

  • トオルちゃん。 ご苦労様でした。 助かります。

    2009年4月20日 12:28 AM | ニコライ

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